プリッツエル 今週のパン

 今週の教室のパンはプリッツエルです。1年に1度やるかやらないかの特殊なパンです。
 でも、これは成形が難しくて勉強することがたくさん詰まったパンなのです。特に当教室の種は中種法なので、弾力が強く成形に手間取る。

 今回は教室初!のラオゲン処理で焼成します。苛性ソーダそのものは劇薬扱いですが、扱いさえ間違わなければ危険なことはありません。また、強アルカリは焼成後は残りません。(生のアルカリ液=ラオゲンそのものはアルカリ性なので、手荒れを引き起こすので、素手で触るのはなるべく避けたほうが良いです。焼成後は全く平気ですけど。)サンプル用に作ったパンは二次発酵を少し時間オーバーしてしまい(レシピを書いていたら二次発酵時間を過ぎたのに気づかなかった)、フランスパンくらいにふかふかにしちゃった!
 腕組みした姿を模したと言われているこの形。二次発酵をちょっとでもオーバーすると、二の腕もやけにふっくら太め。中年太りのオバサンの腕組みになっちゃうねえ…。できることなら、スレンダーな若い女性の腕組み姿にしたかったのですが…。

 しかし、普段あまりやらないパンなので、当日はなんとか上手に作れるように頑張りましょう!あ、そうだ。きよみちゃんが遊びに来てくれるよ。やけどの手術の後遺症のつっぱりが少し辛そうだけれども…。でも、久々に会えるので愉しみですね。では、明日、教室で…。

手作りせっけん

 どう、オイシそうでしょー

 美味しそうに見えても食べられません。石鹸ですから…。パーム油とオリーブオイルたっぷりの手作りせっけんです。

 今週の教室パンは、手作りせっけんと、ふか〜い縁がございます!さて、何のパンでしょうか?

 これ、分かったヒトはなかなかのパン通です。正解は「プリッツエル」でござあますのよ。プリッツエルのあの独特の焼き色はラオゲン液(アルカリ液)によるものです。このラオゲン液とは3%苛性ソーダ水なのです。そして、石鹸作りにも苛性ソーダが必須です。
 近年のテロ事件により、劇薬扱いである苛性ソーダは入手できなくなりました。劇薬といっても、水と混ぜると発熱するだけの話なんですけどね。3%程度なら発熱すらしない。石鹸作りでは発熱するくらいの濃度で使いますけれど。それにしても80度どまりです。アルコール化した液体と混ぜ合わせると、ごぼごぼと凄まじい勢いで沸騰します。危険を感じるのはそんなときくらいかな。ああ、やっぱり劇薬だわ…とか。魔法使いのバアサンになったような気分になるわけよ。キャー、怖い。

 ということで、今まで教室ではプリッツエル作りに一度もラオゲン液を
使わなかったのですが…。今回は、教室始まって以来、初めて!本格的にラオゲンを使ってプリッツエル作りを行います。発売禁止の劇薬を使うという背徳的愉しみを密やかに甘受してみたくて…。いかにへそ曲がりのことか。禁止と言われたとたんに、やりたくなってしまった。ダメと言われれば欲しくなる。

 せっけんの種がこの2,3日、パン用のホイロの中に居座っていたもので、まだ「今週のパン」が出来上がっていずに撮影できない。午後からの撮影(というか、その前に焼成しなければいけないんだけど)になります。

かにめし

 朝4時40分。かっこうの鳴く声で、ギョエッと目が覚めた。ものすごく近い場所で鳴いている。国分寺・丸山をどこぞの山奥と勘違いしているのではないのか?いいか、かっこうよ。ここは中央線沿線、新宿から25分の場所だぞ。まるでかっこうの息遣いが伝わりそうな近さだ。よくよく聴くと「アッホー、アッホー、ウヘッへへ、アホ〜」。

 昨日、日曜日。娘からのメールに午後やっと気づいた。夕方、来ると。おっかさんは大慌てで、わが子のための晩飯仕度。特売品メニューである。活蟹1パイ380円、オージービーフブロック580円。
 毛がにを蒸すと、案の定、身がやせている。貧相な身を全てほじりだす。蟹飯にするんだ。酢飯に椎茸の甘辛煮を混ぜ込み、あとは蟹、えんどう豆、錦糸卵をのせるだけ。たったこれだけのものがやけに美味い。千切りの紅しょうがと切りのりを散らしてね。旬の豌豆をふっくら塩茹でしましょう。これは塩茹で15分くらいしたら、そのまま(水を切らずに)ゆで湯の中に放置したまま冷まします。そうすると、豌豆はしわくちゃの硬いものにならずに、ふっくらつやつや仕上がります。酢飯の豆ご飯みたいに、たくさんお豆をいれちゃった。蟹、卵、豌豆の三つの味のハーモニー。優しいお味の蟹飯です。(北海道のご飯です。)

 肉は炭火でローストビーフにした。塩コショウをすり込んで、バーベキューソースをまぶして、常温に置くこと2,3時間。お肉の料理はね、肉を前もって室温(暖かいところ)に馴染ませてから料理するといいんだよ。この時間に肉は熟成を進めます。冷蔵庫から出したての冷たい肉ではありません。焼き始めたら、途中で生焼きの時に一度、火から外す。肉にボウルなどをかぶせて、15〜20分くらい蒸らすの。そして、また火に戻す。こうすると、安いビーフブロックでも、ふっくらジューシーに焼きあがります。これは炭火でもガスオーブンで焼くときも同じ。
 ステーキなどを焼くときも、肉は必ず前もって常温に出しておき、焼いている途中で、ちょっと火通しに中休みを入れてから焼き上げるのね。何でもかんでもガーっと早く焼き上げればいいというものではないの。ちょっとしたインターバルが、お肉をジューシーに仕立て上げてくれるんです。

 懐寒い台所事情ではありますが、なんとか日々のメシを美味しく感謝しつついただいております。めでたし、めでたし。

しつこくウスターソース改良版

 突然、思いついたんだ。そーだっ!ウスターソースにも穀物を加えて、それをとろみにしてみよう!と。

 ウスターソースは普通,増粘用に澱粉(コーンスターチ)などを加えて滑らかさと円やかさを出すんだけど、陳腐な感じがして私は使わなかった。で、今ひとつ滑らかさというかとろみが少ないような気がしていたのね。でも、コーンスターチなんか使いたいはない。

 そこで、黒米を乾煎りしたものと、発芽させて煮ておいた麦を使うことを思いついたのです。黒米は文字通り外側が真っ黒(正確には濃い紫)な古代米。この色は赤ワインなどで知られているポリフェノール。糯製なのでとろみ力も強い。麦も煮ると糊化する。(発芽させたものは煮やすい)

 そう思い立ったら最後…。ソース屋かと思うほどたくさんあるのに、物好きにもまた夜中にウスターソース仕込みよ。黒米を煎ると皮が弾けて中から白い実が出てあられになった。(玄米茶に入っている米みたいに。)生米で煮るより、煎って弾かせておいたほうが煮えやすいですから。

 さてさて、作業すること数時間。案の定、ソースはとろみと滑らかさを増しました。めでたし、めでたし。コーンスターチなどを使うより、ずっと質の良い増粘材料です。果物、野菜、酢、塩、穀物、そしてスパイスが織り成す競演ソース。これで、またまた栄養価の価値が上がったぞ!パーフェクトなソースじゃん。しかし…。またまた、ソースが増えてしまった。いくら7月の講習会で必要になるからと言っても…。ひどい。まあ、それに向けて、改良策を必死で打ち立ててはいるのだけれど。
 必要最低限(10ℓほど)をキープして、余剰分を世話になった(または、これから世話になるであろう)仕事関係者に送りつけて口減らし。
 ソースはめでたく各方面へ嫁いでゆきました。めでたし、めでたし。

本日、三度目のブログ

 本日、夕方になって、やっと分かったね。なぜ、スズメがメダカのスイレン鉢で溺死したのかが。

 やはり、私のせいみたいだな。ごめんね。アホスズメ。成仏して大海原を飛ぶアホウドリになりんさい。

 数年前に天国に飛んで行っちゃったアオちゃんに諦めがついて、今回やっと、アオちゃんが残していった雑穀を庭中にばら撒いたんだ。たくさんあったよ。ずーっと長生きして一緒にいてくれると思っていたみたいね、私。

 この時期、野鳥に餌をあげちゃいけないんだよ。ただでさえ、自然界にたくさん豊富に餌が満ちている時節。この時期に、餌をあげては鳥たちは食べるという本能に対して怠け者のなってしまうんだな。ラクにメシ食えるからね。安心してしまうんだな、この場所で。…・。

 夕方になると、たくさんのスズメたちが庭に来る。まるでスズメのお宿
みたいに。アースオーブンが好きみたいで、石窯なんか、すずめの花盛りみたいになっちゃうんだよ。そして、庭中に撒かれた雑穀をついばみ、メダカの鉢で水を飲む。可愛いもんだよ。

 で、中のアホが一匹、足を滑らしちまったってわけさ。

ばかじゃん。

 普通、鳥って、死ぬときは足をぎゅっとくの字に腹に抱き寄せてさあ…。そんなふうに自分の大地の足を、ただそれだけを抱きしめて死に姿にするんだけどさあ…。

 スイレン鉢で死んでいたアホスズメはそうではなかったね。爪楊枝のように細い足を前後に思い切り開いてさあ…。んで、その細い指をこりゃまた思い切り開いて、空中を鷲づかみにするよーにしてさあ…。

 よほど苦しかったんだろうね。かわいそうに。死にたくなかったんだろうなあ。死に姿に抵抗の跡があるもん。生きたかったんだな。

 かわいそうに。

あのなあ、ドジなアホスズメよ。アンタは百合の根元に埋まったんだよ。暖かく、暑くなったら、百合の花になって咲きなさい。お前はゆりの花の命にでもなっちまえ。それがイヤなら、アホウドリにでもなりやがれ!

 台所の水道の蛇口は無事に直りました。

今年初 小梅のコンポートの蜜漬け

 今朝、溺死体で見つかって埋葬されたスズメは成仏したろうか?思えば今朝方にイヤな夢を見た。濁流に猫が飲み込まれる夢。なぜ、こんな変な夢をみたかというと、我が家の水道の蛇口に原因がある。数日前から台所の蛇口の締りが悪くなり、だらだらでれでれと日がな一日水が流れ続けている。ことに夜中は気になってなかなか寝付けない。夕べ(というか午前3時)ついに辛くなり、眠剤を飲んでしまった。ヤクのせいか夢見が悪かった。怖い水の夢。夢の中の猫も助かるまい。で、朝起きてメダカのスイレン鉢にスズメの溺死体が浮いているんだもんね。やーねー。不動産屋さんにお願いして水道屋さんを呼んでもらうことにした。(もうじき来る。)

 我が仕事場の台所を塞がれる前に、今年初の梅加工。走りの小梅をさっと湯煮して、蜂蜜シロップに漬けた。小梅の蜜漬けコンポート。甘い小梅がヨーグルトに水玉模様に浮かんでいたら楽しいだろうなと思って。そして、さくらんぼみたいに、種をぺっ!とか、ぷっ!とか吹き飛ばしながら食べるの…。ダメ?行儀悪くて面白いじゃん。種飛ばしながらヨーグルト食べる人なんか見たことないでしょ?だから、やってみようと思う。

ワイルドベリー

 野苺を収穫(?)しました。まあ、勝手に増えてしまった雑草並みの苺ではありますが。甘い香りを漂わせています。すごい生命力です。なにせ、たった一鉢の小さな苗が、どば〜っとひとりでに年々広がって、勝手に実をつけるのですから。
 毎年、近所のアキラクンがこれを摘むのを楽しみにしています。今年はアキラクンの訪問を待たずに完熟。これ以上、放っておいたら腐ってしまうと判断して私が摘んでしまった…。先日も「アキラクン、早くオバチャンちに来て、苺摘まなきゃ!もう、真っ赤だよ。」と言っておいたのになあー。

 野苺の香りにうっとりしながら、猫の額ほどの庭を見回すと…。

げっ!
めだかのスイレン鉢にスズメの溺死体発見!めだかたちが泳ぐ水面に、無念の死を遂げたスズメが一匹浮いているではないか。
 朝から墓穴掘りよ…。ったくもー。スイレン鉢によく鳥たちが水を飲みに来るんだけど、まさか足を滑らせて水難事故死する輩がいるとは思わなかった。何のために羽根はやしているのよ。おぼれる前に羽ばたいて飛び立てばよかったじゃないのよっ!たかがメダカのスイレン鉢なんかで死ぬことないじゃん。
 苺摘んで、スズメの墓穴掘って埋めて。本日の早朝気分最低。

 パンはただ今、発酵中。

カレーペースト作り

カレーペースト

 暖かくなってくると、そろそろスパイシーな料理を作りたくなる。筆頭はカレー料理かな。しかし、私はインド料理の門外漢。凝ったスパイス配合などとは無縁です。アーユルベーダーなんどとかいうものも詳しくは知らない。でも、スパイスいじりは大好きなのです。ということで、自分勝手にいい加減に調合する。そして、作るたびに微妙に味も風味も違う。(当たり前です。厳密に計量なんてしないのですから。)

 とりあえず、ベーシックなスパイスはいつも用意してある。20種類くらいか。

 みずみずしい新玉葱を1・5キロほど繊維に沿って薄切り。茶色くなるまで炒めると300gくらいにまで重量が減る。新玉葱は水分が多いので、炒め上げるまでに4時間近くもかかってしまった!新にんにくとしょうがをみじん切り。

 はい、準備完了です。鍋に油を熱し、フェネグリック、クミン、カレーリーフ、唐辛子などホールスパイスを弾かせて香りをたてる。そこににんにく、しょうが、炒め玉葱を加えて炒め、トマトも放り込み、パウダー系のスパイスをどばどば振り込む。ターメリックを慎重に加えて(これは入れすぎると黄色くなりすぎるばかりか、独特の泥臭さも出てしまうからね)、カルダモンをたたきつぶして、何粒か加える。ガラムマサラ(今回はマドラスのものをしよう)少々で香りを整える。最後に我が家自慢の季節のウスターソースを加えて味付け。この季節のウスターソースには1年ものの梅がたっぷり使われている。(カレーの味付けに梅が使われているなど、いったい誰が気づくだろうか?)この段階で鍋からはスパイスの香りのみならず、ふくよかな甘酸っぱい香りまで混じりだして、ヨダレが出てくるのです。準備完了後の作業はあっという間です。玉葱炒めにだけ時間を費やされるのです。
 冷めたら粒スパイスを粉砕する意味で、フードプロセッサーにかけて、ペーストにします。はい、これでカレー作りのベースになるカレーペーストのできあがり。

 あとは、食べたいときに肉を加熱したり、ナスを炒めたり、煮た豆を用意したりして。それに、このカレーペースト適量と水を加えてさっと煮るだけです。水の代わりにココナツミルクを使ったり、豆乳を加えてみたり。
 カレーベースのペーストさえ作っておくと、あとはレトルートカレー並みに短時間で美味しいカレーが作れます。野菜をこのペーストで炒め煮するとジブリ。ご飯を炒めて、カレーペーストで味付けするとドライカレー。
 自分好みのカレーが手早く作れて重宝します。(容器に詰めて冷凍庫で保存しています。ゆうに10回分くらいはありますから)。仕込みは時間がかかるけど、その後しばらくラクできます。

昨日の石窯焼き無事終了

 本日も晴天なり。昨日の野外アースオーブン教室も何とか空が味方してくれて無事完了!7歳のこうきクンも参加して、赤いエプロン、唐草模様の緑のスカーフ姿が可愛かった!そして相変わらず腕白坊主でございました。一番張り切っていたのが、こうきだった。

 しかし、なんだねえ〜。火を燃やす、そしてその火で料理して、もの喰らうつうのはだねえ〜。その、なんつううか人間の本能ですなあ。人間本来の野生が呼び戻されるというのかなあ。体と心が欲求しているのでしょうなあ〜。薪の火って、すごくアクティブなんだよね。そのバイブレーションをこっちも受けて、ギンギンに元気になる。ガキって、本能に近い存在でしょ。子供が一番、ギンギンに喜ぶのね。可愛い姿だったけど、デジカメ撮影の余裕なし。残念!代わりに本日の晴天下の「夢の跡」風景を撮りました。

 子供たちにも、どんどん「正しい火遊びの仕方(?)」を体験させてあげたいものです。今は薪や炭の直火で料理する機会がめっきり少ないですから。火を燃やして食べ物を作るヒト本来の飯の食い方。これって本当の学習ですよ。少しくらいなら、やけどしようが手を切ろうが構わない。
 大人たちと一緒に火で料理することで、燃える火の楽しさ、怖さ、難しさ、そして美味しさをガキどもはどんどん吸収していく。そして、ヒト本来のエネルギー「火」を学ぶのです。電子レンジや電気やガスなどの便利でこぎれいな文明の利器では絶対に生み出せない本当の美味さを火は生み出しますね。
 しかし、その前に!子供に教える以前に大人ですよ。薪の火すら上手に焚けない大人ばかりなんだから。火は人間だけの文化だぜ。ここで唯一、他の動物と一線を画しているのですよ。コンピューター駆使できるくせに、火も燃やせないなんて、別の意味で文化程度が低いんじゃなかろうか?

 火の中でジュージュー焼ける肉の塊、どんどん膨らんでゆくパン。手や口の周りを黒く汚しながらほうばる食べ物の味。こうきクン、美味かったねえ!また、みんなで火遊びしようぜ!

晴れたね

 夕べ、夜中まで降り続いた雨が上がり、本日は晴天。

晴れたね。よかった…。予定通り、庭のアースオーブンを使って「火遊び」教室を行います。パンはケース詰めを考えていましたが、変更。平たくつぶして、火通りよいものにします。ふだん何気なく使っているガスオーブンがいかに便利なシロモノかよーく分かることとなるでしょう。