ブクブク

 新ショウガが、旬の盛りを迎えたようで、とても安くなりました。

 走りのころはg当たり168円だったものが、今はg100円くらい。

 かつての「17歳・初恋」のような初々しいお姿は、今や「35歳!脂がのり切っています」という熟女のお顔に成長。髭根まで生えてきました。みずみずしさが減少した分、味が濃くなっていますよ〜。ゲットするなら今です!

 今シーズン、最後の新ショウガ仕込み。1kほど買いました。今回は、ブクブク発酵した梅シロップで、ショウガスライスを漬け込みました。(もちろん、他に蜂蜜やレモン汁も加えました)。

 確信犯。

 酵母が着いてしまった梅シロップで漬けたので、即、ブクブク泡吹いています。これは確実に梅&ジンジャーのミードになります。

 以降、下戸と車の人は、当教室のジンジャーエール禁止です。

 ちなみに、ショウガの加工品は年中作れます。根ショウガでも同様に作れるので、焦ることはありません。

 根ショウガ。これは50歳くらいかな。脂ののりもおさまって、ほどよく完熟しています。脂枯れか?

 新ショウガより、アクもでんぷん質も強いので、扱いは、ほんの少し変わります。まあ、ショウガとしての力強い旨味は、新ショウガよりも、中年ショウガですよね。

 その上、新ショウガより、ずっと安いしね。年中あるし。色、くすんでるし。あちこち、茶色いシミもありますし。カビも生えやすいし。

 けっ!

 構わんでくれっ。

 

夏野菜おでん

 これを「おでん」と呼んでいいものか否か。

 おでんらしい「煉りもの」は何一つ入っていないのです。笹蒲鉾くらい、入れておけばよかったなあ。

 でも、「塩味仕立ての夏野菜おでん」というつもりで作りました。

 ゴボウ、人参、大根は、そぎ切りに近いくらいの薄い乱切り、下ゆで。

 こんにゃくは薄いそぎ切りにしてゆでてアク抜き。高野豆腐は戻してそぎ切り。

 昆布と干しシイタケを勝たせたかつおだしを引いて、塩、酒、みりん、白醤油少々で潮汁よりも、少ししょっぱいくらいのお汁で一煮。

 冷たくしていただいても美味しいように、さつま揚げなどは入れるつもりなかった。ことこと長時間、煮込むつもりもなかったので、材料は全部薄く、うす〜くカット。

 出版パーちーの祝い酒に、素晴らしい日本酒をいろいろいただいちゃいました〜。質の良いウマい日本酒と塩(粟国の塩)で、シンプルに味付けする料理が大好きです。

(私、ガバガバと飲める酒は赤ワインだけ。他のお酒は、チビチビと、ほんの少しだけです。実は、ビールすらも、グラス半分で十分なのです。常日頃から、大酒呑みの飲んだくれと豪語し、あちこち吹聴している割には、多岐にわたる実力?が伴っていないのです)。

 塩という一番シンプルな根源的な調味料の素晴らしさと力を感じる料理。夏は、やっぱ、塩味が大事だな。

 こんな季節になると、パン種の不調を訴えてくる人が増えるのです。たいがいは、酵素活性の季節変化(変動)についていけずに、戸惑っている感じが多いです。ドロドロデレデレになりやすくなるのよね。

 アドバイスは。「中種を二つに分けて、一つは冷蔵庫に入れっぱなしで様子を見る。もう一つは、種継ぎをして保温でイカせて発酵状態を見る。二つの実験で種が、時間(放置)を欲しがっているのか、または、保温(手間掛け)を欲しがっているのか、比べて判断する」ということです。

 とどのつまりは、自分の自力で判断しなくてはいけないのです。たいがいは、二つのうちのどちらかで判断がつき、自力で改善策に向かえるようになります。

 あと、もう一つの方策は。

 元種を二つに分けて、一つは通常通りの維持法で、もう一つの方には「塩」(1%くらい)を混ぜて維持してみる、という方法もあります。

 ほんの少しの塩の配合が、酵素活性を抑制したり、グルの骨格になって気泡維持が堅固になったり、酸味や雑味を抑えたりします。

 もし、元種が「塩」を望んでいるのであれば、塩を加えた状態で維持すればいいのです。質の良い海塩(たとえば、粟国の塩)は、ナトリウム以外にも多種多様な元素を豊富に含んでいます。(つまり、ニガリです)。

 塩の持つミネラルバランスは、パン種の酵素に働きかけ、腐敗を防ぎます。塩という材料は、小さくても(少なくても)巨大な縁の下の力持ちです。

 このように、塩の底力を種維持に使うというのも、夏の知恵です。
 

ゴーヤリング揚げつくね

 150gしかないトリ挽肉を野菜でかさ増し。とりあえず、これで晩飯の一品に。

 輪切りゴーヤの種をくり抜いた中に、つくねの具を詰め、片栗粉パッパパとまとわせて油で揚げるだけ。

 ひき肉に、みじん切りの人参、さやいんげん、ネギ、ショウガ、青紫蘇をまぜまぜして、卵白、片栗粉、酒、醤油、塩、コショウを各少々ずつまぜまぜ。これが具。

 揚げたては、このままでも美味しい。

 温め返す場合には、フライパンに、醤油、みりん、酒、砂糖を煮溶かして、両面にからめ付けると、焼鳥屋さんのつくね味。赤トウガラシなどを振りかけてもいいですね〜。

 片栗粉をまぶしているので、タレのからみもいいですよ。

 今日は蒸し暑いので、焼鳥屋さん風の甘辛味にしたいです。(これは食べる間際に)。

 ゴーヤのリングが、楽しげで可愛らしい。揚げると、苦味も和らぎます。小さな子どもも喜んで食べてくれるかもしれません。うちは、もう、小さくないのでわからんけれど。

 うちの娘、子供のころはゴーヤが嫌いでした。これは、私のせいです。昔読んだ本に、ゴーヤの葉を風呂に入れると、アセモに効くとかいてあったのです。

 葉が効くなら実も効くだろうと思って、風呂をたくときにゴーヤを何個か浮かべてみたのです。幼いころの娘は、夏になるとアセモができていて、痒がってかわいそうだったので。

 しかし、風呂に入った娘は、裸のまま顔面蒼白で飛び出してきました。

 「お風呂の中で、緑のワニが泳いでる!」涙目で怖がって震えていました。

 以来、娘はゴーヤが大嫌いになりました。(今は喜んで食べます)。

 みなさん!ゴーヤは、料理に使いましょう。バスクリン代わりにしてはあきまへん。風呂に浮かべると、ゴーヤは怖いワニになるのです。

糠漬け大根で速攻カクテキ

 食欲が減退する気候になると、なんとなく、キムチっぽいものが欲しくなってくるみたい。

 ということで、今回は5分で作れちゃう「カクテキ」、糠漬けからの転用です。

 ほどよく漬かった大根の糠漬け500gをサイコロに切り、ポリ袋の中に入れます。

 ナンプラー、醤油、みりん、酢、オイスターソース、韓国産赤唐辛子粉、みじん切りニンニク、みじん切りショウガを各小さじ1ずつ、ポリ袋の中に入れます。(調味料は使い過ぎるとくどくなるので、小さじ1ずつの少量です)。

 袋の口を握り、袋ごとごしごしとしごいて出来上がり。糠漬け状態の大根なので、すぐに食べられます。

 いただく必要分を取り分けたら、ポリ袋ごと冷蔵庫で保存。保存期間が長くなるほどに、キムチ風味も深まってきます。

 試食担当部長が、あっさりとだまされました♪「すごく美味しく漬かったカクテキだね」ですって。

 あら、これ、糠漬けよ…と言っても、「えー?」。

 糠床の旨味とキムチ調味料は、とても相性が良い味の組み合わせです。普通は4%塩で下漬けした野菜をキムチに仕込むのですが、塩漬けの代わりに糠漬け。

 これ、本当によく合いますよ。

晴れた日にはズッキーニ乾し

 ズッキーニは意外に水分が多く、煮崩れしやすい野菜です。

 晴れた日には、ズッキーニを輪切りにしたり、縦に切ったりして、盆ざるに並べて天日干し。すると、半日〜1日くらいで、かなり水分が飛び、実がしまってきます。

 私の腕くらいの太いサイズ、でっかいズッキーニは、ごらんのとおり(写真じゃ分からないか?)赤ちゃんくらいのサイズに凝縮されます。

 これを炒める・揚げる・煮る・焼くなどの料理に使うと、味も濃く、歯ごたえも良くなり、煮崩れしにくくなるんですよ〜。

 ほんのちょっとした簡単な一手間で、もう断然違うんだから〜♪

 昨日の教室では、このズッキーニのフライをトマトと共によそいました。ハーブソルトをふりかけただけのシンプルなフライでしたが、「すごく美味しい!」と好評。

 「どうやって作るの?」ですって。・・えへへへへ。ベランダの軒下に放ったらかしておき、ちょいと萎びらせただけなんですけどね。

 1日採り忘れただけでも、でーっかくなっちゃうズッキーニ。干すだけで、とても料理しやすい素材に変身します。

 ちなみにカラカラになるまで完全に干すと、切干大根のように保存性が良くなります。

 大きくなり過ぎたズッキーニは(たぶん商品価値が下がるの?)安いですよね〜。縦切りにして、上部に箸で穴をあけ、穴に紐を通して軒下などにぶら下げておくと勝手に乾きます。(そして、小さくなります)。大量にあるときには、ザルに並べるとスペースを取ってしまうので、このように「ぶら下がり乾燥法」で。のれん代わりになって、調度いい。

 必要に応じて水で戻して料理に使います。

 ということで、特売格安の「でっかくなりすぎたズッキーニ」、さあ、買った買った!

水キムチ花びら仕立て

 よそゆき顔で、ちょいとおすまししたキムチです。

 これも、昨日の教室の料理。

 正月菓子の花びら餅の姿を真似しました。

 薄切りにした大根、短冊の人参やきゅうりなどを酢と塩を混ぜた水につけてしんなりするまで下漬け。

 野菜を取り出し水きりして、大根の上に短冊を置いて二つ折り。容器に並べます。

 白醤油、酢、ナンプラー、塩、みりん、ニンニク、ショウガ、唐辛子、だし汁(または水)を混ぜ合わせた漬け汁に1日ほど漬け込んで出来上がり。

 実は、茹でごぼうと紅ショウガも中の具にしようとしたのですが、欲張ると花びらがデブになりすぎちゃって、食べにくい。やむなく、中はニンジンとキュウリの短冊だけになりました。

 キムチ漬け以外では、甘酢漬けにしても合います。酢のものが美味しい季節です。

 薄切り大根で具を包む料理は、見た目が涼やかなので、これからの季節には大活躍します。たとえば、薄切り大根をさっと湯通ししてしんなりさせ、青紫蘇と梅肉和えのしらす干しを折りたたんでみたり。硬めに練り上げた甘味噌を具にしたり。辛子明太子とも、よく合いますし。

 コトコトゆっくりと煮込むのは冬大根のお料理です。夏は薄切りにして、さらっと涼しげなお料理にする方がラク。

 大根は体の熱を冷ましてくれる野菜なので、高温多湿の時期こそ、たっぷりといただきたい野菜ですね。

 薄氷のように色白のべっぴんさん大根。工夫次第で大いに活用できます。

たたきごぼうきんぴら

 地元・国分寺野菜のゴボウが出始めたので、野生的な料理を。

 とはいうものの、きんぴらごぼうなんですけどね。

 土を洗い流したものを麺棒でガンガン叩きまくり、大きめの部分は包丁でぶつ切り。

 水さらしせず(アクを抜かずに)、即(ごま油で)炒め、醤油・みりん・酒で味付け。

 こんな粗野な作り方の方が、地元の土の味と香りが生きるのです。

 今の時期の新ごぼうは柔らかいし、アクも少ないです。

 細く切り刻みたくないし、水さらしもしたくない。

 だから「そのまんまきんぴら」に。

 人参すら入れていません。赤いのは糸唐辛子。

 叩きごぼうの不揃いさが無愛想。見た目は悪いのですが、不揃いな歯ごたえが、逆に美味しさを引き出します。

 やってみなはれ、簡単ですから。ぶったたけばいいだけ。(木端微塵にはせず、手心を加えてぶっ叩くのですよ。粗野と兇暴は違います。)

お教室

  梅雨時とは思えないような青空です。

 暑くなりそうですねえ…・。差し替え生地、発酵オーバーにさせないように気をつけなきゃ。この分では、真夏日の生地扱いだな…。

 玉ねぎ&ガーリックのパンをやります。

 リーンな生地なのですが、玉ねぎの糖分などが混入するせいで、プレーンなものほどは難しくはありません。オーブンレンジの場合でも、よい焼き色が着きやすいと思います。

 季節の変わり目。不安定な時期には、少しハードルを下げた方がいいんですよね。無理は禁物、焦りは不要。

 フランスパンなどを失敗した場合には、「季節が悪い」(=わたしゃ悪くない)というくらいの気持ちで、不安定な季節を乗り越えましょう。

 本格的に暑くなると、もはやパンとは呼べないような酵母焼き菓子のアイテムも登場します。

 つらい暑さを逆手にとって、酵母使い回しの幅の広さを楽しめる季節になります。

 とは言うものの、道中、熱中症なんぞにくれぐれもお気をつけていらしてください。日傘か帽子が必要になりそうな、キラキラお空ですよ〜。

さやごとの浸し豆

 一見、何の変哲もない枝豆の塩ゆでに見えましょう?

 ところが、違うんだな〜、これが。

 見た目は枝豆、でも、実は「さやごとの浸し豆」なんですよん。

 質の良い日本酒、国産材料本醸造のホンモノの醤油、めんつゆ(醤油、みりん、だし汁各同量を煮切った調味醤油)、粟国の塩を混ぜ合わせた調味液をからめてあるんです。

 これをポリ袋に詰めて、一晩冷蔵庫で寝かせると、塩ゆで枝豆とは一味違う枝豆になるんです。もし、酸味が少しほしければ、いただく間際に酢少々もからめます。(ポリ袋から出す前に、袋の中に酢をたらして振り回します。最初から酢を入れると、翡翠色の美しさが退色してしまいます)。

 浸し豆って、お酒のおつまみに最高なんですが、あれ、食べにくいと思いません?箸の先で一粒ずつつまむのが、まどろっこしくなってくるの・・。(あ、私だけか?)

 でも、まさか、スプーンやフォークで食べるなんて、粋じゃないですし。

 で、思いついたのが、「さやごとの枝豆で作る浸し豆」です。

 これなら指先でつまんでいただけますでしょ。先週、教室で、とても美味しい日本酒をいただいたので、明日のパ〜ちー料理の一品として今、仕込んでおきました。

 枝から切り離したさやごとの枝豆は、ポリ袋に入れて袋ごと塩もみするとラクです。少なめの熱湯で3分湯がいたら、ざるにあけ、うちわでパタパタ急いで冷まします。

 ある程度冷めたら、調味液を回しかけて、一晩冷蔵庫で、おねんねさせます。(すぐに食べると、普通の塩ゆで味しかしませんよ。明日ですからね、明日!)

 さて、林弘庵ひろりん亭の開店準備も押し迫ってきました。これから買い物に出ます。しかし、暑いよなあ…。

 あの〜、今もうすでに、枝豆つまみながらビールを飲みたいんですけど…。

糠漬けきゅうりきんぴらチャーハン

 そこまで悪ノリするか?

 はい、写しちゃいました〜〜。これが、おいちい「糠漬けきゅうりきんぴらチャーハン」です。

 だって、だって、ホントにマジ美味しかったんだもーん。自称・小食のくせして、お茶碗2杯も食っちゃいました〜〜〜。

 あー、こんなにウマいなら、もっと早く試作しておけばよかった。

 きゅうりちゃんのシコシコカリカリシナシナが、たまりませんわー。

 はい、アーンして、アーン。

 糠漬けきゅうりのきんぴら以外には、ニンニク、ショウガ、赤トウガラシ、ナンプラーが隠し味です。ちょいとピリ辛。(人によっては辛すぎかも)。ごま油で炒めるのが合います。

 暑さと湿気で怠けていた食欲が、急に目覚めた感じ。

 糠漬け持て余して困っている方は、ぜひ、お試しあれ〜。(しっかりと水気は絞ってくださいね。スクリュープレッシャーの漬物器は、ホームセンターなどで買えます。高くはないですよ。小さめのものでしたら、千円以下、数百円で買えます。一夜漬けや水きりなどで大活躍しますので。水きりの時は、逆さまにしておくのが便利です)。