1年ものの梅シロップ

 来週末あたりになると、ぼちぼち青梅が出回り始めますね。走りの梅で梅シロップを作る方も多いのではないでしょうか。

 いつも聞かれることですが「梅シロップのくしゃくしゃに固くなった梅の活用法は?」。このような質問が、とても多いのです。

 普通に作っていたのでは、梅は当然くしゃくしゃの出がらしになって廃棄するしかなくなります。その上、常温で置いておくと、梅シロップはしゅぱしゅぱ発酵して酒臭くなります。(これは梅や蜂蜜が持っている天然酵母の活動によるアルコール発酵で、腐敗ではありません。)

 さて、梅の実も無駄なく使い切りたい!という方は…。私と同じ方法を今年は試してみてくださいね。これは長期保存にも向くやり方です。

 まず、全く普段どおりに梅シロップの準備をします。空き瓶に梅を詰め、ひたひたまでの蜂蜜を注ぐだけ、です。
 普通はこのまま放置して、梅のエキスがはちみつに抽出されるのを待つわけです。で、ここからが違います。私ははちみつを注いだびんに蓋をして、湯気の立っている蒸し器で30分くらい蒸すのです。(もし、蒸し器がなかったら、鍋に水を入れ、ビンを肩7,8分目くらいまで浸し、30分くらいコトコト湯煎状で煮ればいいのです。)
 つまり、梅にもはちみつにも熱が通るというわけです。梅ははちみつの中で、コンポート状態になります。加熱の途中で、さらに蓋をぎゅっと硬く閉めます。
 加熱の済んだ梅シロップは脱気された状態になります。つまり、腐敗や発酵とは無縁になります。(長期保存可能)梅のエキスは蜂蜜の中に抽出されますが、梅はずーっと柔らかいままです。この梅はそのままコンポートとして食べることができるくらい柔らかくて美味しいです。
 脱気した瓶詰めの蓋は圧のせいで、なかなか開きにくいのです。蓋とビンの溝にテーブルナイフなどを差し込んで、少し空気を入れてあげると開けやすくなります。半年〜1年も置いておくと、梅の果肉からのみならず、梅の種からも素晴らしい芳香が抽出されます。普通に作る梅シロップより、ずっと美味しいシロップになります。
 これをソース作りや料理作りにも使っています。興味ある方は試してみてね。