種麹のリフレッシュメント

 はてさて、昨日の昼より開始した豆味噌の種麹のリフレッシュメント作業。

 今日、早朝に見ると、すでに白いカビ(麹カビの赤ちゃん)が、誕生していました。

 写真で見えますでしょうか?これが、真っ白になり、黄色くなり、最後はモスグリーンの色に変わると、リフレッシュメントの成功。今シーズンの新種麹が採取できます。

 今回種付けしたのは、昨年12月半ばに採取した菌と、今年4月上旬に採取したものの2種類です。各、大豆1kを蒸した物に種付けして、コウジカビを増殖させている状態です。

 まだ、日中は暖かいので、時期が早すぎるのです。発芽も早い。この分では、ポリ袋をかぶせる保湿などは不要で、薄布1枚かぶせておくだけで、完成してしまいそうですね。下手に過保護にすると、不要な別のカビまで生えてしまい、失敗するかもしれません。

 うまくいくマニュアルなんて、ありませんよ。目の前にいる寡黙な生き物に聴くだけです。自分の生み出した生き物の育て方なんて、誰に聞いてもわかりゃしませんので。

 赤ちゃんと、お母さんの関係そのものですよ。夜泣きされないだけ、ラクだと思わなくちゃね。

 寝返りは自分でできないので、ときどき、寝返りさせてあげます。どうしても、底の方が、湿度も温度もこもりやすいですから。

 この子が、1年後には、美味しいたまり醤油や、豆味噌になります。

 そして、味噌汁や、料理や、パンやケーキの果てまでにも、なってくれるのです。

 空気中に存在する自然の菌、そして、日本のお豆さん・大豆、あとは塩と水だけが、原材料です。そして、美味しく仕立て上げてくれるのは、「時間」だけ。

 本日は、昨年仕込みの豆味噌で、たくさん甘味噌を作り置きしておきます。野菜や魚や肉の味噌漬け材料にもなりますし、酢を加えれば酢味噌の和え地に、ドレッシングを加えれば豆味噌ドレッシングになります。

 人間の手がなせることなんて、実にささいなことばかりです。