べったら漬け

 甘いおかいさん(甘酒)から、東京の漬物「べったら漬け」ができました。

 大根1本の皮をむいて、縦横に半切り、重量は800gでした。大さじ3の塩(大根重量の4%くらい)と75ccの呼び水を入れて、1,2日間ほど(軽めの重しをして)塩漬けします。上がった水気が大根を覆えばOKです。上がった水を捨てます。

 甘いおかいさん1カップと塩小さじ2を混ぜた床に、大根を漬け込んで、2,3日くらい放っておくと、できあがり。お好みで、鷹の爪やらしょうがなどを加えてください。昆布なんかでもいいね。甘口がお好みなら、砂糖を加えてもいいです。

 手軽に短期間で作れる漬物です。漬け込む容器も、タッパでいいのです。長めに置いて、少し酸味をつけるほうが美味しいです。さほどの手間もいらず、場所も取らないので、一人暮らしの若い方でも作れるんじゃないかしら。え?甘酒作るのが、面倒?

 ん〜なもん、買ってきちゃえ〜。スーパーでも甘酒は買えますよ。麹にはいろいろな酵素が含まれているので、お腹の中や血液をきれいに掃除してくれます。だから、美容にもよろしおまっせ。酵素食品なんです。

 ほーら、食べたくなってきたでしょーーーー。

 本日は、「もち米麹」を仕込んでいます。麹は普通、うるち米で仕込むのですが、今回は、もち米。

 韓国の調味料のコチュジャンは、うるち米麹ではなく、本来は、もち米の麹で仕込んで甘みを醸し出します。市販のコチュジャンは、砂糖とか水飴で、即効の甘みをだしているの。

 砂糖や水飴の甘みは、時と場合によっては、料理作りの味の邪魔をします。だから、もち米麹での醸し味、必要なのよ。

 砂糖と麹の糖化による甘みでは、天と地ほどの違いがありますね。自家製コチュジャンが、一本あると、割と重宝です。

 ここのところの、急激な気温の低下で、麹カビの成長が、スローモードになっています。撮影日は、明後日の木曜日。ヤキモ〜キ〜。

 ほらほら、早よ、カビを生やさんかいっ!

 天は我を見捨てるのか…否か…。

甘酒(甘粥さん)

 昨日、完成した米麹で、さっそく「甘酒」を仕込みました。

 レシピは融通無碍に。発酵食作りの極意は何々が何g、何が何ccという、きっちりとした数値はなく、「まあ、こんなもんだべ〜なあーーーー」的な大らかさが大事。いい加減とも言う。(後者の方が、私には当てはまる)

 米3カップ分の麹(友麹法なので、800g以上の麹になる)ともち米3カップ分のお粥を混ぜ合わせて(60度くらいの熱いうちに)、パン用のホイロをガンガン温めて(たぶん、サウナ並みだと思う)一晩。

 とろ〜りと、甘いお粥さんに変身しました。田舎では、この甘酒を「甘粥」(あまかいと読みます)と呼んでいました。甘いおかいさんという意味です。粥をおかいさんと母方のバーサンたちは呼ぶ。

 私も油断すると、ついうっかり「おかいさん」と言ってしまい、東京人には通じなくなる。(たぶん、これは尾張藩の訛りかもしれない。昔、死んだヒーヒーバーサンの尾張弁は、まるで京都弁みたいなイントネーションだった。私が、ときたま、奇妙な関西訛りになるのは、たぶん、先祖のたたりです。)

 この甘粥さん、これから「べったら漬け」にも転用されます。

 大根は、すでに塩漬けしておきました。

 残った甘粥は、そのまま放ったらかしておきます。すると、勝手にアルコール発酵する。(何もしなくていいんだから、ラクなもんです。)

 連日連夜の米麹づくり。蒸し器から立ち上る温かい湯気が、嬉しい季節になりました。完成した麹の一部(100gほど)を次の麹作り(米3カップ)の元種に回しています。これが、「友麹」法です。

 本日、これから、米麹味噌仕込み、べったら漬け仕込み、みりん仕込み。麹屋さん作業が、続きます。

木曜日まで麹屋さん

 昨日の教室で、米麹づくりの触りをやろうと思って、蒸し米も麹も用意しておいたのに、試食で飲み始めたら、ケロッと忘れてしもうた…。

 えろ、すんまへんどした〜。

 まあ、これから、もっと寒くなるから、寒い間なら、いつでもできるし、簡単ですし…と、言い訳しておくわん。めんご。

 木曜日(2日)に、友麹法での米麹づくりの雑誌撮影なので、本日より、連日、麹を仕込みます。

 撮影当日に、仕込み一日目、二日目、三日目、四日目の完成図が、一同に出揃うようにするため。

 木曜日まで、わたくし、「麹屋さん」ですのよ。

 米麹ができたら、甘酒、甘口白みそ、みりん、べったら漬け、甘口いかの塩辛などが、じゃかすか仕込めちゃいます。

 で、第一弾の麹は(今日で四日目)、ごらんの通り、出来上がり〜。

 つーことで、これから、撮影日まで「米麹からの派生作品」をじゃかすか仕込みます。麹そのものは、「素材」です。とどのつまりは「何か」を仕込むための基礎素材です。ですから、できるものなら、派生作品をなるべく多く仕込んでおいて、撮影に間に合わせたいです。

 自然発酵種の酵母パン教室という空間で、米麹で甘酒を仕込むと、どうなるかご存じですか?

 アホの酵母は、あまざけの中にも自然落下するので、甘酒はプクプク自然にアルコール発酵しちゃっうの。で、2週間後くらいには、別物のすごく美味しい飲み物になっちゃうんですよね…。

 カルピスソーダ酒みたいな。(これは、たぶん、さ来週のご試食)。

 甘酒は、しっかり発酵させてから飲むと、本当にうまいです。(放っておけば、自然にできちゃうんだから、しょーがないでしょ。)

 はい。ということで、来週の教室には、撮影用差し替えで、出来上がっちゃった米麹が、山ほどあるはずです。米麹で仕込んでみたいものがありましたら、今からリクエストしておいてください。(教室当日、急に言われても、用意が間に合わないからね)。

 今度の教室のパンは、久々に、バターや卵などが入ったリッチなものをやるつもりです。二次発酵時間が長めに必要なので、何でもやれちゃうよ〜。

お教室でごぜーますだ

 さ、寒い!

 本日より、突然寒くなりましたが、お教室でございます。温かい服装でいらしてください。

 林弘子選手、「クルミとイチジクのパンペイザン」に、意外と苦戦しております。やむなくフルーツを減らした。

 無謀にも、オーバーナイトの一次発酵を試みていたのです。(まだ、少し早すぎますね。真夜中にも、パン生地が気になってしょうがない。)

 米麹ちゃんは良い子で出来上がりつつあります。こちらの方は、楽勝です。

 インゲン豆とポークのトマト煮だの、レバーのパテだので、やめておけばいいものを毎度おなじみのダサイ感覚で、「おからもいいな」。「大根の煮物はどうかな」。

 寒さを感じれば、和風惣菜から立ち上る湯気の香りが愛おしい。

 相変わらず、ハチャメチャメニューの組み合わせになることでしょう。

 お気をつけていらしてください。

インゲン系の新豆が届きました

 郷里の親から、家庭菜園の産物が、グッドタイミングで届きました。

 北海道、大豆は晩秋なのです。この時期のお豆さんは、インゲン系。甘く炊いても、塩味の料理に使ってもよいので、重宝します。

 お豆さんが、いろいろある台所。マメに元気で、豊かな心持になります。

 今回はポーク塩肉を干したものを加え、サルサソースと煮込む、ポークビーンズっぱい煮ものにしてみます。

 焚き火の前で、バーボン片手に、マルボロくわえて、カウボーイみたいに食う…

 というわけにはいきませな。「クルミとイチジクのパン」が、お伴です。

 毎度おなじみの、パテ・ド・カンパーニュ(田舎風パテ)も、オーブンの中から、良い匂いを漂わせています。

 ガスコーニュのワインで、お手ごろ価格のなかなかそこそこに、ウマイやつをめっけました。ガスコーニュはコンフィ料理の故郷ですね。ウマいワインがありそうだね、南西部には行ったことがないけれど。

 うん、なかなかウマかったよ。(すでに、1本、試飲済み。こういうことだけは、手抜かりがないのです)。

 肝心要のクルミとイチジクのパンペイザン。こちらは、まだ、発酵中。

アバンギャルドに乱れて、クロワッサン

 二日目にバターを織り込んだ生地をオーバーナイトで二次発酵させて、三日目の朝に焼き上げるつもりで、仕込んだ「秋のパンだぜ・クロワッサン」。

 二日目の夜までに、成形を完了させることができずに、三日目の朝に成形して、デイタイム8時間の二次発酵。つまり、たった今、やっと焼きあげたわけです。

 今回は、かなり欲張って、薄い、うすーい、油紙みたいな、軽い、かるーい、羽みたいに軽いクロワッサンにしたかったわけよ。

 かなり、捏ねを入れて、薄いグルを出した生地にして、バター折り込みも、(いつもと違って)、何度も冷蔵庫で休ませて、丁寧に、ていねーに、やりました。

 んで、焼き上げてみたら、確かに、油紙みたいに、薄い、うすーい層になっているわな。確かに、羽のように、軽い、かるーいクロワッサンだわな。

 ふれなば散らん。

 しかし、グルを出し過ぎたせいで(捏ね過ぎたせいで)、焼成時のオーブンの中で、巻き戻ってやがんの!!アホッ!

 クロワッサン生地を捏ね過ぎてはいけない理由が、欲張り過ぎてはいけない理由が、よーくわかった焼成「その後」でした。

 まるで、やまがみたつひこのマンガ「こまわりくん」のチ○ン○ポ○みたいだ!(私も古いね…。)

稲穂便り

  稲穂の頭も重たく垂れ下り、稲刈りの便りがちらほら届く季節になりました。

 新米の時期になると、「お米ごと心」がムズムズしてきます。(乙女心じゃないよ、おこめごと心です。)

 米麹づくりじゃーっ!米麹、やるぞー。

 市販の米麹を種にして作る「友麹法」です。これ、チョ−簡単です。(今は種麹を使っていません)。なんでもかんでも友麹法。とても安く上がります。ほんの少しの元種で、麹がいくらでもできあがっちゃう。

 うちのパン種と全く同じ原理。米麹、パン教室までに間に合うかな?今日から仕込んでおけば、ギリギリセーフか。

 米麹があれば、米味噌のみならず、甘酒も、みりんも、漬物も作れます。白米麹だけではなく、玄米麹も簡単に作れますぞ。

 まずは、一番簡単な白米麹から。次に、少しハードルの高い玄米麹。そうこうしているうちに、お豆さんの収穫期になるので、次は、最高峰の味噌玉仕込みの豆味噌づくりです。

 これは蒸した大豆を麹にするものです。コメやムギと比べると、ちょいと難しく感じるかもしれませんね。でも、慣れると、これも簡単。たまり味噌にして、醤油と豆味噌、両方をゲット!

 みなさん、物好きにも、自然発酵種の酵母パンづくりをやっているんですから、いろいろな菌たちと、お友達になりましょう。

 収穫の秋。まず、トップバッターは、お米さん。

 日本の「お米ごと」大事にしましょう。

 汚染米事件などが起きてしまう昨今、お米ごとを大事にすることが、私たちにできる静かな抗議行動。

 誰彼が悪いだのと、声高に叫んでも空しいです。手心こめて楽しく作り、美味しくいただくことが、せめてものリベンジ。日本のお米を美味しく守りましょう。

秋晴れの朝

 秋分過ぎて、広がる秋の青空です。しみじみ、あきーっとしています。

 さ、さわやかだ、さわやか過ぎる秋空だ。

 さて、あまり爽やかではない画像ですが、今朝、イチジクとクルミのパンペイザンの写真を撮りました。

 パンペイザンは、朝の光よりも、夕暮近くの光の波長が合うのです。(昨日は時間切れ。暗くなり過ぎちゃって、撮れなかった。)

 でっかく丸めて発酵かごで成形したものと、中型サイズに丸めて、表面にシードミックスをくっつけたものです。(生地は同じ)。

 ライ麦、全粒粉、ドライフルーツ、ナッツが、発酵中に吸水するので、水分配合が多めになります。

 ライ麦粉40g、全粒粉80g、フランス粉180g、(今回はライ麦を少なめにしました)、クルミとイチジクとレーズン合わせて150g(クルミの配合が多く、次いで、イチジク、レーズンは少々)

 に対して、水を225ccでした。

 それでも、結局は、少し硬めの生地になって発酵完了しました。やっぱ、もっと、水欲しかったんだな…という感じ。

 捏ねの最中は、かなりゆるゆるだったんですけどね。材料の質によって、吸水はまちまちです。今回のライ麦粉は、普段使い慣れているものではなかったので、警戒して少なめに配合したんですけど。まあ、それ以上に、クルミが水を吸っちゃうしね。

 中種は、先週、二次発酵を過多にして、しくじったカンパーニュ生地を4日間寝かせて、中種として転用しました。

 そのせいか、メチャクチャ発酵が早くて、35%の種配合でも、3時間ほどで、行ってしまいました。室温放置、温度は26度でした。(プレーンな方の生地も同様でした。)

 中種の「発酵度合い」と「熟成期間」は違いますね。発酵度合いは酵母の活動や生活力が旺盛な温度で行っていますが、熟成期間は、酵母がおねんねして、静かにお休みしている温度。

 発酵度合いの強い中種を使うと、一次発酵も早まります。(まして、ライ麦粉の配合されているカンパーニュの古生地を中種にしたのですから。)

 100点満点とはいかなかったパンペイザンは、友達送りに回されます。教室までには、満点を目指します。

クルミとイチジクとレーズン入りのパンペイザン

 午後5時。今、焼き上がりました。

 画像は、プレーンなもので、クルミもイチジクも入れていない方です。こちらが、先に焼き上がりましたので…・。

 タイムリミット。

 日が短くなってきたんですね。夏の間は、午後5時過ぎでもとれた写真が、今はもう、この時間では撮れなくなっています。

 ドライフルーツを入れたものは、明日の画像にしますね。ごめんね。明日まで、待ていてね。すみません。

 比較的、作りやすいパン・ペイザンですが、ドライフルーツやナッツを加えた生地にすると、とたんに、ハードルが高めになります。

 発酵中に、ドライフルーツや、ナッツが、生地の水分を吸うので、生地そのものに(吸水を考慮して)多めの水分を加えなければいけないので、先ずは、水分判断が難しい。そして、水分が多いせいで、捏ねにくい。

 次に、ドライフルーツや、ナッツが、生地のつながりを阻害する。

 その上、ドライフルーツは、生地の発酵を早めるので、発酵完了の判断までもが、難しくなります。

 たかが、クルミやイチジクやレーズンを加えるだけで、てーんで、別物の難しさが加わるのです。

 で、今週の教室は、クルミやイチジクやレーズンを加えたパンペイザン生地を考えています。

 なーんとなく、秋っぽいムードになるでしょ。その上、難しくなるし。

 フランスパンシリーズ強化月間のトリは、秋っぱいドライフルーツ入りのパン・ペイザン。

 クルミやイチジクなどのドライフルーツの入ったパンペイザンは、クリームチーズや、マスカロポーネなどの生チーズを添えると合いますね。

 また、豚肉やチキンなどの料理とも、相性が、良い味ですね〜。だーい好き。いえ、いえ、パンではなく、秋めいたお料理が、…ですけどね。ワインにも合うし。

 花より団子、パンより料理。

 今週の教室パンは、この季節の料理に、ピッタリなパンを考えています。

 が、ドジらずに、わし、できるんやろか…・。

栗ごはんの準備

 今日も、昨日の掃除の続きを頑張ろうと決めて、早起きしたんだけれど。(トイレも、風呂も、自分の仕事部屋も、寝室も、台所のまだやっていない物陰も…が、まだ手つかずで残っている。ありゃ、なーんだ、まだ、ほとんど済んでいないじゃん。)

 が、しかし、朝一番で(9時半開店)、新鮮な国分寺野菜をごっそりゲットしてきたとたん、勤労意欲も掃除意欲も、すっかり失せてしまった。

 意志の弱さにだけは、自信がある。

 掃除は、換気扇の蓋がみつからないので休業、原稿は雷が鳴っているので休業。

 掃除なんて、今年中に済ませればいい。換気扇の蓋は、電気屋に行って買ってこよう。

 要するに、根性そのものが、腐っているのだ。

 国分寺産の、ぶりんぶりんに太った新鮮な栗もゲットしました。栗ごはんダアー!!

 腹が減っては掃除にならん。

 この前の「栗の銃撃戦」に懲りて、今回は少し小賢しくなりました。

 沸騰した湯で栗を3,4分ゆでて、鬼皮をやわらかくしてから剝き取り、渋皮だけにしたものをグリルで数分焙って、渋皮を浮かせました。(栗の皮むき道具は持っているけれど、あまり好きではない。使わない。)

 渋皮は、うまくいくと、全部、すっぽりと脱げて、裸ん坊の栗になります。手で簡単に剝けなかったものだけ、ナイフで渋皮を削り取ります。

 はい、これで、栗ごはんの準備完了。研いだ米には、ほんの少しの塩と酒を加えて、あとは普通に水加減。みりんや醤油を使わずに、豆ごはんのようにシンプルに仕立てるのが好きです。裸ん坊になった栗をこの中に、ドボン。時間になったら、土鍋を火にかけるだけで、あとは栗ごはんにありつけます。

 スダチをジューっとかけたサンマの塩焼きか、きつね色に揚がったトリモモの竜田揚げが、栗ごはんには、よく似合うね。

 地元の大根の間引き菜もある。どういうわけかコロコロ太ったミョウガもある。ナス、ゴボウ、ショウガ…。野菜料理の素材にだけは事欠かない。ありがたや、ありがたや。

 結局は、日常茶飯事にだけ、激しく熱い情熱を燃やす本日でございます。