クロテッドクリーム

 苺ジャムの季節と言えば、やはりクロテッドクリームは外せませんでしょ〜。

 バターと生クリームの中間みたいな英国のクリーム。スコーンを注文すると、必ずついてくるカロリー高そうな悪魔的魅力のクリーム。

 マスカロポーネとも違うし、サワークリームとも違うやつ。

 日本でも買えないことはないけれど(中沢とかで出しえいる)、やはり本場モンの感じとはちゃいますねん。

 もう、こうなりゃ自分で作ってみるしかないわよね。

 ということで、試作してみました。

 生クリームを煮詰め、冷蔵庫で数日間寝かせて冷やし固め、布巾に包んで、にじみ出たホエーを絞りおとしたのよ。

 うん、これのほうが「っぽい感じ」ですわよ。

 スコーンとか、ホットビスケットとか、先週のクッキーブレッドに合いそうだわ。

 このクリームでパン生地を捏ねたら、どーなるんだろうか?すごくリッチな生地になりそうな気がするけど。

 でも、まさしくバターでもなけりゃ、生クリームでもない別モノ物体なのよね。どんな生地になっちゃうのかしらね?

 やってみるしかないでしょー。

 (またまた、アホな試作を開始しようとしている私である)。

 

ドーンと

 教室の時には小型のテーブルロールに成形した生地ですが、「その後」は。

 ドーンと丸ごと丸めてつぶし、21cmタルト型にのせて二次発酵させ、アーモンドクリームを上に絞り出して焼き上げました。手間なし成形、一発勝負。

 ケーキみたいに放射線状に切ると食べやすいです。

中種150g以下(30%〜)、小麦粉300g、塩小さじ2弱、砂糖大さじ3、卵黄2個と牛乳を合わせて210cc、無塩バター50g(以上、パン生地の配合)

無塩バター150g、砂糖150g、卵3個、薄力粉50g、アーモンド粉100g、バニラ、ラム酒適量(以上がアーモンドクリームの配合)

 さてさて、オーバーナイトに関してです。

 先ず、前日の午後〜夜に、生地を捏ねて丸めてボウルに入れ、ポリ袋をかぶせて室温で朝まで放置しておきます。(12時間〜15,6時間)

 で、お目覚めの翌日の対応が決め手になります。

 朝、丸め直して(パンチ)、生地温度を計ります。この時期なら、16,7度程度のものでしょうか。

 ところで、一次発酵開始に適正な生地捏ねあげ温度を思い出してみましょう。大まかな言い方ですが、リーンな塩パンなら20度くらい、リッチなものなら25度前後くらいのものでしょう。

 オーバーナイトで冷えた生地をまずは適正な捏ねあげ温度まで持ち込みます。今回のパンはリッチな配合なので、24,5度は欲しいところです。35度の保温へ直行。

 保温しても生地温度は、1時間に2度ずつくらいしか上昇しません。捏ねあげ温度に持ち込むまで、3〜4時間ほどついやします。

 24,5℃ほどの生地温度になったら、本格的に一次発酵の開始です。これは30℃はほしいですね。ということで、お次は30℃のホイロへ直行。オーバーナイトで発酵余力のついている生地は、だいたい3時間ほどで一次発酵が完了します。(これは、リッチな配合の場合で、リーンな配合は、また違うものになります)。

 この後からは、おなじみの分割、成形、二次発酵、焼成です。

 早い話が、朝の生地温度をいかに通常の捏ねあげ温度に持ち込むかの部分が、対応のしどころです。今年の四月は寒いですね。しかし、もし暖かくなり、朝の生地温度が20度ほどあったら、捏ねあげ温度への持ち込み時間がかなり短縮される計算になります。

 さらに暖かくなり、朝の生地温度が22,3度あったら、のんびりなどしていられません。パンチを入れて、すぐに追加の保温一次発酵(30℃)へ移行させます。

 まあ、こんあなじで、オーバーナイトは、その時の気温の変化や生地の配合、そして朝の生地温度によって対応をさまざまに変化させます。

 春と秋はパン生地をオーバーナイト発酵させやすい時期です。慣れるとこれほどラクで合理的なことはないのですが、慣れないうちは戸惑うこともあるかもしれません。

 今日は温かくなりそうですね。オーバーナイトさせても、翌日の対応時間が、かなり短縮できそうです。