柿酢で米酢

 この冬、一番の冷え込みだったのでしょうか。朝、起きると眼下に広がる家々の屋根が、霜で真っ白でした。

 うち、高台にあるのよ。窓から見下ろす気分と景色は、アルプスの少女ハイジです。

 で、今年も、あちらこちらから、た〜くさん柿をいただきました。少女ハイジには、食べきれないほどです。

 みんなが大好きな柿シャーベットを作っておこうと思ったのですが、どう考えても、冷凍庫の整理がつかなくて、つまり、整理するのがメンドクセーくなったわけ。

 予定変更。熟し柿を放ったらかして、「柿酢」にすることにしました。

 柿を丸ごと容器に入れて、温かいところに1,2か月ほど放っておくと、勝手に酢酸発酵して、酢になってくれるのです。

 表面には白いカビのような膜が張りますが、これは酢酸の菌膜なので、気にしなくていいです。柿の下には透明な、とても酸っぱい液体、つまり「柿酢」が溜まります。

 この柿酢、そのままフルーツビネガーとして使うこともできますし、他の液体を酢にする種酢にすることもできます。

 雑誌の撮影で、たくさんできちゃった甘酒を放ったらかしておいたら、ゴボゴボとアルコール発酵して、全部お酒になっちゃった。もろみをこした汁に、柿酢を少し加え、温かいところに1,2か月放っておきます。置いておくだけで、いずれ、米酢になります。

 写真、手前が柿酢で種付けした米酢です。(まだ、発酵途上、完成品ではありません)。

 写真、奥が柿酢を採るために、瓶詰めした熟し柿です。どちらとも、放っておけば、勝手にできちゃうものなので、保存加工としては、とてもラクです。

 自家製の手作り酢なのですが、酢に関しては、やはりプロの製品のほうが味わいが深いです。(味噌や醤油や麹は、自分の手作りのほうが、ずっと美味しいけれど。)

 自分の手作り酢は、酢をジャバジャバ大量に使うものだけに役立てています。料理に少量酢買う酢は、市販品のものです。

 焦がしてしまった鍋を重曹と酢に浸けておくと、簡単にきれいに焦げを落とせますよね。魚をじゃばじゃば酢洗いするのも、高級な酢では、もったいない。

 ですから、そのようなジャバジャバ用途に使っています。自家製の手作り酢は、あえて頑張って作ろうとするものではないけれど、もし「できちゃったら」手元にあると、便利で、なかなか経済的なものです。

 これで、今年も山ほどの柿を全部無駄なく有効活用。アルプスの少女ハイジは、今や、筋金入りのガメツイオバサンになりました。