乱れ焼き

 あ、あかんわ、こりゃ!

 先ず、第一に発酵オーバーを警戒して早く焼成開始していまったこと。早すぎです、若すぎだった。やはり、夜まで待つべきだった。

 そ、そして!

 ものの見事に、みんな好き勝手に身を持ち崩して乱れ焼き。二つと同じ形のものがない。

 まるで積み上げて崩れ落ちる直前の古新聞のようだ。

 その上!

 中学生の時から今まで(51じゃ)後生大事に使っている旺文社シニア英和辞書のように、ぺらぺらと1枚ずつ剥がれ落ちてくる。ごく薄い皮1枚ずつね。はらり、はらりと…。

 これを人様に送ったら、着いた先で背表紙の取れた本のようにページが散乱し、とんでもないことになる。

 危うすぎて、ほとんど触れもしないようなパンにしてしもうた。

 このようなものは、卵牛乳に浸けこんでフライパンで焼き、フレンチトーストにでもするしかないわ。

 無残な姿のご報告でした。お粗末さま!

初物・ちりめん葉山椒

 ちりめん山椒を葉山椒で作ったものが好きです。

 辛すぎないし、噛みごたえが優しい。

 酒、だし汁、塩で煮て、醤油とみりんは少しだけ。

 でも、しっかりと佃煮風に塩気強めの味付けにして、ぱらりと炊き切ります。最後は鍋を揺すって汁気を飛ばします。

 こうすると、熱々ご飯に混ぜ込んでもべたつかせずによく合いますし、冷ややっこや揚げだし豆腐にトッピングしても、見た目が美しい。

 ちりめん山椒の混ぜご飯おにぎり、新わかめの味噌汁、竹の子の煮物と、卵焼き。こんなシンプルな組み合わせの献立も大好き。

 ザルいっぱいにあった葉山椒は、加熱と同時に思い切り凹みます。でも、いい香りは残りますよ。

 ちりめんだけ先にふっくら炊いて、後半に葉山椒を加え、一煮して仕上げます。

 パンと一緒に送るため、2,3ビンほど脱気びんづめ。北国山奥のY子さんに、春の香りを届けるために。(クマさんが、冬眠から目覚めたそうです)
 手首を故障して「何もつくれず、ぐやじい〜」N子さんに春飯を届けるために。(手首を固定しているそうです)。

 パンファミリーたちも、それぞれの場で、良いことあったり、悲しいことあったり。同じ春という時空の中で、それぞれみんな違う時間の流れを過ごしているようです。

 山椒を炊く香りを嗅ぐと、しみじみ春の時間の流れを感じます。桜の花は、そわそわするような春の時間ですが、山椒の香りはしみじみした春の時間。

 会えない人たちのことが心に浮かび、どうしているかと思えててしょうがなくなる春の揺らぎ。

 我が家の春の時間をほんの少し詰め込んでみます。

豆味噌でペストリー

 クロワッサン生地の塩を豆味噌50gに替えて、粉はW8・ゴールデンヨット・北海道産薄力粉のトリプル・ブレンドで300g、吸水低く卵1個と牛乳合わせて150cc、砂糖は黒砂糖大さじ3、生地バター30g、折り込みバター150g、中種150g、と、まあ、前振りに配合を書いてどーする。

 けったいな形に成形してみた。折り込み生地の「わ」の部分を断ち切って四角い生地の中に入れてしもうた。

 どんな形におっぴろがって膨らむんだろうか?あちこちに発送するためのパンなので、破損しにくい形にしたつもりなんだけど。

 送る前から破壊的形態になったりして…。

 ともかくこの室温で仕上げ発酵させて、夜にでも焼きあげてみます。

 豆味噌とバターの組み合わせは、とてもよく合いますよ。とても香ばしくて味わい深くて。生地はカフェオレみたいな色黒ちゃんになっちゃうけどね。

 豆味噌もW8(ねこたま粉)も、発酵促進力が強いので、発酵鈍重な折り込み生地をがんがん発酵させてくれます。

 デイタイムで発酵状態を見届けてみますね。

 <教室生徒のみなさんへ>

 中古ですが、お下がりのホイロや食パン型などが、どかんと届きました。(くださった方は几帳面な方なので、きれいな状態です)。まだ、中をよく見ていないけれど、型はパン屋ができそうなほどたくさん、ホイロ(電子発酵機)は、たぶん2.3台くらいかな?土曜日お教室のときに、必要な方はどうぞお持ち帰りください。欲しいものがカチ合うは、ジャンケンポンの恨みっこなしで決めてください。

 とはいうものの、ホイロは重くて手運びできないので、宅急便に集荷に来てもらって自宅に配送してもらうしかありませんね。

 さてさて、今週は比較的あたたかな温度がつづく天気になりそうですね。パン生地の一次発酵もオーバーナイトしやすくなると思います。