サルも木から落ちた!

 シクシク…。ビエーン!

 昨日一日、ほぼ完成した玄米麹を放っておいた。まだ熱をホンワカ持っていたのに、熱冷ましの手入れをせずに…。
 夕方まで撮影でドタバタして、夜は夜で酒飲むのが忙しくて、麹の手入れなどするヒマなどなく…。

 すると、外気に触れて温度が下がっている部分は大丈夫だったのですが、麹の底の部分が冷え切らずに、熱がこもってしまったようです。底の部分だけ、「甘酒」状態になってしもーた〜。シクシク…。

 この写真でわかりますでしょうか?玄米麹が水っぽくなって糖化している状態が。甘酒に傾いてしまった玄米麹の底の部分です。写真じゃ、匂いは伝わらないよなあ。写真の匂い、クンクン嗅いでみる?しっとり湿ってしまっています。触ってみる?

 麹の手入れを怠って、熱冷ましをせずに酒を飲んでいると、こういうことになるのですよ。サルも木から落ちるわけです。

 麹作りの数日間は、一日たりとも「熱冷まし」を怠ってはいけない!という素晴らしい教訓でございます。

 底の一部分だけなので、見なかったことにして、これから味噌を仕込みます。でも、酒臭い匂いの味噌になるよ。

 皆さま、酒の飲みすぎには注意しましょう。天罰てきめんなのでございます。味噌まで酒臭くなるんやでえ。

 わかっちゃいるけど、やめられない〜♪

撮影、無事完了

 本日も、楽しいお仕事でした。感謝。

 ありがとうございますー!

 今日の仕事のメイン写真を「春餅」にしましたよ…。

 春餅の小麦粉生地、熱湯で湯捏ねすれば、モチモチの生地。水で捏ねれば、チャパティーみたいなパリパリのクリスピー生地。
 どちらでも、お好みの方をどうぞ。(私は、どちらかと言うと、チャパティーみたいな水捏ね生地が好き。)

 焼成法は、あの例の中華鍋ひっくり返し焼成法!

 生地の配合例は、薄力粉250g、強力粉50g、塩小さじ1、湯または水200cc です。

 生地は捏ねてから、1時間以上、最長1,2日間まで寝かせてから、1個50gくらいの分割で丸め、麺棒で薄くのして、2枚ひと組で焼きあげます。チョー簡単。

 好みの甘味噌を小麦粉生地の皮に塗り、白髪ねぎや好みの野菜や肉料理を包んでいただきます。

 シンプルな簡単料理なんだけど、みょーに美味しいんだよな。ほかに、チキンの甘辛煮や小松菜の辛子漬け、味噌マヨ野菜スティック、ポークマリネなど。

 本日も、お仕事関係者から、「美味しい!」と、喜ぶでいただけたんでやんっす。(当然、試食時は、あの例の毎度のあれでグビグビお楽しみよ〜。)

 撮影時間(昼から夕方まで)、私、間違えて、電話のほうの線を抜いてしまい、カメラの接続ソケットにしていました。(夜になって、やっと自分のアホな間違いに気づいた。慌ててなおしました。)

 その間、電話・FAXとか、パソコンのインターネットとかの連絡を試みてくださった方たち、交信が、つながらなかったと思います。ごめんなさい。私のコンセントの抜き間違いでした。今からOKです。すみませんでした。

玄米麹・仕込みから70時間目

 玄米麹、仕込みから三日目の早朝です。玄米全体のコウジカビの白が濃くなりました。
 まだ、麹はホンワカと温かい熱を持っていますが、昨日ほどの熱ではありません。これで、ほぼ完成です。玄米麹味噌用の大豆も、できあがりました。あとは味噌に仕込むだけです。

 玄米1k分を友麹法で作ると、1・5kほどの麹ができあがります。甘口味噌が好きなら、1・5kの大豆と(豆の半分重量の)塩で仕込みます。
 米麹味噌は簡単で手がかかりません。発酵期間も半年くらいで短いのです。上味の甘味はあるけれど、底味の旨味やコクは弱めです。好みで、味の濃い豆味噌と調合して使うといいでしょう。
 いまは豆味噌が主体なので、玄米麹味噌はさほど多くは仕込みません。田舎の親に送るために仕込んでいるようなものだなあ。(年取っているので、風味の強い豆味噌だけではキツイみたいなんですよ。どうしても柔らかい甘口の米麹の味噌も必要みたいなの。私は豆味噌だけで十分なんですけどね…。)

 本日は撮影なので、麹も豆も置きっぱなしにして、味噌は明日仕込みます。玄米麹も明日には完璧に完成していることでしょうから。

 ちなみに、麹を放っておくと、白いコウジカビが黄色くなる場合がありますが、カビが熟しただけのことなので、全く問題がありません。いえ、それどころか、白を通り越して黄色くなったカビって、すごくコクのある味噌が作れるのですね〜。

 わざと熟させちゃったりして。

 でも、これはあまりマネしないほうがいいかも。調子にのって放置しすぎると、腐らせちゃったりするおそれもありますからね。放置もほどほどに。

 できあがった麹ですぐに味噌を仕込めない場合は、麹に使用分の塩を混ぜ込んで発酵をストップさせて保存するほうがいいでしょう。これを塩切り麹と呼びます。

 塩切り麹にしておくと、麹の状態をある程度の期間、そのままキープすることができます。(まあ、それにしても、早めに使い切ってくださいね。万全策ではありませんから。)

無花果とくるみのパン

 これ、思い通りに写真が撮れなかったです。

 明日は暮しの手帳の撮影でございます。朝からドタバタ忙しくなると思って、本日のうちにパン教室のパンを写真に収めてみたのですが、急ぐと、やっぱー、ダメだね。

 本日から、もうすでに準備で忙しいのですが、今月末に校了の本のことも、この期に及んでまでも、まだ、ありがたいことに原稿書きの司令が入っていていて、ドタバタと・・。

 あたしみたいなね、ただ書きたいだけの人間にとって、これほどありがたい本づくりはありませんわ。自分の力を使い果たしている感じ。つぎへの力は、いまの力を使い果たさないと、つぎ、健全には出てこないもんですよね。母乳みたいなもんですわ。(おっぱいも、溜め乳はダメなんだよ。いつもライブで現在進行形じゃなくては、生きて育つ赤ちゃんのためにはならないのよ。)

 久々に生き生きライブの本づくりの原稿書きやったぜ!お疲れモードですけどね。

 いい本になると思うよ。

玄米麹・仕込みから48時間目

 玄米麹、仕込みから2日目です。

 全体的に白いカビが成長し、発熱してきました。熱を持ち始めたら、全体をかき混ぜて呼吸をラクにしてあげます。そして、置き場所を涼しいところに移します。(暖房のない部屋など。)

 プーンと良い香りを立ち昇らせています。二日目の仕込み麹は、お酒のような匂いです。(失敗したものは、良い香りではなく、お父さんの靴下のような臭いになります。匂いも大事な判断材料です。)

 後、もう一息です。明日か明後日には完成します。今は寸胴鍋に入れていますが、このあとも熱を保持するようなら、飯台など呼吸がラクな容器に移し替えて、熱を少し下げ気味にします。

 このへんの手加減が大事です。熱を持ち始めたら、放うっておきっぱなしはあきまへんのやで。
 熱のせいで、器の内側や蓋に水滴がつくので、麹に落ちないように、汗を拭いてあげます。(水滴で濡れると、腐敗に進む場合もあります)。

 麹の相手をしながら、「無花果とくるみ」のカンパーニュを焼きあげました。今週のお教室パンのサンプル写真撮り用です。うまそ…。まだ、熱いのでカットできないけれど、後ほど掲載します。

 今日は雪の予報が出ているんだけど…。雪、降るのかなあ。

玄米麹・仕込みから24時間後

 昨日の仕込みから1日近くたった玄米麹です。

 すでに、米麹の赤ちゃんカビが、玄米の表面に薄っすらと白く出芽しています。成功間違いなしです。イケイケ!がんがん育て。

 仕込みの蒸し段階で(含有水分が多すぎて)、玄米の状態が適正ではなかったら、玄米は、甘酒みたいにべちょべちょし始めます。(出芽しません)。

 24時間以内に、成功か失敗かの分かれ道の判断がつきます。

 初期的な出芽をしないべちょべちょ玄米は、そのあといくら保温や保湿をしても、麹にはならずに、どんどん甘酒になっていくだけです。

 もし、そうなっちゃたら、居直って甘酒にしてください。甘酒だって、とても役立つ調味料です。甘酒にするには水分を増やし、60度保温を8時間ほど行います。甘酒で漬ける大根のべったら漬けは美味しいですよ。ですから、失敗しても、失敗とは考えずに、「甘酒を作ったんだ!」と考えるようにしましょう。(無駄に捨てるなよ。)

 玄米麹は本日から明日にかけて熱を持ち始め、明後日、水曜か木曜にはフワフワの白い羽毛に抱かれた玄米麹として完成します。それまでに米麹味噌用の大豆を煮ておかなければ…。

 かたや、同時に豆味噌麹も仕込んでいます。豆味噌は味噌づくりというよりは、むしろ、醤油づくりと同じような大豆の扱いです。大豆の含有水分を40%代にしておきます。

 こちらの方の大豆は今回3k蒸しました。これから種付けです。

玄米麹づくり開始

 ゲラの朱入れも済んで、本日休業をゲット。少々お疲れモードなので、ゆっくりと玄米麹でも作りながら、心身を休めます。
(仕事疲れではなく、単なる飲み疲れでは…という話もある)。

 玄米はフードプロセッサーに30秒ほどかけて、表面に傷をつけます。(吸水を良くして、蒸しやすくするためです)。

 よく洗った後、半日ほど浸水し、ざるにあけて1時間ほど水切りした後で、1時間ほど蒸します。この蒸し加減が大事です。
 芯が残らない(食べられる)くらいまで蒸すのですが、パラパラしている程度まで。でも、手でギュッと握るとおにぎりができるくらいの状態です。杓文字でかき混ぜると、パラパラと音がします。普通の玄米ごはんのように粘ってしまってはダメです。

 蒸し上がったら、飯台に取り出して余分な蒸気を逃がし、人肌まで冷まします。

 そこに市販品の米麹を1割ほどほぐして混ぜ込みます。出来上がっている麹を少し使って種麹にするのです。これを友麹法といいます。米が1kなら混ぜる麹は100gくらいで十分です。

 混ぜたら、あとはふたつきの鍋に入れて、ふたをして、南側の温かいお日様の当たる場所に置いておくだけです。翌日くらいには米麹の白いカビが出芽し始めます。玄米麹が完成するまで3,4日間ほどかかるので、その間に大豆の方を用意して、玄米麹味噌作りの準備をします。

 あえて保温や保湿はしません。生活温度(22,3度)くらいの場所に放置しておくだけです。ときたま、全体をゆすって、菌を均等に回し、呼吸をラクにしてあげます。出芽し始めたら、熱を持つので、水滴がおちないように蓋の下に布巾を当てたり、かき混ぜを頻繁に行います。

 自家採取している豆味噌のほうのコウジカビは、たぶんアスペルギルス・タマリ菌だと思います。ソイヤ菌のほうはうまくいかなかったので断念。お米の市販麹はアスペルギルス・オリゼ菌なのでしょうね。

 このアスペルギルス属の菌は、むちゃくちゃ面白くて複雑です。種類もすごく多い。
昨今、私が凝って、はまりまくっているのは、このアスペルギルス属の生態系です。醤油や豆味噌や麹類を作る菌です。アスイペルギルス属の菌は数千種類もあるのですが、何種類かの菌は、人間に悪さをするものもあります。

 比べて、パンや酒づくりの酵母菌は、めちゃ単純な菌で、生態系も分かりやすく、まったくつまらないです。何をどうやればこうなる、みたいな路線があまりにも簡単でワンパターン単純なアホ菌。扱いが簡単で、どこにでもいるから、原始のころからパン作りや酒づくりが、人類とともに発生したわけです。でも、人類が一番大きな恩恵を受けているのが酵母菌ですね。世界各国、どこでも年中活躍しています。

 麹菌は寒い季節に活躍します。麹を使う発酵食はいずれも寒仕込みのものばかりです。ぬくぬくした春が来る前までに、目一杯、コウジカビで遊びます。

ヨモギの平パン

 なんじゃ、これは?失敗作か!?

 いーえっ、失敗作ではございません。ヨモギの平焼きパンです。例の中華鍋ひっくり返し焼成法でチャパティーみたいに豪快に焼きあげました。

 ヨモギがプーンと良い香り。春を待つ気の早いヨモギパンです。

 手で引きちぎって、お好みの甘味噌をちょいとつけていただきます。(あんこでもいいな…。)
 ぎりぎりセーフで、やっと写真が撮れました。ゲラの校正が入っていて、朱入れして返送作業したり、加筆原稿をメール送付したりで、本仕事のラストスパートの本日でした。パン作りしながらだから、こまねずみのようにチョロチョロ動き回る一日でした。

 明日も寒そうですね。風邪引かないように、気をつけていらしてください。

しばれてます・冷凍ヨモギ

 雪のあとなので、凍てつく冷たい風が吹く昨日今日です。しばれるなあ。

 昨年春の冷凍ヨモギ。森本さんが「はよ使ってしまわんと、今年のがでてしまうー」と、送ってくれました。みんなの分まで、どかーんと山ほどあるよ。

 明日の教室で、ヨモギパンをやりましょう。ヨモギパンは、中華鍋ひっくり返し焼成法での平パンにするのが美味しいですよ。焼き色の香ばしい部分とヨモギの香りがマッチして。甘味噌を薄く塗ると最高ですわ。

 緑色のもの(ヨモギだけではなく、たとえばホウレンソウとかも)を酵母パン生地に配合するときは、一次発酵を保温で迅速に進めます。時間をかけすぎると、生地の酸化のせいで、きれいな緑色が退色してしまいます。
 せっかくの鮮やかな緑を色美しくとどめるため、発酵の早いパンに仕立てるのがいいのです。

ブリオッシュ生地で

 昨日の雪はウソみたいにとけてしまい、本日は打って変わってギンギンギラギラのお天気です。

 春のような眩い光ですね。

 この前の教室のクグロフ生地(ブリオッシュ生地)はちゃんと焼き上がったでしょうか?毎度おなじみの「オーブンレンジ白焼きヴァージョン」だったでしょうかねえ?

 この際、居直って、わざと白焼きにするという手もありますよ。ガスオーブンの場合は、ファンを止めて、下火だけの焼成で行います。(ソフト仕上げのモードを使います)。
 フルーツを入れないプレーンな生地を棒に成形して、茶色い焼き色をつけないようにして焼きあげます。冷めたら中央に切れ目を入れて、バタークリームを詰めます。

 こんなパン、よく見かけるでしょう?コンビニとか街のパン屋さんとかで。

 ゴクッ!ときたま、食べたくなるんですよね〜。でも、あの菓子パン1個だけを買うのは、49歳のオバサンとしては…若干の勇気が必要だな。(若い娘っ子ならともかく)。なんとなく、年相応に所帯じみたパンも買わないといけないような責務に苛まれるわけよ。家には腐るほど(コウジカビが生えるほど)パンがてんこもりだというのに。
 で、わざとサンドイッチも買って、家で一人しょぼしょぼと食べるわけ。なんで、ここまで見栄を張るのかと思いつつ。

 ブリオッシュ生地は必ずしもケース焼きしなければいけないというわけではないので、シンプルな形に成形して、直焼きしてもいいのです。生地2,3個分を取り分けて、甘ったるーいクリームパンを作って、やはり、一人しょぼしょぼ食べるのでございます。やってみなはれ。春の乙女のお味ですわ。