台所の置時計が壊れたわ。
15年以上も、台所の時を刻み続けたボロ時計。買った時、千円もしなかったシロモノよ。すぐに壊れると思っていたけど、ずいぶんと長持ちしたわ。すごい性能よね。
壊れる直前に、短い方の針がイカれた。8でもなく9でもない中間部分を差すの。
「今、何時?」
「8・5時10分よ」。
この世の時間とは思えぬ異次元の時間。
面白いので、そのままにしておいたら、ついに長い針の方もイカれだして、長短2本で一体となり、異次元時間を巡り始めたわ。
壊れた時計って、なんだか悲しいね。電池が残っている限り、狂った時間を巡らせ続けるのだよ。
切なくなって、電池を抜いたわ。
狂った針の動きが、ぴたりと止まった。時計は天国に昇って行きました。長い間、お疲れさまでした。どうも、ありがとう。
西友に行って、新しい置時計を買ってきたわよ。これも、千円しなかった。
ピカピカの新品は、正確な時間を刻み始めました。不思議と落ち着かなかった気分が、やっとほっと落ち着きました。
時計と一緒に新たしいパンツも4枚買ったわ。やぶれた穴ぽことレースのスケスケが一体化して、露出度が高くなった蜘蛛の糸のような古パンツを捨てなくちゃ。
プライスタグを切り取るとき、老眼のせいで布部分もハサミで切ってしまう粗相が多い昨今。注意深く切り取ったので、今回は新品をすっぱり切っちゃう失敗はなかった。
時計も正確になったし、新しいパンツも揃ったので。
教室のお菓子を作ったわ。
久々に、シンプルなチョコレートケーキです。
新しい黒いレースのパンツに似ている。