ミッシュブロート・その2

 こちらの方が、捏ね→成形→発酵→焼成、つまり一段階の発酵のミッシュブロートです。ごらんのとおり、メタボ腹スタイルにはならず、おとなしく良い子のまま焼き上がっています。

 (お行儀良すぎて、おもろくないわ。)

 (先の画面のミッシュブロートは、通常の作り方と同じに、一次・二次発酵と二段階の発酵をとったものです。こちらは、かなり好き勝手な格好で焼き上がり、内層もかなり好き勝手な気泡になっています。自家消費用でした。)

 このパンの中種は、5日目になっちゃったので、30%どまりにしておきました。温度も32度、少し低めにして、6時間ほどかかるようにしました。(わざと、長引かせたのです)。

 3,4日目種を50%配合にすると、4時間くらいで行っちゃいますよ〜。これから温かくなってくるので、発酵過多に注意が必要な季節の変わり目になりますね。

 ライ麦パンのクラム少々を砕いてライ麦パン粉を作り、次のライ麦パン生地に混ぜ加えると、「バオアーンブロート」。(ライ麦パン粉は同量の水を数時間ほど吸水させてから使ってね。)

 配合粉の3〜5%くらい入れます。

 ほんの少しの配合なのに、ライ麦パンの香りをさらに良くしますし、保水力もつけてくれるので、老化の遅い日持ちの良いパンになるんです。面白いですよね。

 食べ残したライ麦パンは、パン粉にしてとっておきましょう。ライ麦パンも、ちょっとした「裏ワザ」で、微妙に美味しさが変ってくるパンです。

 水で浸したパン粉入れるだけなんだから、超簡単な裏ワザでしょ。ぜひ、試してみてください。(食べ残しのライ麦パンが、もし、あればの話ですが。)

 ライ麦パンは、どんなにライ麦配合が多くなっても、クラムは必ずしっとりしていることと、そして、弾力があることが大事です。クラストには、しっかりとした強めの濃い焼き色がついていることも大事。

 焼き色が乏しく、弾力がない、ただ重たいだけのライ麦パンは、種の状態が適正ではないのです。

 そのような場合は、種のほうに十分な手入れをかけて、熟成した状態にしてから、再チャレンジしてみてください。

 ライ麦パンづくりは、イコール中種づくりが本命です。

ミッシュブロート・今週のパン

 ライ麦粉と小麦粉を半々に配合したライ麦パン、ミッシュブロートです。

 小麦粉の配合のほうが多くなると、小麦=ヴァイッエンミッシュブロートという呼び名になり、ライ麦の配合が多くなると、ライ麦=ロッゲンミッシュブロートとなります。

 ライ麦のパンは、通常の小麦パンとは違う作り方をします。まず、パン種が違います。このパン種に関しては、我らが教室の自然発酵種と原理が同じものなので、種に関しては全く問題なしです。(3,4日目くらいの熟した種を使いましょう)。

 他の違いは製パン過程です。捏ねも短く、一次発酵・二次発酵という二段階のプロセスはありません。

 捏ねたら、即、成形し、32〜35度の保温で発酵させて焼成に入ります。また、ライ麦パンは、発酵時間が短く、発酵判断の許容範囲も狭いのです。

 少しでも発酵させ過ぎると、とたんにボリュームの乏しい焼き縮み状態になります。

 でも、発酵タイミングの判断さえ適正に行うと、これほど簡単でお手軽なパン作りはありませんね。捏ねたら、あとは焼くのを待つだけですから。

 一番大事な発酵判断は、パン種の方です。若過ぎたり、逆に酸化し過ぎた古い種を使うと、焼き色の乏しいものになります。種継ぎ・発酵完了後、3,4日目の種を使うように心がけてください。

 5日目、6日目の熟成種を使う場合は、30%くらいまで使用量をへらしてください。

 ところで、通常のパンのように、一次発酵、成形、二次発酵という手順を踏むと、ライ麦パンのミッシュブロートはどうなるのでしょうか。

 おいしくなるんですよ。

 ただし、50%の小麦のほうに力がついちゃって、焼き上がりは、わき腹が裂けて飛び出す「メタボ腹」パン。(おいしくなるけれど、店での売り物や、人様へのプレゼントにはできませんね。自家消費用オンリーです。)

 でも、一次・二次と段階を踏んで、味を濃くしたかったら、直焼きではなく、ケース詰めして焼成すると、脇腹飛び出しメタボスタイルを回避することができます。

 一次・二次発酵の二段階を踏まずに焼き上げたものは、ストレートっぽい淡白な味になります。ライ麦そのものの風味は、こちらのほうが強いです。

 どちらかにするか…って、これは好みの問題でしょうね。私は、形がいびつでも、二段階の手順を踏んだもののほうが好きなんです。

 つまり、ライ麦ではなく、小麦の発酵風味の深さのほうが、好きなんでしょうね。

 まあ、教室で食べ比べてみて、自分の好きな味のほうのやり方を選んでください。