5月の教室スケジュール

 ピロ〜ンと伸びた1本の枝に今年もモッコウバラが花をつけました。
5月のお教室スケジュールでございます。
5日(金)、13日(土)、23日(火)、27日(土)が発酵食&スローフード料理教室です。20日(土)、29日(月)がパン教室です。パンはリッチ生地(ロールパン)とピザ(平パン)を予定しております。発酵食&スローフード料理教室は、XO醤作り、鉄火味噌作り、ゴーダーチーズ作り、腸詰ソーセージ作りなどを予定しております。(材料の入手事情により変更もあります。)詳しくは日を追ってメールにて送信いたします。お問い合わせ、お申し込みは atozabcdefg@yahoo.co.jp メールにて。もしくは私個人のメールまで。(初めての方の電話でのお問い合わせ・お申し込みはご遠慮願います。なるべくメールでお願いいたします。口頭での教室説明やアクセス説明はとても大変なものです。尚、電話番号は公開したしておりませんので、出版社等に連絡して電話番号を聞き出すこと等もご遠慮いただければ嬉しいのですが…)。

 ここのところ、すっかり和風づいていたので、ちょいと久々にバタ臭いものをやってみましょう。

 では、風薫る5月、ゴールデンウィークを楽しくお元気におすごしください。   林弘子

ボカシ肥

 早朝より明るい農村ごっこ。追肥の泥団子を作ってハスの鉢に入れたのです。これも豆仕事の一環なのですが…。ただし、この肥料の効果は未知数です。

 枯草菌や納豆菌で発酵させた大豆を土に埋めておくと、(何の菌かは知らないが)白いはんぺん状のボカシ肥そっくりな菌が繁殖するのです。竹林のボカシ肥(通称はんぺん)と本当によく似ているのですよ。
 で、これを肥料に使ってみようという企てです。おから肥料などより、よほど威力が強そうですし。
 豆はんぺんのボカシ肥の土にアーセロンCとかいうしんちゃんからもらった微生物肥料、骨粉、バットグアノ(これもしんちゃんからもらって、少し残しておいたやつ。バットグアノってこうもりのウンコ)を混ぜて泥団子に丸めて、ハスの土に埋めておきました。当然、自分でも何が何に効くのか訳分からなずのではありますが。多少、酸性の土が良いみたいなので、phが下がるかな・・と思って入れてみた。花、咲いてくれるかなあ?充分に発酵させたから肥料にはなると思うんだけど。泥団子が2個余ったので乾燥させてみようと思う。
 だいたいにして、私は農耕民族の血筋ではないんだよなあ〜。狩猟採取のほうが性に合っているのだけれど、ハスの花だけは農耕しなければいけない。ああ、現代農業。(西森のおとっつあん、元気ですかー)

 明るい農村の後、本日はパン教室です。本日はベーグル。お天気良さそうです。お気をつけていらしてください。

肝のタレ付け

 昨日の教室で、レシピなしで出したレバーの料理「キモのタレ漬け」
トリレバー350g(一口大に切る)に塩コショウ少々をまぶし、小麦粉大さじ1、ゴマ油大さじ1
上記を全てボウルに入れ、かき混ぜて、230度のオーブンで12分焼きます。熱々のうちにジンギスカンのタレ150ccに漬け込み、1日置いてからいただきます。ジンギスカンのタレ作りは冬のレシピなので、1月か2月かの過去ブログに載せてあるので参照してください。

 はてさて、昨日の教室「林弘庵」茶懐石料理…。質実堅固かつ簡素さを大切にし、侘び、寂び、幽玄の美を求めようと思っていたのですけれど。炭火焼き料理の中盤から、かなり怪しいムードになってきました。豆腐を焼いて網に焦げ付かせたのがウンのつき。「何か脂モノを焼いた方がいいね」。やらなきゃいいのにトリ手羽先を出して焼き始めたのですね。
 突如、火煙がぼうぼうと立ち昇り、茶懐石どころか場末の焼き鳥屋の匂いとムードになってきた。「らっしゃい。塩タレどちらで」「塩」「へい、まいどっ!」

 私の悪乗りに付き合いきる生徒の優秀さよ!出さなきゃいいのにレバーの料理まで出して、完璧なる焼き鳥屋。ビールだけにとどまらず、日本酒ぐびぐび、最後は毎度のことながらワインがデザート酒。料理のシメがヨモギ大福と梅雑炊なんだから、茶懐石どころか何ていう料理教室だ?あの手羽先が悪の道への誘いだったな。火煙が上がったとたんに、全員の目がぎらぎらと野生化したもんね。「わあー!肉だ、肉だ!」

 この季節、炭火の料理が本当に気持ちよい。ついついエスカレートして悪乗りして、また飲み過ぎた。反省。

 いつになったら幽玄の美を実現できるのであろうか。

新月・月立ち 発酵食教室の日です

 太陰暦では本日が卯月一日。今宵は新月です。

 春の風遊び。1パック105円の若干しのメザシを春風に数日間遊ばせておくと、1パック398円の本乾しメザシに昇格いたします。たったそれだけで、風とお日様と時間がメザシの発酵を進め、味が上がるのです。

 さて、本日のテーマは「糠漬け」。この簡素なアイテムに見合ったメニューをご用意したしております。(毎度、簡素だろ〜と言われればそれまでなのだが…・)。一日新月と、十五日満月の日は本来、小豆ご飯の日なのですが、本日は漬物への渡世の義理で白いご飯。そして、味噌汁。風遊びの(元105円だった)本乾しになっちゃったメザシ、熟成を迎えた自慢の梅干、そして漬物と山椒じゃこの佃煮。おおー!簡素。美しい。新月にぴったりの根ニューではございませんか。
 あ〜、こんなことやっていないで、さっさと教室の準備を始めなくては。お天気がよくなりました。気持ちのよい一日になりそうです。道すがら、怖いオオカミさんに気をつけて、お元気にいらしてください。

恐るべし!豆鼓の強靭なカビの底力

 漬けては引き上げカビを生やす…を繰り返そうと思っている豆鼓。塩気を含んで漬け込まれたのに、引き上げて放っておいたら、また麹カビが一斉に生えそろってきました。す、すげー。何度でも発芽してやろうというど根性のカビ魂。お日様に干そうが、塩水攻めにしようが、味噌を塗りたくろうが、乳酸菌汁をぶっかけようが…麹カビは不滅です。あんたはエライよ。この間の移行は・最初は酸っぱい匂い(乳酸菌)・次は酒臭い匂い(酵母菌)・今はオヤジの靴下系のムレた匂い(麹菌)。このオヤジの靴下系の匂いが立ち昇ったら、OKです。
 つまり、具体的指針を申し上げますならば、最初は赤ん坊のゲロの匂い、次は二日酔いのため息の匂い、最後の到達点がオヤジの脱ぎたての靴下の匂いです。この三段階を的確に認知しましょう。
 オヤジ靴下になりましたなら、豆は自体が熱を持ってきます。適度に風通しを良くして、冷ましてあげるのが親切っていうものです。ともかく、相手はイキモノです。愛を持って接しましょう。

 さて、この時点で、これを必ず豆鼓にしなければいかねいのかと言うと、さにあらず。適量を取り分けて味噌の中に混入させて黒豆入りの味噌にすると、これまた最高に美味い味噌ができるのです。ただし、味噌汁にすると黒豆の色が入出して餡色になる。お汁粉みたいな藤色の味噌汁になってしまうのです。色はともかくとして、コクと風味が深まり、絶品ですよ。以前、短歌の先生の千村ユミさんという方に差し上げたことがあるのです。彼女は私よりずっと年配で、自分で(新潟の)地大豆を育てて、それで味噌を作っている。それでも「私の味噌より美味しい!どうやって作ったの?」
と、絶賛されました。「大事なのは麹作りです」などと偉そうに答えておいたのだが、オヤジ靴下系のカビの話は差し控えておきました。あの人、マジにダンナの脱ぎ捨てた靴下などを漬け込みそうだから。

 明日の教室は「糠漬け」。この発酵も奥が深いですよ。微生物の世界へいざなう菌遊び。時と場合によっては禁じられた菌遊びも組み込まれています。どぶろく作りなどは豆発酵と比べると赤子の手をひねるように簡単ですからね。でも、まあ、表向きは合法的にいきましょう。

モツアレラチーズ入りの干し豆味噌

 低塩の豆鼓は干すと案の定、酸味を持ち始めました。しょっぱ過ぎるのもいやだけど、酸っぱ過ぎるのも考えものです。どーしようかと思案中。やはり素直に塩を補充すべきだろうか…。それとも片意地を張って低塩のまま酸っぱい豆鼓にすべきか…。それが問題だ。

 まあ、どのみち大した問題ではないのだが。

 また変なものを考え出してしまった。モツアレラチーズ(生)を豆味噌で包み込んで、天日干ししてみようと思ったのでございます。チーズはたぶん味噌の塩分のせいで腐敗は抑制されよう。生味噌では酸味を着ける恐れがあるので、みりんを加えて軽く加熱して菌を抑え込んでおいた。そのまま冷蔵庫で保存すればチーズの味噌漬けになってしまうであろう。そーだ、このさい干してみよう。チーズと豆味噌の干物だ!
 と、まあ、このように考えて写真のような味噌玉にして、外の干し網の中に鎮座させておいたのでございます。多分、金曜日新月の教室までには、そこそこに乾き、チーズには味噌味が染み込んでいることでしょう。
(どのような味になるかは保証の限りではないが。)意外に美味しかったりして。チーズと味噌はなかなか相性の良い味の組み合わせです。

 最近、仕込みたての若い豆味噌の早食いにハマっているのです。仕込んで2ヶ月もすると、かなり強い旨味が出てきている。これを5月完成の米味噌と混ぜ合わせて食べ始めているのです。味噌汁にしても充分に美味いです。きゅうりなどに着けて生味噌で食べても美味しい。どこのだれだ、豆味噌は1年〜3年待てなどと言ったのは?あ、私だ。

 味噌の菌の生態系は春、夏、秋、冬、と変化を続けています。春に活躍する菌たちを生喰いしたくてしょうがないのです。もしかすると、今の自分の身体が欲求している何かの作用を持っているのかもしれません。若豆味噌と呼んで、すでに食卓に登場中です。

晴れた!豆鼓を干す

 天敵第一号の草刈軍団が去った直後に、天敵第二号の布亀に突入された。この天敵の元祖は富山の薬売り。現在は大きな薬箱を風呂敷で背中に背負って来るのではなく、ブリーフケースを提げて車に乗ってやってくる。この営業マンの目的は薬売りではもはやなく、サプリメントを売りたくてしょうがないのだ。
「林さん、美容のため、ビタミンCはいかが?」いらん。夏みかんとキーウィが腐るほどあるもん。「では、更年期の味方、大豆イソフラボンは?」お前さん、私が今、何を躍起になって行っているのか教えてやろうか?「では、ダイエット効果抜群、黒酢は?」いくら食べても45キロの体重を30年以上ずっと維持しているぜ。ダイエットなんて無縁だ。
「林さん、せめて風邪くらいひいて、風邪薬とのど飴くらい使ってくださいよ」。よけいなお世話です。

 ということで、午前中から全く仕事にならない相手と闘いつづけ、もはや仕事なんかやる気なし。頭に来たから懸案中の豆鼓を干すことにしました。お日様に干したとたん、乳酸菌をしこたま身につけたお豆さんたちは
プンプンと甘酸っぱい匂いを立て始めました。乳酸菌は糖分を生み出すのですが、(もちろん、それくらいは知ってはいたのですが)、その立ち昇る匂いの甘さに、しみじみ糖化作用を感じました。この糖をエサにする酵母もやってくるのです。すでに酵母もついているらしく、どことなく酒臭い香りまで立ち昇っています。温かくなったのでショウジョウバエがつきやすい。ショウジョウバエも私の天敵の一種です。しっかりと網をかぶせて夕方まで干してみることにしました。林弘庵豆味噌納豆(たった今、そう名付けた)よ、どうか美味しい浜納豆、日本の豆鼓になっておくれ。
 ヨモギは湯がいてアク抜きして、細かく刻んですり鉢で当たり、250gほどを冷凍保存。残りで草もち10個を作りました。全く、仕事にならない一日でございます。

ヨモギを死守!草刈軍団との攻防戦

 ついに私が恐れている天敵「高齢者草刈軍団」が庭に投入されました!これは大家が年に数回「親切心」で派遣してくれる庭の雑草刈りのオジサンたちです。もう、なんでもかにでもきれいさっぱりと草刈してくれちゃうのです。庭に移植したセリもミツバも山ラッキョウも全部です。ハーブ類も全滅させてくれるほどのステキな親切心と勤勉さです!

 早朝に「ざざっ、ざざっ」という覚えのあるヤバイ音を聞きつけました。慌てて庭に飛び出すと、見覚えのあるオジサンが大家の敷地内で草刈を始めていました。今年もついに、攻防戦のときがやってきたか…。このままでは私の大事なヨモギ(正確には大家の敷地に生えていて、私がかっぱらう私のヨモギ)が危ない。
「おじちゃん、そのヨモギも刈って捨てちゃうの?」「そうだよ」。
「私、もらっていい?」「ああ、いいよ。入ってきなよ」。
 フェンスを乗り越えた私を心臓発作を起こしそうな顔で呆然と眺めたオジサンでございました。そして、エプロンの大きなポケットふたつがパンパンに膨れるまで、ヨモギの新芽を摘み取りました。
「ヨモギ団子でも作るのか?」「うん」。「いまどき珍しいな。エライよなあ・・」。(エライと思うなら、私のヨモギを草刈するなよ〜)。

 まあ、こんなわけで、とりあえずは私の大事なヨモギを大量に死守したわけです。

 仕込み第二弾の豆鼓(黒豆トウチ)。2日前からカビの発生を待っているのですが、今回は白カビの発生が遅く、乳酸発酵を始めています。そして、文字通り納豆のような糸を引き始め、なぜ「浜納豆」とか「大徳寺納豆」とか「納豆」の名称がつくのか納得できるほど惚れ惚れするような糸引きを目撃しました。まあ、この程度ではめげないけれどね。この後から必ず麹カビが出てくるから。
 古代中国では塩漬けしたものを引き出して干してカビをつけ、またそれを漬け汁に戻して味をならし、そしてまた豆を引き出して干してカビをつけ…を何度もくりかえして作ったそうです。そのような作業を繰り返すと、たぶん好気性の菌もたくさん付き、乳酸発酵がかなり進むと思います。低塩で作るには古代中国の方式を取ったほうが腐敗を防げるような気がします。ぐずついた天気が晴れ上がったら、第一弾目のトウチを干してみようと思っています。豆味噌チーズを酸っぱすぎるものにしてしまったのも、塩漬け味噌玉を干して乾燥させようとしたときに盛大に乳酸菌を増やしすぎてしまったわけです。その原理から言うと、干すほどに腐敗防止の酸性の菌が繁殖することになります。
 空よ、晴れろ!!

黒大豆の豆鼓仕込み

 温かい季節第一弾のトウチ(豆鼓)仕込み。今回は超低塩に初挑戦です。以前に作った豆味噌チーズ(乳酸発酵させた酸っぱい豆味噌)に低塩塩水を混ぜて漉した豆味噌チーズ塩汁(!)なるものを塩漬け用の漬け汁にするのだ〜。あの酸っぱさ(多分、乳酸菌だけではなく酢酸菌も生じている)を防腐の役に立てようと考えました。豆味噌チーズは早くも強烈な旨味を醸しだしていて、「珍味」そのものです。漬け込んだら夏になるのを待ちます。梅雨明けから8月一杯くらいまで2ヶ月間近く天日干しします。その間、毎日かき混ぜます。
 毎日、かき混ぜるものが毎朝のルーティンワーク。朝のセレモニーのようなもの。糠みそ、醤油もろみ、今度からはトウチも加わる。習慣化すれば面倒でも苦痛でもなく、日々の変化の観察がただひたすら楽しいだけのものになります。楽しんで美味しいものが食べられるのだから、これほどラッキーなことはないですよ。(それにつけても、豆本の原稿の嫁入り先を早く確保しなければなあ…・。そういえば、梅本の入稿が本日です)。

 さて、今日の料理教室。久々の林弘庵(りんこうあん)ものです。和風の精進もの、懐石料理のノリで行きます。メインは山女の炭火焼き。蕗、竹の子、菜の花、ヨモギなどの野草料理。山女はお向かいのクリツさんが清流から釣ってきてくださったもの。竹の子はトシさんが埼玉の竹林から掘り返してきたもの。ヨモギは雨にならなければ、私がフェンス越えして大家の敷地からかっぱらってくるつもり。雨の場合はヨモギ盗みは中止。ともかく元手がないから、もらい物、摘み菜もの、かっぱらいモノを材料にするしかない。
 飯は黒大豆と蒸し小豆の2色豆ご飯。汁物は栃木郷土料理のしもつかれです。さてさて、どんな教室になりますことやら。ちなみに、本日の源氏名は林弘庵豆奴(りんこうあんまめやっこ)でございます。
 いずれ、林弘庵もののときは着物などを着てたすきがけでやりたいものですなあ。(でも、着物を着ると、フェンス越えのアラワザができないんだよね)。

穂先メンマ

 桃屋の穂先メンマってあるじゃないですか。私、あれ大好きなのよ。酒のつまみによし、ご飯のおかずによし。

 昨日は掘りたて竹の子を(でかいやつ)4本もいただいたので、大慌てで下ゆでしました。柔らかい穂先(先端の柔らかい皮の部分)がどっさり出ました。で、この穂先の皮を「穂先メンマもどき」に料理。もどきというのは竹の子を発酵させていないから。ゆでただけの穂先だから、メンマ本来の旨味とは違う。
 1年前以上にどっさりと作り置きしておいたキムチの素が残っていたので、それとごま油を混ぜ合わせて、ぐちゃぐちゃと刻んだ穂先に混ぜ込みました。ついでに紅生姜だのお豆さんのチーズだのも隠し味に混ぜ込んでみた。桃屋の穂先メンマも真っ青になる美味しい穂先メンマ(と言うより、ナムルに近い)ができあがりました!とても、美味しいので試してください。先端の皮の部分ですよ。掘りたて竹の子の皮は本当に柔らかいです。でも、時間がたつと、とたんにゴワゴワして硬くて食べられなくなってしまいます。掘りたて竹の子冥利につきます。明日の教室で出せますね。酒が進みそうだ…・。(自粛せねば…。)

 教室での豆加工は完了したのですが、私自身は「温かい季節の豆の発酵」に突入です。
 豆鼓(トウチ)を作っているのです。トウチは中国の名前。同じ作り方で、日本では「浜納豆」とか「大徳寺納豆」とか「大福寺納豆」とか呼ばれるものがあります。ねばねば糸を引くあの納豆とは全く違います。黒くてしょっぱい豆味噌と醤油の中間的な味の調味料です。でも、市販品はしょっぱすぎますよ。「体に良いから毎日食べましょう」なんて書いてあるけれど、しょっぱすぎて毎日食べられたものではないです。
 で、そので、しょっぱくない大徳寺納豆を作ろうという魂胆です。塩気の強くないものは薬膳や漢方にも使われていて、名前も違う(忘れたけれど)。たしか枯〜なんとかという名前だったような記憶。(ボケ)。
 これは糖尿病予防や改善の薬の役目を果たす食べ物です。血糖値の急激な上昇を抑える働きをするのです。(ボケ防止には役立たないかも)。

 作り方は蒸した黒大豆に黄色くなるくらいまで麹カビを生やしたものを粒のまま塩漬けします。(この塩水を低塩にした)。まあ、ここまでは豆味噌作りの原理と全く同じです。で、この後が違う。暖かくなったら、豆を取り出し、ひたすら天日干しして仕上げるのです。この天日干しでお豆さんは太陽の陽気をガンガン吸収して「別物」になる。
 陽性の食べ物です。塩気を控えると、そのまま食べられて酒のつまみにもピッタリです。(この段階で健康食品だの薬膳だのという発想は全く消滅していて、酒のつまみという思考回路しかなくなっているわけよ)。
 梅干の土用干しと同じようなものですね。私、干すの好きですから。このトウチをやらない手はないのです。
 みなさん、夏のビールのつまみには弘子ちゃん手作りの黒豆トウチです。黒豆1キロ200グラムを仕込みました。毎日5、6粒ずつ食べるといいらしいのだが、美味しくできあがったら当然、食べすぎと飲みすぎがまっていることでしょう。ゆくゆく不健康な食い物だ。