縁起もの?強い子キュウリちゃん

 写真は、何の変哲もない糠漬けなのですが…。大根、カブ、ラディッシュ、キュウリ…。どこにでもあるような野菜なのではありますが…。

 早い話が、このキュウリの出所です。

 この時期に、初雪の降る北海道から送られてきた「きゅうり」を食べられるとは、思いもよりませんでした。

 凍え死にしなかった強い子「生き残りキュウリちゃん」です。そのしたたかな生命力に感動したkekkowさんが、わざわざ送ってくださった珍品です。

 教室のみんなの分も、1本だけ糠漬けにしてとってあるからね。強い子キュウリちゃんは、縁起ものなので(?)、ご利益にあずかれます様に。(勝手に縁起ものと決めつけている)。

 ということで、話は変わりますが。

 あたくしの目下の目標は、このあと、「白醤油」作りに初挑戦することです。

 白醤油は、精白した小麦粒と少量(1割)の炒った大豆を蒸し、種付けして麹にして、塩水で漬け込む色の淡い醤油のことです。

 茶碗蒸しや、うどんのだし汁、色をきれいに仕上げたい野菜の煮物などに使います。

 で、この白醤油の麹菌(種麹)は、醤油用のものではなく、味噌用の長毛、中毛系の麹菌です。

 うちの自家培養の、あの例のモノで、イケちゃうのではないかと思っているのです。白醤油は、(アスペルギルス)ソイヤというよりは、むしろ、タマリに近いのでは?と推測しています。(まちがっていたら、ごめんなさい)。

 もし、成功したあかつきには!

 うちは高級料亭よ。(?)てへへへへ。(もう、その気になっている)。

 発酵期間は醤油や味噌よりも短く、1回目の生揚は2,3ヶ月後にできます。

 今回の初挑戦で成功すれば、1月には、自家製白醤油で料理できる計算になります。

 手作り白醤油、成功なるか否か。期待しないで待ててください。

 何せ、失敗こそ、我が師でございますもので。

 では、実験に突入いたします。

お焼きだよ!全員集合

 左からから、「小豆の粒あん」「切干大根」「大根葉漬物の油炒め」「おからとひじきの煮物」の「お焼き」。今週の教室パンです。

 中に詰め込む具を水気が飛ぶまで炊き切るのが、包みやすくするポイント。

 生地は、あまり力をつけすぎないように。(国産小麦を使ったので、つけたくても、つかないから、まあ、どうでもいいんですけどね…。)

 たいがいの国産小麦は、吸水が低いので、水分少なめの生地作りです。捏ね過ぎると、逆にダラケるという摩訶不思議なクセがあります。

 この製パン性の低さが、平パンに向くのです。お焼きも、包む前は、ただの平パンです。

 お焼きの具なら、ナス味噌や、キノコや、カボチャも、はずせませんねえ。これは、このあとからの準備です。

 生地づくりよりも、中の具を用意するのが大変なサンプルパンでしたわ。

 小豆は、まだ、新豆が来ていないので、残り最後の去年の豆を全部炊いたのよ。すごく時間がかかって、それでも、皮がなかなか柔らかく煮えなかったの。アヘ〜。。。。

 早く、来い来い、新豆さんよ〜〜。かーちゃーん、はよ、送ってくれ。

 で、来なくていいものが来ちゃった。永劫の決別かと思っていた生理のかえり花。

「まいどっ!三か月ぶりのご無沙汰でや〜んすー、てへへ。」とばかりに。

 終焉のはずだった。しかし、うすうすと、予兆は感じていた。スケベ心が強まるとか、腰が重いとか、お腹が緩いとか、少しむくみがあるとか。

 で、案の定、速攻お雛様よ。

 来なくていいもの;公共料金の督促状、手持ち4千円ポッキリのときに限って必ずやって来る新聞の集金、閉経ラッキーと喜んだ矢先に遅れてくる生理。

 おっと、話が大幅にそれちゃったわいな。

 お焼きの皮は、そば粉や米粉などを加えるものもあります。また、生地に味噌を加える「ほど焼き」とかいうものも、あるらしいです。

 今回は、素直に小麦粉だけの生地にします。皮を薄ーく伸ばして、中の具をムギュッと、たくさーん、たくさん詰めちゃいましょう。

 国産小麦は、外麦と比べ、酸化に傾きやすいので、中種は若めを使う方が無難ですよ。発酵完了から、三日目くらいまで…ですね。

11月・12月の冬の教室

 早いもので、10月も、もうじき終わりですね。11月、12月は冬のアイテム、年末追い込みに入ります。

 11月は5週あるのですが、休講はしません。代わりに12月の最終の週、27日に、みんなのスケジュールと見合わせながら、休みを入れても…と、考えています。

 今年の残りアイテムは、8アイテムです。

 (あくまでも、「予定」です。私の思い通りにいかないことも生じます)。

「おやき」「ライ麦100%」「パネトーネ(orクグロフ)」「シュトレーン」「クロワッサン」「蒸しパン」「ハム&チーズローフ」「黒米パン」。(順不同)

 原材料の入手状況、準備スケジュールとの兼ね合い、発酵食品仕込みとの時間組み合わせ、生徒の出席状況など、さまざまな事情を考慮しながら、残り8回の教室のアイテムにしようと思っています。

 とりあえず、今週の教室のパンは「おやき」を予定しています。

 国産小麦を使って、発酵生地の薄皮を作り、おなじみの惣菜(おから、ひじきや切干大根の煮物、葉漬物炒め、ナス味噌など)や小豆のつぶあんなどを包みます。

 オーブンで焼き上げてもOK、フライパンで餃子みたいに蒸し焼きにしてもOK。

 囲炉裏の灰でもOKなのですが、これだけは、うちの教室じゃ無理ですね。高のぞみ過ぎますわ。

 今週のパン「おやき」に関しては、明日か明後日の画面に載せます。

 本日の画像は、この前の教室で「レシピ教えて」だった「ファラフェルの和風仕立て」です。(あのときは、レンコンはさみ揚げでしたね)。

 ガンバンゾ150gを一日浸水して戻して、水きりし、フードプロセッサーで極細かく粉砕します。
 好みの野菜(ニンジン、シイタケ、わけぎ、ひじきなどを合わせて)50gを細かく切り、ごま油少々で軽く炒め、小麦粉大さじ1ほどを振り込んで、混ぜ合わせます。 
 粉砕したガンバンゾと、この野菜と、塩小さじ半分をボウルに入れて、よく練り合せます。
 ボウルの中の具を10等分にして丸め、小麦粉をたっぷりとまぶしながら、手のひらで、円盤形に、つぶします。
 薄切りにしたレンコン20枚を2枚一組にして、真ん中に具をはさんで、ぎゅっと挟み込みます。つまり、ガンバンゾのレンコン・サンドイッチみたいに。

 レンコンの穴の中に、ガンバンゾの具が、ムギュッと詰まるくらいまで、強く挟み込みましょう。

 あとは、粉をかるくまぶして、中温の油で、キツネ色になるまで、じっくりと両面を揚げるだけです。よーく揚げないと、ガンバンゾが生臭いままですよ。
 (もし、揚げの加熱が足りなかったら、あとから180度のオーブンで焼きなおせば、加熱が十分になります。)

 すだちや柚子のポン酢と、練りカラシでいただきます。

 写真・右側は、生湯葉ではさみ揚げしたものです。具は同じですが、食感は全く違います。
 

柚子味噌クロワッサン

 柚子が出始めるのを待ち望んで、やっと手にした国分寺農家の小さな青柚子。

 初物の柚子の香りと豆味噌の風味を組み合わせ、ペストリー生地を作りたかったのです。

 嬉々としながら柚子の皮を刻み、豆味噌とともに生地に混ぜ込んで、残り少ない半ポンドのバターを折り込み生地で使い果たしました。

 ほどよく気温の下がった夜間。一晩のオーバーナイト二次発酵。

 翌朝7時の焼成開始。

 ありゃりゃんりゃん。ちょっと腰が低いぞよ。

 ヤバイ!中種が、古すぎたようだ…。(4日目の種)

 教室の生徒には常々、「ペストリー生地の中種は、必ず種継ぎしたての新しいものを使うこと」と、のたもうている私。

 嗚呼、それなのに、それなのに。また、やっちまったわ。

 私だけは大丈夫…とばかりに、ふぬけた失敗をば。

 いつもなら、「作りなおそう」と、前向きになるところですが、今回は違う。完璧に後ろ向き。いや、後ろを通りこして、横向きか。

 ストックしておいた業務用無塩バターが、ついに尽き果ててしまった。品薄の入手困難。見かけたとしても<お一人様、1個限り>の限定販売。

 それでも、あるだけマシなほう。全然なくて、代わりにマーガリンなんて、ザラだもんね。

 バターあるのを見つけたら、何度も行ったり来たりで、<お一人様>を3回も4回もやらなければ、必要量を確保できない。バター買うだけで、疲れちゃう。

 教室でも、これから、クロワッサンだの、クグロフだの、シュトレーンだのと、バターを大量に使う冬用のアイテムに入らなければいけない時期なのに。

 ということで、バターゲットのために、お一人様を5回も6回も繰り返さなければいけない最低最悪油地獄ショッピングを再開せねばならぬのじゃ〜。

 鬼とな〜り、蛇とな〜り。(ここで、鼓のポン・ポポポーンという音響が入る)

 歌舞伎のシナリオが書けそうな気分になってきた。

(無意味な発想で、無意味に前向きになる私)。

 我が人生の無意味さはー、大いなる必然の証しぞ〜よおお…。(ここで、カン・カンカカカカーンと、拍子木が鳴る)

(歌舞伎揚げせんべい模様の幕が、静々と引かれる。見え隠れする黒子の足が、物悲しさを語る。暗転)

 

再仕込み醤油・半手作り

 「再仕込み醤油」とは、すでに出来上がっている醤油で、醤油麹を漬け込み、Wパンチの醤油にするものです。

 醤油麹は普通、塩水で漬け込むのですが、その塩水を醤油に代えるわけです。

 ですから、お値段の方も、なかなかでして…。でも、とても美味しいので、ときたま、それを置いてあるデパートなんぞに行って、買ってきてたりしてたのですが。

 で、近年は、これも手作り。ただし、手抜きの半・手作りですがね。

 先ず、市販の醤油を買ってきます。そして、コウジカビを育てた豆味噌の味噌玉にジャボジャボと注ぎ入れて、仕込み完成。仕込み時間30秒!

 2週間目くらいから、「市販の醤油」は、別物のとても濃い風味のある濃厚なしょうゆ(たまり醤油)に変わり始めます。つまり、うま味が強まるわけですな。

 もちろん、もっと長く置いておくほうが、さらに濃厚な旨味になるのです。

 写真は、漬け込んで、まだ数日間しか経ていないものなので、完成品ではありません。あと2週間(以上)くらい、冷蔵庫の中で放っておきます。

(醤油も寒仕込みなので、真冬の寒さが必要なのです。東京ただ今は、まだ、ぬくぬくしています。ですから、やむなく冷蔵庫へ…。)

 コウジカビの生えた味噌玉を細かく砕き、さらに全体にコウジカビを増殖させます。粉砕した破片全体がすっかり、モスグリーンのコウジカビに覆われたら、市販醤油で漬け込みます。

 大豆1キロ分の味噌玉に対して、市販醤油が2リットルくらいの配合で作っています。半・手作りの自家製再仕込み醤油。

 今回は、4リットル(大豆2キロ分)の仕込みです。

 再仕込み醤油、4リットルあれば、ややしばらくの間は、自分好みの味の醤油を料理に使えます。仕込みも簡単、たった30秒(?)なので、友達にも分けてあげられます。(たまり味噌から採取するたまり醤油の方は、一度にたくさん採れないので、分けてあげられないけれど。)

 置いておくほどに、たまり醤油としての旨味が強まりますが、ある程度の好みの時点で、もろみを濾して、液体の方だけを「再仕込みたまり醤油」として、瓶詰めしなおします。

 で、この「もろみ」が、また、スグレものでして。早い話が大豆麹の醤油漬けでございましょう。そのまま食べても、美味しいんですよ。

 熟させてから、漬物床にしたり、甘味噌に転用したり。

 美味しい醤油プラス、役立つもろみを両方ゲットなのでございます。

 豆味噌は、塩水で仕込んで長い期間、発酵させるものですが、こちらのほうは手っ取り早い。

 今年の豆味噌麹の味噌玉、豆味噌だけではなく、この「半手作り・再仕込み醤油」のほうも仕込んではみませんか?

 豆味噌子種を分配した「我がコウジカビファミリー」たちよ、簡単なので、やってみなはれ。豆味噌の二卵性双生児「再仕込み醤油」をば!

 

丸ごと大根役者

 昨日のパン教室の試食時間メイン料理は、国分寺産の大根丸ごと1本でした。

 ブリ大根、大根皮の生乾しキンピラ、大根葉の漬物油炒め。

 まず、大根葉のつけもの油炒めは、大根葉を1日塩漬けして、洗って良く絞り、しんなしたたものを糠漬けにして、細かく刻んで、油で炒めます。
 酒、だし汁、みりん、たまり醤油を加え、汁気がなくなるまで炒め煮して、生姜の針と赤唐辛子を加えます。

 高菜漬けの油炒めみたいで、とても美味しい。

 ブリ大根用の大根の皮は、くるりくるりと、二度むきします。一皮だけのむきですと、大根足に網タイツをはいていますでしょ。あの網タイツを全部ぬがせるまで、皮をむくんですよ。

 太い大根足は、すらりとした細めの足になって、輪切りでも、程よいサイズになります。

 大根の皮が、たくさん出ますね。斜に細く切って、盆ざるに広げ、しんなりするまで乾します。(切干大根のようにカラカラになるまでは乾しません)。
 これをきんぴらごぼう同様に料理するのですが、隠し味には自家製コチュジャンとウスターソースをほんの少しだけ加えます。炒め終える間際に、ごま油少々で香りを付けます。

 どことなくエスニックな香りのするコリコリシコシコした美味しいキンピラになりますよ。切干大根の煮物とは、似て非なる歯ごたえと味わいです。

 大根丸ごと1本勝負以外には、チャナ(ひよこ豆=ガンバンゾ)の「ファラフェル和風仕立て」。
 これは、粉砕したチャナにゴボウ、ニンジン、わけぎ、ひじき、ショウガ各少々を混ぜ込んで、レンコン薄切り2枚ではさみ揚げにしたもの。国分寺産の美味しいブロッコリーを山ほど添えました。
 すだちのポン酢を添えて、出来上がり。チャナの滋養豊富な旨味と、レンコンのシャリシャリねっとりした食感のハーモニーが、大好評。

 みんな「うまい!」「おいしい〜」と、あっというまに食べちゃったので、大慌てで第二弾の御代りを追加で出したほどです。

 この豆料理は、後日、もう一度作って、いつか画像に載せますね。

「レシピ教えて」と言われたけれど、「こんな簡単な料理にレシピなんかあるわけないだろっ!」と、一喝してしもたわ。

(真面目に、レシピ立てて作って書いてみるね。あんなに、美味しいオイシイと、喜んでもらえるとは思っていなかったので。)

 大根1本丸ごと料理でも、ワイワイかまびすしく喜んでくれる素朴な人間集団です。

 最近、やっと地元農家の大根が出始めたばかりまんですよ。葉付きの大根1本が、嬉しくてたまらなくてね、どこも、絶対に無駄にしたくないの。ぜんぶ、美味しく料理するんだ。

 たかが、100円か150円の大根1本ですが、地元農家の顔や畑を思い浮かべると、大根1本だって、大御馳走です。

 

お教室でございます

 秋雨続きでしたね。今日もお天気がご機嫌斜めっぽくなるのかな。お教室でございます。お気をつけていらしてください。

 木の実たっぷりの「リスさんのほっぺパン」をやります。水分85%のゆるゆる生地を木の実のパンに仕立てます。

 豆味噌バターケーキの試食もございます。

 国分寺農家の大根が、出回り始めたので、大根役者料理が酒の肴。

 豆味噌の種麹リフレッシュメント用の味噌玉(写真)は、森のキノコのような匂いを漂わせています。今シーズン用の子種を採取したら、初回の豆味噌仕込みに入ります。

 お教室での豆味噌づくりは、そのあとからになります。

 11月、12月のパン教室は、クリスマスアイテムだの、発酵食とのコラボだのがあり、なかなか、ドタバタする季節になります。

 すでに、私は、ドタバタし始めていて、頭の中にもカビが生えてきています。

リスさんのホッペタっこ・その2

 午後5時過ぎの夕方です。

 外は、もうすでに、真っ暗です。日が短くなりましたね。午後からの陰が、長〜く伸びる時間も、ずいぶんと早くなりました。

 秋ですね〜〜〜。

 たった今、「冬眠前のリスさんのホッペタっこ」(ミューズリーセンメル)が、焼き上がりました。

 水分量85%の方です。

 アップを焦ったせいか、出来は良くありません。(撮影のための、日没時間を気にしすぎました。でも、結局は、自然光には間に合わず、蛍光灯とスタンドを灯して、写真を撮りました。)

 水分量の多いパン生地は、本当にタイミングが、難しいですね。

 バゲット型に成形した方のパン生地の焼成は、失敗しました。本来なら、成形せずに、ケース詰めか、断ち切りかで焼成に入るのが、ベターな配合です。

 コテコテと成形しているうちに、生地をいじめてしまい、底広がりのスリッパみたいなパンにしてしまいました。

 真似してはいけません。こういう生地は、コテコテ成形せずに、ガス抜きせずに、断ち切っただけで、焼き上げるほうがいいのです。

 とは、知りつつも、小型の丸パンの方でも、遊びを入れてしまいました。

 中に、半乾しにした国分寺産の「いちじく」と「柿」、そして、ローストしたクルミをムギュムギュ詰めてしまったのでした。

(写真で見えますか?ジャリジャリ食感のいちじくと、香ばしいクルミが、パン生地の中に、ムギュムギュ詰まっているのが。クープ入れのカッター代わりに使ったセンメル型の切れ目からも、いちじくの汁があふれ出しているのが。)

 乾している途中から、空模様があやしくなったので、「半乾し」です。意図したものではありません。

 お空次第、お天気次第、そして、私のボケ頭次第。あるがままよの「リスさん」のほっぺたっこパンになりました。

 でも、まあ、めんこいもんです。

 野生のリスか、キタキツネか…みたいに、飾り気のないパンになりました。

 この程度のもの。あるがままよですわ。

 明日、土曜日、教室です。みなさま、道中、お気をつけていらしてください。

 

リスさんの頬袋

 冬眠前のリスさんが、食い散らかしたあとみたいに、乱雑な写真でしょ。

 ナッツ&シードのミューズリーを40%配合したリーンなパンです。

 実は写真のパンは、本命ではないのです。写真のものは、「フツーの水分配合」で作った方のパンです。

 考えていたのは、水分を80%以上も配合したユルユルの生地です。水分が多いと、気泡がでっかくなり、野趣あるパンになります。

 写真のもののように、きめ整った小さな気泡の締まったパンではなく、ブハブハにしたかったのです。

 冬眠前のリスさんの頬袋みたいに、ブクブクに膨れた野趣あるパンをイメージしていたのです。雪が降る前の森の中みたいな、秋の匂いのパンにしたかったのよ。色とか、形とか、味とか、ぜんぶ。

 で、水分配合85%の方の生地を夕べ、発酵過多にしてしまい、大失敗こきやんした〜!

 明日、教室だというのに、まだ、本命の方のユルユル生地のブハブハのパンが作れていないのです。(しょうがないので、本命ではない方のパンの写真を載せました)。

 水分80%というと、イングリッシュマフィン生地くらい。90%になると、エジプトのパンのエイシ生地くらい。

 水分が多いと、メチャクチャ発酵が早くて、油断も隙もないのです。

 ユルユルの生地を一次発酵中に、何度もパンチ入れて、どんどん締めていくの。3,4回くらいは、パンチするね。30度保温ですと、4時間くらいで行っちゃう。

 60分おきにタイマーかけて、パンチを忘れないようにするんだけれど、最後のタイマーのときに、終わったとホッとして…。

 安心したとたん、そのまま、忘れちゃった。

 数時間後に「ギャッ!」と、思い出して生地を見てみたけれど。

 そこには、ゲボゲボに泡を吹いた地獄谷のような物体があるだけだった。

 ミューズリー入りの中種が、たくさんできちゃった。

 最終戦、これから、再度仕込んで、意地でも完成させますわ。

 ちなみに、味噌玉のコウジカビのほうは、無事に完成いたしました。子種を採取しなければ…。

熱さまし

 本日、朝のブログ更新時には、白かった味噌玉のコウジカビが、昼過ぎには熟して全体が黄色くなりました。

 先の写真と見比べてみてください。

 こうなると、盛んに熱を発し始めます。

 この発熱を放置しておいちゃいけないのです。寒い時期なら、寝返りさせて、寒い場所にさらしておけばいいのですが…。

 只今の室温、22度。湿度は、72%。小雨がシトシト降るドヨヨーンとしたお天気です。風は、ほとんどありません。

 寝返り程度で熱が下がるほどの気温(季節・環境)ではありません。

 味噌玉を二つ、三つに割って、すのこに広げて、熱を放散させるようにしました。

 これ、熱さましの奥の手です。割って広げた段階から、かなり熱が下がり始めました。

 味噌玉は、「さぶ寝」がいいんです。温かくするよりも、寒い方がいいんです。

 蒸し大豆の味噌玉は、納豆菌などにとりつかれようものならば、ものすごい高温を発熱します。インフルエンザの熱くらい「うそっ!?」と思うほどの、高熱になります。

 そうなっちゃ、麹菌ではなく、納豆菌の天下取りになりますね。大豆はネロネロになって、糸を引き始める。二度と、コウジカビの世界には戻らない。

 わたしゃ、昔、何度「納豆味噌玉」にしたことか…。

 コウジカビを育てる3,4日間は、一日たりとも気を抜けません。外出する予定は、絶対に入れません。せいぜい、買い物に出るくらいのものです。

 さて、そろそろ、パン生地も一次発酵が完了する時間ですな。

 家中のあちらこちらで、小さな生き物たちが、活発に息づいています。