発酵生地のパウンドケーキ

 右手に見えますのは、普通の(無発酵生地)パウンドケーキでございまーす。

 左手に見えますのは、パン種(中種)を入れて一晩(常温放置)発酵させた酵母菓子のパウンドケーキでございまーす。

 (発酵生地のパウンドケーキのほうは、今、焼き上がったばかりを切ったので、切り口がボロボロになっています。冷えると、無発酵生地同様にきれいにカットできますので、ハンディを考慮して見てください。)

 ついでに、奥手に見えますのは、明日の教室の山形食パンでございまーす。(ついで…つーのも、なんだわな。えろ、すんまへんどす)。

 パン種など入れずに、普通に作っても、ちゃんと美味しく仕上がるカトルカール配合のバターケーキに、なんで、わざわざパン種入れて、発酵生地にするのよっ!?と、おっしゃりたいことでしょう。

 これは、「ダイエットケーキ」なんどすえ。

 パン種(小麦粉生地)が50%加わることで、油脂(バター)、砂糖、たまごなどの高カロリー材料含有率が必然的に下がり、かなり大幅なカロリーダウンになるわけです。

 リッチ材料の低減は、パン種による発酵風味の旨味で十二分にカバーできます。これは、パウンドケーキだけの話ではなく、他の酵母菓子にも、同様のことが言えます。

 若い娘っ子どもは(私より年下だったら、どいつもこいつも娘っ子)、ダイエットだの、シェープアップだの、アンチメタボ、などという割には、甘いお菓子が大好きだ。

 故に!食うなとは言わん。カロリー下げりゃいいのよ。美味しさは、そのままに。

 しかるに!うちのパン種を暗躍させるわけである。自然の発酵活動というものは、糖も旨味も生み出す。即物的に加える砂糖とは、別モノの天然糖分と旨味だ。

 パン種を使う酵母菓子の利点は、このようなカロリーダウン効果にもある。(ちなみに、わたしゃ、いくら食べても太らない体質なので、ダイエットなんかには、全く興味がないんじゃがね。)

 また、小麦粉というものは、ある程度きちんと捏ねて、時間をかけて熟成させることで、小麦粉本来の旨味が出てくる。(たとえば、うどんや餃子の皮だって、捏ねてすぐ料理するよりは、寝かせて熟成させてから料理する方が、ずっと美味しくなるでしょ。それと同じ原理です。)

 はい、ということで、明日の教室も「パンとは関係ないもの」の目白押し。麹でしょ、味噌でしょ、コチュジャンでしょ、発酵生地のパウンドケーキでしょ。

 ついでに、山形食パンでしょ。…。

 発酵生地のパウンドケーキのご試食と味比べをお楽しみに。(お手ごろ価格のボルドー見つけた。試飲のために1本買ってきた。もし、うまかったら、土曜日の午前に買いに走るからね。ブフ・ブリギニオンでも作っておこうかね。パンにも合うし。)