ゲラの朱入れも済んで、本日休業をゲット。少々お疲れモードなので、ゆっくりと玄米麹でも作りながら、心身を休めます。
(仕事疲れではなく、単なる飲み疲れでは…という話もある)。
玄米はフードプロセッサーに30秒ほどかけて、表面に傷をつけます。(吸水を良くして、蒸しやすくするためです)。
よく洗った後、半日ほど浸水し、ざるにあけて1時間ほど水切りした後で、1時間ほど蒸します。この蒸し加減が大事です。
芯が残らない(食べられる)くらいまで蒸すのですが、パラパラしている程度まで。でも、手でギュッと握るとおにぎりができるくらいの状態です。杓文字でかき混ぜると、パラパラと音がします。普通の玄米ごはんのように粘ってしまってはダメです。
蒸し上がったら、飯台に取り出して余分な蒸気を逃がし、人肌まで冷まします。
そこに市販品の米麹を1割ほどほぐして混ぜ込みます。出来上がっている麹を少し使って種麹にするのです。これを友麹法といいます。米が1kなら混ぜる麹は100gくらいで十分です。
混ぜたら、あとはふたつきの鍋に入れて、ふたをして、南側の温かいお日様の当たる場所に置いておくだけです。翌日くらいには米麹の白いカビが出芽し始めます。玄米麹が完成するまで3,4日間ほどかかるので、その間に大豆の方を用意して、玄米麹味噌作りの準備をします。
あえて保温や保湿はしません。生活温度(22,3度)くらいの場所に放置しておくだけです。ときたま、全体をゆすって、菌を均等に回し、呼吸をラクにしてあげます。出芽し始めたら、熱を持つので、水滴がおちないように蓋の下に布巾を当てたり、かき混ぜを頻繁に行います。
自家採取している豆味噌のほうのコウジカビは、たぶんアスペルギルス・タマリ菌だと思います。ソイヤ菌のほうはうまくいかなかったので断念。お米の市販麹はアスペルギルス・オリゼ菌なのでしょうね。
このアスペルギルス属の菌は、むちゃくちゃ面白くて複雑です。種類もすごく多い。
昨今、私が凝って、はまりまくっているのは、このアスペルギルス属の生態系です。醤油や豆味噌や麹類を作る菌です。アスイペルギルス属の菌は数千種類もあるのですが、何種類かの菌は、人間に悪さをするものもあります。
比べて、パンや酒づくりの酵母菌は、めちゃ単純な菌で、生態系も分かりやすく、まったくつまらないです。何をどうやればこうなる、みたいな路線があまりにも簡単でワンパターン単純なアホ菌。扱いが簡単で、どこにでもいるから、原始のころからパン作りや酒づくりが、人類とともに発生したわけです。でも、人類が一番大きな恩恵を受けているのが酵母菌ですね。世界各国、どこでも年中活躍しています。
麹菌は寒い季節に活躍します。麹を使う発酵食はいずれも寒仕込みのものばかりです。ぬくぬくした春が来る前までに、目一杯、コウジカビで遊びます。