焼き飯のワッフル仕立て

 さて、先に載せた熟し柿で作る柿酢だの、柿酢から作る米酢だのといった画像や話題は、たいしてオモロクナイので、早々に更新します。

 やっぱ、フォトジャニックじゃなくなあ〜。

(コンパクトデジカメとお日様の光は、近年、私の大人のオモチャです。本日は、明るくキラキラと晴れ渡りました〜。)

 画像。実は、これ、これでも、ご飯なんです。

 焼きおにぎり・ガレット仕立て。ワッフル型で両面を焼き上げる「残りご飯・再利用料理」でございます。

 食べ残して持て余されている少しの冷飯。(捨てないで!もったいない!)。適当に何か具を少し混ぜてください。そして、できれば、溶いた生卵なども少し混ぜ込むといいですね。味付けも少々、軽くね。塩コショウでもいいですし、醤油でもいい。ケチャップご飯でもいいし、炊き込みご飯の残りでもいい。

(写真では、残り物のきんぴらごぼうと万能ねぎのみじん切り、卵黄漬けに使った後のたまり醤油少々が、冷ごはんに混ぜ込まれています。)

 軽く味付けしたご飯を適当に丸めて握り、熱々にしたワッフル型の内側に油を塗って、丸めたご飯をジュアーっと挟み込みます。

 高温加熱で、両面を数分ずつ焼きます。(必ず、高温で。低温ですと、きつね色の焼き色がつかずに、ご飯粒が硬くなってしまいます。)

 香ばしい匂いが立ち上ったら、ワッフル型を開け、きつね色に焼けたご飯をお皿にポンとあけます。

 素焼き海苔や、青のり、甘酢ショウガの針など、好みのものをトッピングしてもいいですね〜。

 お好きなソース(麺つゆ、焼き肉のたれ、ポン酢、わさび醤油、ウスターソース、ベシャメルソース、…なんでもいいですよ。写真は、私好みのバター醤油です)を添えてください。

 100gあるか、なしかの、捨てようと思っていた残りご飯とは思えぬ、大変身ぶりです。カリッと香ばしい側面のご飯、噛めば噛むほど旨味が出てくる、ご飯のありがたい滋養はそのままに。

 見た目が可愛らしく、ちょいとオシャレなので、飲み会の腹の足しに作っても、意外性があって、みんなに「ワ〜♪」と喜ばれるんですよ。(作るのも簡単ですし)。

 朝ごはんにだって向きますよ。残り物の冷ごはんをレンジでチンして食べるのって、空しくはないのですか?私は、大嫌い。(というか、レンジのチンを持っていない。持っていないから、こんなご飯を考え出すのよ。)

 白飯だけでも作れますが、やはり、少しの生卵と醤油くらいは混ぜ込んでほしいですね…。今朝、白飯だけで作ったら、ちょいと侘しかった。(それでも、試食担当局長は大絶賛していたけど…。ホント、あいつ、ふだんは何食っているんだ?)

 さて、明日はいよいよ「これでも酵母パンなんです:焼き団子・バター醤油磯べ風味」という、パン作り人にとっては、ぶっ飛ばしたくなるような、とんでもね〜パンを載せます。お楽しみに!

 

柿酢で米酢

 この冬、一番の冷え込みだったのでしょうか。朝、起きると眼下に広がる家々の屋根が、霜で真っ白でした。

 うち、高台にあるのよ。窓から見下ろす気分と景色は、アルプスの少女ハイジです。

 で、今年も、あちらこちらから、た〜くさん柿をいただきました。少女ハイジには、食べきれないほどです。

 みんなが大好きな柿シャーベットを作っておこうと思ったのですが、どう考えても、冷凍庫の整理がつかなくて、つまり、整理するのがメンドクセーくなったわけ。

 予定変更。熟し柿を放ったらかして、「柿酢」にすることにしました。

 柿を丸ごと容器に入れて、温かいところに1,2か月ほど放っておくと、勝手に酢酸発酵して、酢になってくれるのです。

 表面には白いカビのような膜が張りますが、これは酢酸の菌膜なので、気にしなくていいです。柿の下には透明な、とても酸っぱい液体、つまり「柿酢」が溜まります。

 この柿酢、そのままフルーツビネガーとして使うこともできますし、他の液体を酢にする種酢にすることもできます。

 雑誌の撮影で、たくさんできちゃった甘酒を放ったらかしておいたら、ゴボゴボとアルコール発酵して、全部お酒になっちゃった。もろみをこした汁に、柿酢を少し加え、温かいところに1,2か月放っておきます。置いておくだけで、いずれ、米酢になります。

 写真、手前が柿酢で種付けした米酢です。(まだ、発酵途上、完成品ではありません)。

 写真、奥が柿酢を採るために、瓶詰めした熟し柿です。どちらとも、放っておけば、勝手にできちゃうものなので、保存加工としては、とてもラクです。

 自家製の手作り酢なのですが、酢に関しては、やはりプロの製品のほうが味わいが深いです。(味噌や醤油や麹は、自分の手作りのほうが、ずっと美味しいけれど。)

 自分の手作り酢は、酢をジャバジャバ大量に使うものだけに役立てています。料理に少量酢買う酢は、市販品のものです。

 焦がしてしまった鍋を重曹と酢に浸けておくと、簡単にきれいに焦げを落とせますよね。魚をじゃばじゃば酢洗いするのも、高級な酢では、もったいない。

 ですから、そのようなジャバジャバ用途に使っています。自家製の手作り酢は、あえて頑張って作ろうとするものではないけれど、もし「できちゃったら」手元にあると、便利で、なかなか経済的なものです。

 これで、今年も山ほどの柿を全部無駄なく有効活用。アルプスの少女ハイジは、今や、筋金入りのガメツイオバサンになりました。

ブリオッシュ・パン・オ・レ

 来年用の教室アイテムの試作に入っています。

 「牛乳パン」。

 ほんのり甘くて、フワフワ柔らか、ミルクの香りたっぷりの懐かしい味。このようなバトネ型ではなく、もっと四角くて穴ぽこがあいていたような気がする。

 で、試作してみたら、イメージしていた食感ではなくて。

 引きを弱めるために、バターを先入れにしてみようかと考えています。

 「まだ、試作段階。こんな引きではなくて〜〜…。もっと、カニパンみたいに、駄菓子っぽくしたくて〜〜・・。」と言っても、試作途上のパンをみんなパクパクうまそうに食べてたなあ…。ついでに、試作途上の2月のアイテムのガト・オ・ショコラも。試食も、先手必勝。

 (カニパン、知ってる?今でもあるんですよ。)

 まあ、そのうち、ベターに完成させます。

 昨日の教室の蒸しパンは、小型のおまんじゅうくらいのサイズになっちゃいました。毎度のことながら、アドリブの遊び心がムキムキ。

 串団子のように、串にさし、柚子味噌を塗って焼いたら、「わっ、焼きまんじゅうだ!」。

 (リカちゃんご出身の)群馬のおやつだそうです。

 調子に乗って悪ノリして、お次はバター醤油の磯べ巻き。これは、最高に美味しかったですね〜!

 「それって、北海道のおやつ?」

 まさか。私のアドリブです。

 蒸しパンのもっちりした引きの強さが、バター醤油と海苔に、とても良く合うの。この美味しさは、撮影の価値ありです。近々、画像を載せますからね。これ、絶対に作ってみてね。

 酵母パンの肩ひじ張った常識を空中三回転の回し蹴りで、ぶっ飛ばしたような「串まんじゅう」です。でも、めちゃくちゃウマいんだからっ!!

 古代中国伝統の老麺によるフォアジュアンのつもりが…。

 酵母パン駄菓子屋横丁になっちゃいました〜〜〜♪

 昨日の教室は、実質的には「忘年会」でした。(来週、来れない人が多いので)。

 プレーンな蒸しパンのときは、お料理も無礼講で何でもかんでもいろいろ出せるからねえー。飲み会気分のドンチャカ騒ぎよ。

 (これって…毎度のことですけど)…。

お教室でございます

  師走も半ば。ちょっと曇り空。

 お教室でございます。お気をつけていらしてください。

 蒸しパン「フォアジュアン」をやります。

 蒸し器の湯気が嬉しい季節。パン生地まで蒸しちゃえ〜〜ってなもので。

 プレーンな蒸しパンは、お料理メインのこの季節に、どんな料理とも合う「でしゃばらないパン」です。和風、洋風、中華、そして、カレーにも合う万能パン。

 配合も成形もシンプルに。これぞ、まさしく東洋のパン。小麦粉ごはんです。

 師走と言っても、生ぬるい温かさ。オーバーナイトの場合は念のために種を減らしてくださいね。(35%)

 種継ぎしたての新しい種を使うと、蒸しあげた後の縮みがありませんが、古い種(4日目以降の熟したもの)を50%使うと、蒸しあげ後に縮みがきます。そのような場合は、二次発酵を短く切りあげると、縮みがきません。

 ちょっとしたコツさえ押さえると、作りやすいパンです。

酵母焼き菓子・カロリーダウンのガトー・オ・ショコラ

 12月とは思えぬほどに、「暑い!」のです。ストーブ消して、窓を開け放っても。

 今年は沢庵漬けも、いずしも、鰊漬けも、作らぬことに決めました。こんなに、ぬくぬくしたお天気なら、腐敗させちゃいそうですもの。

 乾した大根を糠床に数日漬け込むと、沢庵そっくりな味わいの糠漬けになるので、糠漬けで代用しています。

 外がまぶし過ぎて、写真が暗くなっちゃったけど…。(後で撮りなおさなくっちゃ)。

 発酵生地のチョコレートケーキです。

 ガトー・オ・ショコラ。

 2月1週目の教室用バレンタインアイテムですが、クリスマスケーキにしたいとお思いの気の早い御仁に、今載せておきます。

(トッピングの飾り次第では、クリスマスケーキにも使えます)。

 15cm丸型2個分(1台作製の場合は2分の1にしてください)

中種150g、無塩バター225g、砂糖150g、塩小さじ1と半分、小麦粉300g、ココアパウダー50g+ブラックココアパウダー10g、たまご3個、牛乳50cc、アーモンドプードル50g、チョコチップ100g、ナッツ類150g

 作り方はシュトレーンと同じ。アスペクトの拙著を参照してください。

 普通のガトー・オ・ショコラよりも、かなり砂糖と油脂が減量され、カロリーダウンになっています。

 カロリーダウンを考えて、安直に砂糖やバターを減らしてしまうと、お菓子づくりは失敗します。お菓子にはカトルカール(=バター、砂糖、たまご、粉の量がすべて同量)という最高峰の配合、美味しさの黄金律があるからです。

 落とし前の代償を考慮せずに、勝手に黄金律を変更することは失敗のもと。

 そこで、バターや砂糖を減らす代わりに、パン種を加えてオーバーナイトの発酵に持ち込み、砂糖やバターなどでは出ない発酵風味と、発酵による糖化作用を引き出します。

 油脂と糖分の不足を十分に補うほどの風味深さを持つ酵母焼き菓子です。

 昨日の朝、本の打ち合わせの前に、大慌てでちゃちゃっと生地だけ仕込んでおき、そのあと、今朝まで放ったらかしておき、本日午前中に、洗濯しながら焼き上げました。

 無発酵の普通のお菓子なら、こんないい加減な芸当はできませんよねえ。もっと、しっかりと時間を作ってから、きちんと頑張らなければ作れない。

 忙しい時には、放っておける酵母菓子が一番ラクチンですわ。来月も忙しくなりそうです。今から、作れるものは作って、写真に収めておかないと。

 え?なーに?バレンタインアイテムを今週試食させて…ですって?

 あの〜〜。クリスマスケーキすらも、まだなんですけど…。

今週のパン・蒸しパン(花巻=フォアジュアン)

 師走の忙しさにかまけていると、「で、いいか」的汁物系料理がおおくなりますねえ・・。

 「鍋ものでいいか」。「おでんでいいか」。「ポトフでいいか」。「トン汁でいいか」。

 んでもって、翌日の朝食にも、前夜の「で、いいか的汁物系料理」を出して、食べつくしを図りたくなるわけです。

 さて、そんなときに役立つのが、このように無造作なそっけない蒸しパンです。

 花巻=フォアジュアン。

 フォアジュアンは、中国のシンプルな(中に具の入っていないプレーンな)蒸しパン。(中に肉あんなどの具が入るとボウズ=包子になりますね)。

 写真は、くるくるとワンローフに巻いた生地を断ち切っただけの成形。成形もコテコテ手間かけず、とてもシンプルにしてみました。

 形や大きさが不揃いなのも、なんとなく可愛い。なんとなくいい加減で。

 パン種は種継ぎしたての若いものを使うと、蒸しあげた後も縮みのシワが出ません。

 我らがパン種は=ラオミャン(老麺)です。古代中国のパン種と同じものです。今では、中国ですら、本もののラオミャン使ってはいませんね。たぶん、ふくらし粉とかで、代用しているみたいです。(魏先生は、「ふくらましこな」と、ミステリアスな日本語で言っていましたが…。王さんは、小麦粉と片栗粉をどちらとも「こむくりこ」と独創的日本語でいうので、ますます分からなくなってしまいます。)

 フォアジュアンは、オーブン焼成のパンよりも、ふんわりと柔らかく仕上がり、和洋中華問わずに、どんな料理とも合う食事パンです。

 冬の根菜たっぷりの具たくさんスープなどと共に、おあがりください。

 中種150g、小麦粉300g、塩小さじ2、砂糖大さじ2、水210cc

 材料もシンプルです。

 本日、午前、これから単行本の打ちあわせに入ります。

味噌すり

 今月2日に仕込んだ白味噌。1週間目に1パックだけ(右側)味噌すりしました。(ほかの2パックは、すらずに2週間ほど放っておくことにしました)。

 すった方の1パックは、1週間後から試作料理のシュミレーションに使用するつもりです。

 できあがっている自家製の白味噌が尽きはてていたので、やむを得ず市販品を使っていたのです。

 市販品は、甘みや粘り出しのための水飴、保存のための酒粕、発色のためのビタミンB2などが入っているので、何も入れない自家製のものとは使い勝手が異なり、シュミレーションにならないのです。

 味噌は、やはり自分手作りの「てめー勝手みそ」が、一番おいしい。どんな味噌でも、我が家の手作りが最高です。

 明日は単行本(酵母焼き菓子の本)企画の打ち合わせを編集者や編集長と。明日作る予定だったサンプルパンを本日午前、一日早く仕込んでおきました。

 明日がとても楽しみなんです。明日来る編集長氏、実は私の処女作本の初代!編集者なんです。

 最後に会ったのが、十年以上も前です。久々の再会となります。

 読んでくださった方も多いと思いますが、農文協「国産小麦のお菓子とパン」が、初めて上梓した単行本です。大昔の話です。

 まだ、お店をやっていたころですね〜〜、長いおかっぱ髪を振り乱しながら。(今はシニョンに丸めています。白髪も生えてきました。)

 当時、生まれて初めて会う編集者氏が、ばっちり私好みのハンサム兄ちゃんだったもので、目からハートがびろろろろ〜ん。

 「農村漁村文化協会なんつーダサイ名前の出版社で出すのなんかイヤだ!」と、ほざいていた私ですが、ハンサム兄ちゃんの顔をみたとたん、「や、やっぱ、農村漁村文化協会でしょー、やはー、やー、ははははは。いい会社名ですねえー、やっぱ、農文協でしょ〜、やっぱ、編集者は顔でしょ〜〜!」ということで、あっさり降参。スケベ心の一心で、農文協から処女作を出しました。

 動機は不純ながらも、本書きの突破口を切り開けたのは、ひとえに我がスケベ心のお陰です。以降、本書きのモティベーションに、スケベ心を忘れぬようにしております。

 お陰さまで、10冊もあちこちで出せたもんね。よほどのスケベなんだわ。スケベ心は文学性よりも強し。

 はてさて、かつての美青年、はたしてどんな中年のオヤジになっていることでしょうか…。今じゃ管理職、エライ人になったと伝え聞いています。
 かつては、しょっちゅう一緒に飲んで、食って、騒いで、笑い転げ合っていた、とても懐かしい編集者です。

 楽しみだな…。ということで、本日は、これよりパン焼きです。

 

夕陽を浴びた柿のシャーベット

 以前に載せた「柿と柚子のジャム」。凍らせるだけで、とろ〜りまった〜りとした甘酸っぱいシャーベットになります。

 (わざと、夕陽の時間を待って、夕焼け色を強めてみました。実際には、もう少し淡い柿色です。)

 ゼラチンやメレンゲなどを使わなくても、果物の持つペクチンの作用で、口溶けがなめらか。柿、砂糖、柚子の搾り汁だけが材料です。

 先日の教室で大好評でした。(どうやら、みんな、熟しすぎた柔らかい柿を持て余しているようでした。)家に帰ったら、すぐにでも作りたそうな勢いでしたね〜。

 これ、ラ・フランスの柔らかくなったもので作っても美味しいんですよ。柿をラ・フランスに代えるだけ。(そのうち、載せますわ。今、うちの冷凍庫、ごみ箱みたいに満杯なのよ。ラ・フランスのシャーベットを入れるスペースなんかないほどひどいの。)

 これからのパーティーシーズン。お酒や料理の後には、爽やかな甘いものを用意してあげたいですよね。

 やっぱ、シャーベットでしょー。アイスクリームやケーキでは、締めとしてちょいと重いです。

 ジャム状に煮たものを凍らせるだけなので、作るのも簡単ですし。ちなみに、面倒なかき混ぜも必要ありませんよ。

 普通は凍らせている間に、何度かかき混ぜて口当たりがなめらかになるようにしなければいけないんですけどね。でも、これに関しては、かき混ぜ無しでOK。

 ということで、熟し柿持て余している方は、さあ、作ったりー作ったり〜。

 わたしゃ、その前に冷凍庫の整理だな…・。

白味噌仕立ての親子丼

 大根、里芋、人参、ごぼうなどの冬野菜と白味噌は、よく合いますね〜。

 私は特に、ごぼうと味噌の組み合わせが大好きです。

 ということで、本日、試食局長との昼食は「白味噌仕立ての親子丼」。トリモモ、玉ねぎ、そして、たっぷりの笹がきゴボウが具です。

 あしらいは、春菊、甘酢漬け生姜の針、柚子、飾り切りのかまぼこ。

 試食局長、まるで生まれて初めて親子丼を食った欠食児童のごとく、ウマイ!ウマイ!の絶賛の波風嵐。(ふだん、ろくなもの食ってないんじゃないの?)

 トリモモ肉1枚を小さめに切って、塩、赤トウガラシ粉、酒、みりん、醤油、サラダオイル各少々をまぶして、常温に20分ほど置いて下味をつけておきます。

 玉ねぎ1個は繊維に沿って千切り、ごぼうは笹がきして、みずに放ってアクを抜いておきます。

 鶏肉を炒め、玉ねぎとごぼうも加えて炒めて、だし汁(昆布と干しシイタケの精進ダシ)と酒を注いで一煮立ち。蓋をして火を止めて10分ほど蒸らしておきます。

 この間、あしらいを用意します。春菊は芽の柔らかいところを数枚、甘酢漬け生姜と柚子の皮は針に切ります。卵を1個、しゃかしゃか溶いで、白味噌はだし汁少々で緩めておきます。

 具の入った鍋にもう一度火をつけて、沸きが立ったら、白味噌を溶かし入れ、溶き卵を流し入れて火を止めて、卵がとろりと濃度がつくまで蓋をして蒸らしておきます。

 この間に、器にごはんをよそい、漬物や酢の物など、朝の残り物をテーブルに並べ、おもむろに親子どんぶりの具をご飯の上にぶっかけます。

 煮すぎない、加熱しすぎないことがポイントです。蒸らすという調理法を活用しましょう。

 午後から出かけるという試食局長の時間のせわしさで、ご飯作り時間は30分以内。大慌てで急いで作ったのに、やけにウットリしみじみと食っている試食局長。かなり、お気に召したようです。

 たぶん、これが普段通りの醤油味だったら、感動してくれなかったであろう。ところが、ひとたび白味噌仕立てとなると、親子丼とは言え、気分は高級料亭。殿方の味覚認知というものは、なかなか単純にできているようでございます。

 醤油を白味噌に代え、ごぼうを加えただけです。

 調味料の変換キーひとつで、普段の忙しい手抜きメシも変身します。

イクラそっくりの味!卵黄の醤油漬け

 紅葉を赤く染め抜いていた朝の光が移動して、眩しい正午の光になったので、卵黄の醤油漬けの写真を撮りました。

(黄身にお日様を反射させたかっただけの撮影下心です。)

 今の時期は、我が家の醤油自慢料理シーズンです。寒い季節だけ、自家製醤油を堪能できます。今のうちに、醤油料理をいろいろ写しておかなくちゃ。

 さて、「卵黄の醤油漬け」です。たまり醤油や再仕込み醤油など、色も味も濃い醤油を使って作ります。

 いえいえ、作るなんて、ご立派なものじゃござんせんね。生卵の黄身を醤油に漬け込んでおくだけですから。

 数日〜1週間も冷蔵庫で放っておくと、黄身はねっとりと締まり、イクラの醤油漬けそっくりな味になります。箸でつまめるほど身がしまるんです。

 温かいご飯の上にのせても、箸の先でちびちびとつまんで酒の肴にしても…。なにせ、イクラそっくりな味なんで、ご飯にも酒にも、よ〜く合うんです。

 北海道人なもので、大のイクラ好きなのですが、ぜいたくすぎて、そうこう思い通りにはいただけません。

 はい、そこで。イクラちゃんのそっくりさんの登場です。卵は地場物、私が毎度自慢している国分寺農家のニワトリさんの産物。醤油は自家製、これもご自慢品。イクラの高価さにも負けない逸品でございます。

 で、ついでに。カラスミさんのそっくりさんを作るには。

 これは、豆味噌を使います。タッパに味噌を敷き詰めて、たこ焼き器のような丸穴を開けて、その中に卵黄を沈めるんです。(ガーゼを当てておくと、漬かった黄身を取り出しやすいです)。

 日常の調味料、醤油や味噌が、大ご馳走の味に変身する瞬間。簡単で美味しいのでやってみなはれ。

(漬け床にした醤油は納豆タレや炒め物に再利用できますし、味噌床は味噌汁などに使えます。無駄にはなりません)。