(無題)

梅雨入りを思わせる雨降りが本日も続いています。

 先ほどいっときの晴れ間のうちに、写真を撮っておけばよかった。まだ、昼間なのに、夕方のように薄暗くなってしまいました。(写真、断念)。

 でも、明日からは、お日様がのぞめそうです。

 さてさて、湿度や温度が高くなり始める時期には、パン生地温度を測るパンメーターを常備するほうがよいでしょう。(購入したとしても高い買い物ではありません)。

 生地に差しこんでおき、時折、生地温度をチェックしておくと、後々(これから暑い時期の)パン作りの参考になります。(しかし、温度を測定したからといって、美味しいものができるとは限らないのではありますが…。)

 生地量が違うだけでも、生地温度も違う状態になりますしね。

 あと、湿度もパン生地に大きく影響を与えます。単純な言い方をするならば、高い方が、発酵がイキやすいのです。

 一次発酵の生地温度は、捏ね上げ温度も含めて、25度以上30度以下くらいがよいでしょう。夏場には、あっという間に30度を越してしまう場合もしばしば起きます。

 周りが暑く、自分も汗ばんでいると、生地温度の上昇し過ぎに気づかないこともあります。そんなときに、生地の温度計は、なかなか頼りになる道具です。また、季節の変わり目、発酵状態の変化に戸惑うときにも、温度計が何かを示唆してくれます。

 というわけで、道具頼りの指示は常日頃行わないのですが、本日は「生地温度計を1本をどうぞお求めください」と、申し上げておきます。(製菓製パン材料店で買えます)。

 気温の変化が昔ほど、自然な緩やかさではなくなりましたから。やむなき自衛策です。

 ショウガレシピファイルの送付も一段落つきました。やはり案の定、LAN接続の方には、こちらの返信メールが跳ねのけられているようです。(こちらのyahooが警戒され拒絶されてしまうようです。届かない方、ご容赦願います)。

 本格的な梅雨入り前までに、ぶっ散らかった我が家中を大掃除しなければ…と思っているのですが、これに関してだけは、なかなか腰が上がりません。

 去年の夏にしまい忘れた扇風機も、まだ、部屋の中に置きっぱなしです。これって、今さら、かたづける必要ないかもね…。

お教室でございます

  シトシト雨降りが続いています。気温も低め。まるで梅雨みたいな薄墨色の空です。

 お教室でございます。黒糖ロールをやります。

 国分寺野菜も、初夏のものが出そろいました。春と夏の境目の料理、大好きです。トマトも、キュウリも美味しい。ズッキーニはやけに太い。

 みずみずしい結実野菜が夏への扉。庭の雑草も、ぼうぼう伸びてきました。この時期の植物たちは、生命力の塊ですね。すごい呼気を感じます。

 ホタル便りがちらほら聞こえ始めました。こちらは、もう少し後ですね。来月になったら、今年も夜の国分寺跡をホタル求めてさまよい歩きます。

 では、傘をお忘れなく、上着も1枚多めに、お気をつけていらしてください。

ガリを使ったミョウガご飯

 そろそろ、蜂蜜レモン漬けから、ショウガスライスを引き上げましたでしょうか?

 甘酸っぱく漬かったショウガのスライスをガリに作り替えた頃でしょうか?

 スライスは、下漬け状態で、底味がついているので、すぐに「ガリ」になりますよ。

 そのまま漬物としていただいても美味しいのですが、ちょいと一手間、「ミョウガご飯」などはいかがでしょう。とても簡単、すぐにできちゃう新ショウガの混ぜご飯です。

 刻んだミョウガとガリを熱々ご飯に混ぜるだけ。はい、これで「ガリのミョウガご飯」の出来上がり。

 さっぱりしているので、お刺身のときのご飯にしても合いますし、脂ギッシュな肉料理にも、ぴったりです。

 さらに、アレンジを…。このミョウガご飯に、もう一品、何か好みのものを混ぜ込んでみましょうか。

 塩昆布、チリメン山椒、刻み梅干し、新ワカメ、辛子明太子、ソラマメ…。

 どれもこれも、あまりにも美味しすぎるくらいに、ピッタリ合いますよ〜。(あるものだけでいいのです。何か一品くらいなら、お手元にありますでしょう?私、この写真のためだけに、冷蔵庫の中のもの総動員させましたけどね。全部作ろうなんて、アホなことマネしてはいけません。)

 ともかく、この混ぜご飯、さっぱりしているので食欲の滞るムシムシ季節にも向くのです。刻んだ青紫蘇を混ぜると、色合いの美しいご飯になります。

 ガリには、腐敗を抑制する作用があるので、お弁当のご飯にもいかがでしょうか?そろそろ、なんでもすぐにいたんでしまう季節になります。食中毒には注意しましょう。

 ショウガや青紫蘇は抗菌作用が強いので、ムシムシシーズンの強い味方です。

 まあ、そんなことよりも、ともかくウマいんで、やってみなはれや〜〜。

ピールづくりのおさらいです

 あらあら、苦くしちゃったのですか。入っているコメントに、今、気付きました。種と薄皮だけ煮るのでは、確かに苦いです。

 先日の画面、「ピールづくりの副産物・天然ペクチンでジャムづくり」のブルーベリージャムです。ほらね、こんなに粘り強く固まっていますよ。

 全然、苦くなどありません。

 では、天然ペクチンを活用する以前に、ピールづくりのおさらいです。

 あらゆるかんきつ類(レモン、甘夏、八朔、オレンジ、柚子、ダイダイなど)のピールづくりに言えることですが、「水さらし」して苦味を抜きます。

 
* 横半分に切って、果汁を搾って残ったかんきつ類の皮(薄皮や付着している種を含む)を縦半分に切り(つまり、縦横半分ずつ=4分の1カットの形)、まずはひたひたの水で一度ゆでこぼします。

 こうすることで、薄皮などを簡単に取り除くことができます。

 残渣を取り除いた皮を半日ほど水に漬けておくか、または、もう一度、ひたひたの水でゆでこぼし、皮をザルにあけます。皮の重さと同重量の砂糖を用意します。

 厚手の鍋に皮とひたひたより少なめの水、皮の半分量の砂糖を入れて、煮始めます。水分が少なくなってきたら、残りの砂糖も加えて煮続け、水分がほぼなくなるまで煮詰めます。

 この鍋底に「ほぼ」残っている水分が、ジャム作りに活用できる天然ペクチンです。どろりとした液体です。水さらしを済ませてあるので、ほとんど苦味はありません。

 ちなみに、天然ペクチンは、かんきつ類の白い部分だけに含まれているわけではなく、いろいろな果物が豊富に持っている成分です。リンゴや杏などにも多く含まれているんですよ。

 

あっぷりジンジャーコンフィのチーズケーキ

 ショウガのジャム(アップルジンジャーのコンフィ参照)と、チーズはよく合いますね〜。

 パンに塗るときも、チーズを塗ってからショウガのジャムをのせると、奥深い味わいになります。

 今回は、ショウガのジャムとローストクルミをはさみこんだ焼きチーズケーキです。これをブルーベリーなどに替えると、オーソドックスな味になります。

 まずは、タルト台を焼いておきます。(21cm型)

無塩バター100g、塩少々、薄力粉200g、卵1個とモラセス大さじ1を混ぜ合わせたもの

 これは、冷えたバターと粉をサブレして、溶き卵でまとめた生地です。(冷蔵庫で5,6時間ほど寝かせてから、焼いてください)。

 フィリングのチーズクリームは至って簡単、全部混ぜるだけ。

クリームチーズ250g、砂糖大さじ6、レモン汁60cc、たまご1個、バニラ少々

 フィリングはハンドミキサーで、ガーするだけです。タルトにクルミとショウガのジャムをちりばめ、フィリングを流し込んみ、170〜160度で45分ほど焼きます。

 充分に冷やし固めてから、温めたナイフで12等分に切り分けます。

 香ばしいタルトのビスケット、甘酸っぱいクリームチーズ、コクのあるクルミ、そしてスパイシーなジンジャーのコンフィ。それぞれの味が、仲良く絡み合って、ミョーにマッチしているんですよ〜〜。

 ほれほれ、作ってみなはれ。

黒糖ロール・今週のパン

 涼を呼ぶ黒砂糖は、夏の素材にしています(本当は年中使っていますが)。

 黒糖ロール。今週のパンです。

中種150g〜90g、塩小さじ2弱、黒糖30g、卵1個と大さじ1のモラセスと水を合わせて200cc、無塩バター30g

 この配合ですと、30%種量のオーバーナイトでも、安心してぐっすりと眠ることができます。夕方に捏ねた生地を冷蔵庫に入れて、就寝前の9時に出して常温放置。(室温26度)。

 翌朝4時半の室温も25度ほどありましたが、一次発酵は未然のまま。9時くらいまで保温して、やっと発酵を完了させました。

12等分・分割、丸め。1個ずつにしてもよいのですが、個別にせずにケース詰めしました。小型の集合体で大型にしちゃうの。で、このようにすると、二次発酵時間も大型並み。

 3時間近くかかります。

 個別に焼いてもよいのですけどね。でも、こんなふうに個々をぺったんこさせて焼き上げるほうが美味しいのです。

 こんな時ですね、パンづくりって面白いと感じるのは。

 同じ生地でも、小さな個体別々に焼き上げたものと、このような大型にしたものでは味わいが違うのです。また、個体の集合体にせずに、大きな丸めの食パン形とも味わいが変わります。

 なぜなのかは分かりません。

 ちなみに、同じ生地でも、きちんと丸めて一次発酵させたものと、丸めずに(ぐちゃぐちゃのまま)発酵させたものでは、味がずいぶん違います。

 きちんと丸めてから発酵させたもののほうが美味しい。

 パン生地づくりって、「丸め」が一番大事な基本ポイントです。捏ねも言うなれば、生地を「丸めながら」捏ねているんです。つまり、捏ね作業の手の動作は円球を描いているんです。(業務用ミキサーの捏ねも、生地に円球を描かせています)。

 「丸」という形態成形に、何かの力が働いているんです。地球も丸いしね。(あ、関係ないか…。)

 この生地は、たとえば、クルミやレモンピールやショウガのしゃりん糖などを入れても、よく合います。シナモン&レーズンなんかでもイイですね〜。

 サンプルは何も入れずに、プレーンに作りましたが、教室で捏ねるときには、自由気ままに、お好みのものを混ぜ加えてくださって結構です。(ご用意しておきます)。

 ほんのり甘くてコクのある黒糖ロールですが、黒糖の甘みは爽やかで優しく、白砂糖のようにしつこいものではありません。食事パンとしても向きます。

 良質の黒糖が手に入ったら、ぜひ、お試しください。

ピールづくりの副産物・天然ペクチンのジャム

 ジンジャーシロップを仕込んだ後に残った国産レモンの皮(今回は10個分もです)で、またまた、レモンピールづくり。

 皮と同量の砂糖で煮詰めるのですが、鍋の底に、まだ少しだけ汁が残っているくらいの状態で完成させます。

 全部煮詰めると、カチコチに硬いキャンディー(飴)になっちゃうよ。

 で、鍋底には、どろりとした甘い汁が残るのですが、これを捨ててはあきまへんで。もったいない。天然ペクチンと砂糖の濃縮液・レモン風味なのですから。

 鍋底の中には、ゼリーづくりに使えたり、ジャムづくりに使えたりの「ごほうび」が残っているのですから。

 今回は、ブルーベリージャムにします。

 鍋底のペクチンの中に、(同量くらいの)ブルーベリーを混ぜ込み、しばし放置しておきます。(写真は、見えやすいようにボウルに移して撮影しました)。

 ブルーベリーから、赤紫の果汁がにじみ出てきたら、中火で煮てジャムにします。好みで、レモン汁なり糖分(砂糖か蜂蜜)を足してもいいでしょう。

 天然ペクチンのお陰で、粘りの強い濃厚なジャムになります。濃度があるので、タルトづくりなどにも使いやすいジャムです。

 蜂蜜レモン漬けのショウガが、ジンジャーシロップになり、レモンピールになり、最後はジャムになりましたね。

 これで、無駄なし。ショウガ加工のお陰で、いろいろな種類の製菓製パン材料が副産物として誕生しましたよ〜〜♪季節の恵みって、本当にありがたいものですね!

 今週のパン「黒糖ロール」の掲載は、この後すぐの更新になります。

ソラマメの葛寄せ

 埼玉の方から、たくさんいただいた家庭菜園のソラマメ。

 なんて贅沢なんでしょう、こんなにもたっぷりと…。

 いつもなら、塩ゆで豆を数粒食べて、あとはビールの泡で腹を膨らませ、ソラマメをたくさん食べた気になって満足…するのですがね。

 たくさんあるときは、贅沢にボタージュか、葛寄せか。

 ポタージュにしようと思ったのですが、気が変わり、吉野葛で寄せ物にしました。(薄紅色が美しいガリを葛寄せに添えてみたかったのが本心)。

 ごま豆腐のソラマメバージョンです。ショウガ、わさび醤油などを少しつけていただくと、初夏の香りが口中に広がります。

 塩ゆでしたソラマメ(正味200g以上)の薄皮をむき、フードプロセッサーで粉砕します。鍋の中に、吉野葛30gと水200cc、塩と砂糖を隠し味にほんの少し入れて、よくかきまぜたら、ソラマメも入れます。

 あとは火にかけて、固まるまで、がーっと練り上げるだけです。

 サラダオイルを塗った好みの容器に入れて、冷やし固めて出来上がり。(写真のものは、おちょこを使い、小ぶりのガレット形にしました)。

 ビールにも、もちろん合いますが、日本酒などでも、おつですねえ〜。辛口のものをピリッと冷やしますか。

 これ、ソラマメだけではなく、枝豆やエンドウ豆などで作っても美味しいんですよ。ともかく、見目麗しい初夏の御馳走。美しくありながらも、控え目な一品。

 ああ、やっぱあ〜、和がいいですね〜〜。

 日本の夏。キンチョール。羽虫の多い昨今です。

あ〜あ〜あ〜、お酒になっちゃった

 写真・右側の方のシンジャーシロップです。

 右は、2週間前に仕込んだものですが、冷蔵庫のスペースがなく、常温放置。

 あーあーあー、案の定。シュパーッと泡ぶくが立ち始め、ミード(蜜酒)になってしまいました〜。

 左側は、仕込んだばかりの(蜂蜜レモン漬けからジンジャースライスを取り除いたばかりの)ものです。

 写真をクリックし、拡大して、よーく見比べてみてください。右側の表面に泡が浮いているのが見えますでしょうか?

 自然発酵しちゃったものは、それはそれで、とても美味しいのですが、酵母菌によるアルコール発酵なのです。つまり、子供や車の運転をする人には飲ませてはいけない飲み物になります。

 こうならないうちに、冷蔵庫に入れるほうが、子供や車の人のためには賢明です。特に、パンづくりをしている人の家では、この手のアルコール発酵が、十中八九、ほぼ必ず起きます。

 空中の屋精酵母のみならず、蜂蜜もたくさんの天然酵母を持っています。常温放置すると、だいたい2週間目くらいには、シュパーッ…ですよ。要注意!

 いえいえ、私はシュパーッでも、まったく構わないのですがね。車と子供にはいけませんよ。

 どうぞ、自己責任と自己管理で、ジンジャーシロップのこもごもをお楽しみください。

レモンピールの白いお菓子

 新ショウガの蜂蜜レモン漬けづくりで、たくさんのレモンの皮が残りました。

 国産レモンなので、皮も捨てずに、レモンピールづくりです。

 大量に出来上がったので、教室のみんなにも押しつけて持ち帰ってもらいました。でも、これからも、まだまだ出来上がってしまう…。新ショウガが安くなるのは、これからなんですから。げろげろ。

 (ピールは、焼き菓子作りやパンづくりに役立ちますが、でも、モノには限度というものがね…)。

 先々の危惧は棚に上げておき、ピールで白いお菓子作り。

 ピールと同量くらいのホワイトチョコを刻んでテンパリングします。ホワイトチョコのテンパリング温度は、50度→26度→28度くらいの感じです。

 レモンピールを細長く切って、テンパリングしたクーベルチュールに浸してカバーリング。固まったら、出来上がり。

 いたって簡単なのですが、気温が高い日には、常温では固まりにくいので、涼しい時間に作る方がラクですよ。ホワイトチョコは、黒いチョコよりも融点が低いからねえ。

 黒いチョコレートを使って作ってもOKです。(ちなみに、ブラックチョコは、55度→29度→32度くらいでテンパリングします)。

 ホワイトチョコで作ると、昔懐かしのお菓子「ゼリービーンズ」みたいな味になります。(あれよりも、ずっと美味しくて高級な味ですが)。
 ブラックチョコを使うと、おしゃれな大人の味ですね。どちらでも、美味しい。それにつけても、カバーリングの違いで、別物のお菓子になりますな。

 高温多湿を嫌うチョコレートを扱うには、不向きな季節に入りますが、涼しい日を見計らえば、まだ作れます。