赤大豆

 まるで小豆のような色の「赤大豆」なるものを見つけ、初めて煮てみました。

 なーんにも考えずに煮てしまったあとで、豆腐にするほうが、きれいな赤色が出たであろう…と後悔。

 一袋、全部煮ちゃったわ。豆腐にはならん。

 そろそろお豆さん仕事の開始季節ですね。とりあえず、スターティング試運転で、玄米麹づくりから行います。

 で、麹ができたら、その次は玄米味噌づくりね。豆味噌仕込みは、そのあと。こいつはちょいと手ごわいからね。

 手作り麹の自家製味噌は、本当にうまいよね。しかし、麹や味噌づくり以前に、「味噌置場」の場所を確保するため、爆撃直下のような部屋をかたずけなければいけない。

 麹づくりより、豆味噌づくりよりも、多大な難関でございます。

 難問の掃除は棚上げしておき。今朝は、鰹節削りからスタート。

 そうよ。鰹節屋のオバチャンみたいに、シャーッ、シャーッとかっこよく、涼しい顔で削れるようになりたいのです。だから、練習よ、練習!特訓あるのみ。

 まだまだ、ぎこちないわ。削る形相は、大工仕事をしているようなムードだし。

 鰹節をシャーシャーと上手に削れる女は、メチャかっこいいんだぜ。わたしも、絶対に上手になりたい。

 鰹節削りから料理をスタートさせると、日常の料理でも、褌が引き締まる思いがいたします。

 なんと申しますか、気合いが入るというか。すごく幸せ。鰹節削りから、とてもいい匂いが立ち上ってくるの。作り手冥利に尽きますわ。食べるだけの人には、この幸せな香りと幸福感、たぶんわからないと思う。

 料理って、味や栄養や見た目だけではなく、モノではない何かが大事なのかもしれない。「気」みたいなものかな?五感以外のもの。

 この何か分からないものが注ぎこまれれば、ご飯とみそ汁と漬物だけの食事でも、本当に豊かな食事になるんじゃないかしら。

 憧れるものは豪勢な料理でもなければ、ハイカラなディナーでもない。とりすました日本料理でもないしね。

 簡素でシンプルだけれど、豊かなもの。豊かさだけは、金では買えないわ。どこの店にも並んでいないしね。

 自分の価値観の基軸を大事にして、本当の豊かさを生みだして育てるしかないんでしょうね。

 ささやかな日常の中で、豊かさを育みたいものです。

勝負パンツ

 以前、娘にプレゼントしてもらったステンレス製の鰹節削り器が、削りにくくなってしまった。

 これは刃研ぎが効くものではなく、泣く泣く諦めなければいけない。やはり、買い換えなくちゃ…。さようなら、福沢諭吉っつあん。

 ということで、本日は、いざ、立川の鰹節屋さんに出陣。

 「刃研ぎのきく鰹節削り器くださーい。あと、本枯れの腹と背1本ずつと、アゴ1袋と、枕崎の鰹節削り100gくださ〜い♪」

 職人さんが、ビミョーに刃の具合を調整してくれて、無事入手。万歳!

 やった〜!嬉しいな〜♪新品だぞ!

 やっぱ、ここぞの料理のときは、削りたての本枯れ節を使いたいもんなあー。私にとっては、勝負パンツみたいなもんだも。

 削りたては風味が違うよなあ。

 女心のランジェリー。そして、かつお削り節器だ。

 そそ、そーよ。削りたてはランジェリー、削ってあるのは木綿のパンツ。これくらい違いがあるわね、料理に使うと。

 でもね、私、あまり上手に削れないの。粉っぽくしちゃうのよ。職人さんが、わざわざ微調整してくれても、粉っぽくなっちゃうの。

 鰹節屋のオバチャンなんか、すごいよー。まるで、カンナくずか、紅の花びらかのように、ヒラヒラに削るんだよ。うらやましくてたまらない。

 鰹節削り器も新調したし、おせち料理づくりに向けて、これから鰹節削りの猛特訓を開始いたします。

 勝負だっ!

 ♪女ごころのランジェリ〜、木綿のパンツは母ごころ〜♪♪

 本日は、本枯れ節の歌で〆てみました。

いつもの食材オードブル仕立て

 原則的には地元の産物野菜をメイン料理にしているので、うちの料理ってジミ〜なんです。

 でも、この時節になると、ほんの少しでも華やかにして、キャハッ♪と、喜ばせたい気持ちになるのよね。

 毎度おなじみの小松菜は生ハムに包み、地卵の出汁巻きは海老に刺してピンチョスに。スモークドサーモンは、酢飯を潜ませて小手毬おにぎりに。

 大根の糠漬け、山ゴボウの醤油漬けも、いつもと切り方を変えて飾りました。

 ほかには、やはり、いつもの惣菜を用意しちゃって、お重箱に4枚。春菊の胡麻和え、水菜の油揚げ、カリフラワーのマスタード和え、赤カブ酢の物、五目ひじき煮もの。これは普段のもの。ぜんぜん、おしゃれしていない。まったくもって、いつもどおりだ。

 で、メインディッシュは…というと。

 1本100円のでっかい大根で、「ふろふき大根」ときたもんだ。

 メイン料理が、大根つーとこは、やはり国分寺というか、私んちだなあ・・と。

 自分でも笑えくる教室開始1時間前。

 オードブル、いくら頑張っておしゃれしても、やはり、今日もいつもどおりの大根料理なんだわ。

 フランスパンには、しょせん、合わないんだな、これが。

 ちょいと時間が空いて手が空いたので、写真撮りのダウンがてらに、更新画面のアップでした〜。

お教室でございます

 お教室でございます。

 エルブドプロバンスの香りたっぷりのねじりねじりフランスパンと、クリスマスケーキのブッシュ・ド・ノエルをやります。

 11月も終わりだというのに、なんとなく生暖かいですね…。

 あまり、クリスマスムード出ないんですけど。

 切れないよ〜と騒いでいた「はちゃめちゃデコレーションの恵方巻きケーキ」を切ってみた画像です。

 マグロのぶつ切りと申しますか、乱切りと言うべきか。

 カットしたものも、当然、はちゃめちゃなサイズでして。

 これはこれで、どこか愛嬌があって、めんこいなーと思い、写真撮影。

 切れば切れるもんだ。(私は外科医になってはいけない)。

 試食前の時間に、今もってまだ、デザインの決まらないケーキづくりを行います。

 お気をつけていらしてください。

ねじりねじりのフランスパン

 つむじ曲がりなのか、根がひねくれているのか…。

 ねじりねじりしたものが好きです。

 このパンも、ねじりねじり。

 無造作、無作為で、雑な感じの成形がイイわ〜。キラク〜♪

 フランスパンの中では、一番ハードルが低いんじゃないかしら。

 ハードル低いもの好きだわ〜。ハードルが高いと、私って…、その下をくぐってしまう人間なのよ。身の丈に合った低さした飛べないのよね。

 棒状に成形した生地の中央に切れ目を入れて、手綱こんにゃくを作るのと同じ要領で、生地の片側だけを何度も切れ目に突っ込んでいくの。

 ぐにゃぐにゃぐにゃ〜っと。

 すると、グネグネした細長いリングになって…どれもこれも、全部違う形になるの。

 この不揃いな好き勝手な形が、これまた好感持てるんだなあ。

 ともかく、このパンは大きかろうが小さかろうが、細かろうが太かろうが、好き勝手に作ってください。

 不定形。不節操。不摂生。

 嗚呼、なんて素晴らしい響きでしょうか。

 今週の教室パンです。

オーブンのこととか

 今年のクリスマスケーキのデコレーションは、マカロンと白樺チョコとアラザンをディスプレーすると決めていたんだ。

 イメージは冬の森の木立ち。

 自分で何かを決めておかなければ、あれもこれもこれもと欲張りになって、結局は何も作れなくなっちゃうからね。

 (多少の拘束や枠組みも、自由制作物にとっては必要不可欠悪です)。

 今回、いじめられちゃったのは、マカロンづくり。

 難しい製菓マニュアルではないのですが、自分のオーブンのクセを隅から隅まで知らないと、思い通りにいかないメレンゲ菓子づくりです。

 オーブンって、それぞれ個体のクセがあり、しかも、そのクセは年月が経つごとに、強まっていくんだよね。

 5年前、10年前と同じ作り方では、「あれ?」なんだかうまくいかなくなっちゃったーという低温乾燥焼きのマカロン。

 うちのオーブンは、手前の方、しかも下段のほうが焼き色着きやすい傾向があるんですが、近年、10年目の古オーブン、ますます、そのクセの悪さを発揮し始めました。

 これは、火口の鋳型の部分が腐食老朽化している証拠で、火当たりが、ますますムラになってきている状態です。

 ついに、初期焼成の高温を170度まで下げて、やっと焼き色が着く失敗のないマカロンができました。

 焼き色着いても誤魔化せるように、「紅茶パウダー」とかいう初めての材料で、着色してみたのですが、不要でしたわ。

 今回は、焼き色失敗は0でした。

 オーブンも、自分と一緒に年取って、ヤベー扱いにくいものに日々変化しているんだな…と感じた次第。

 仕事相手の相棒が変化したなら、こちら(のマニュアル)も変化させて、互いにうまく折り合いつけながら、順応していかなければいけないのだと。

 しみじみ感じましたわ。

 祇園精舎の鐘の音が、グワワーンと聴こえてくる瞬間。

 「自分の手で作り出す」ということにとって、他者のレシピもマニュアルも、ある意味、まったく用をなさないんだよね。

 これだけの不況、最悪の経済。手作りが、表向きブームだけれど、レシピやマニュアルを外に頼っているうちは、うまく作り出せるわけがないんですよね。

 手元の素材や道具との対話。その相手に、何かを教えてもらうしかないのよ。

 つらいことだわ。無駄もたくさん出るしね。

 でも、失敗の無駄って、ホントは無駄じゃないんだよ。

 失敗も、必要悪さね。

 思うに、失敗を恐れることが、一番の「不要の無駄」かもしれん。

 失敗を恐れるあまり、人は安直にマニュアルやレシピにしがみつく。

 レシピのない本を本気で書きたいと思った瞬間。

 こんな時代だからこそ、自力で試行錯誤して、自分の何かを生み出すって、とても大切なことかもしれん。

 それを教えてくれるのは、本とか、偉そうなものの中にあるのじゃなくて。

 自分の生活の目の前にあるものなのかもしれん。

 たかが、ボロクソの古オーブンでも、お菓子づくりの何たるかをいろいろ教えてくれるんです。感謝。

 

雪だるまさん

 昨日、冷蔵庫の中へ見捨てられた「はらぺこいもむしクン」。

 切り分けたら、「雪だるまさん」になりました〜。

 うん、これならイケるかも。切ると何とかなるもんだ。マカロンに眼鼻を付けたいくらいです。

 只今、今週の教室パン「プロバンス」の生地を一次発酵中。本日中に写真撮れるかな?

 ねじりねじりの生地なので、作りやすいフランスパンです。スパイス・ハーブ、オリーブオイルをコーティングして焼きあげるので、オーブンレンジ使用の方でも、良い焼き色を着けやすいことでしょう。

 お酒のおつまみにもピッタリなパンです。これからの宴会シーズン、うち呑みおつまみパンにいかがでしょうか。生ハムやチーズなどとも合わせやすいしね。

 今週の教室お料理は、「なんとなくおつまみ系オードブル」なんぞを盛りつけてみたいな〜と思っています。(たまにはハイカラなもんも出さんとな。いつも、家庭お惣菜って感じのものばかりだから…。すんまへん。)

 ということで、今週のパン教室は、「ケーキ」「おつまみ」も加わって、がっつり享楽的嗜好の三本立て。

 甘辛両刀使いで行きやんす。

はらぺこいもむし

 切り分けやすくデコレーションしたら、今度はイモムシさんみたいになっちゃいました〜。

 ガッチョーン!

 キモい。

 コーティングのガナッシュを2色にしたせいで、ますますイモムシさん。

 今回の生地は、型に入れず、天板に流して焼きました。前回のものより、細長くてスリム。これなら確かに切り分けやすいのではありますが…。

 それにつけても、イモムシさん。

 っんも〜、どーしよー。

 このサイズなら、マカロンをもっと小さなサイズに作るべきだな。1cmくらいの絞り出しで。

 試行錯誤は続く。

 本日は、これよりビヨーインで、白髪染め。じゃなかった、カラーリングよ。

 イモムシさんを冷蔵庫に放り込んで。

丸かぶりブッシュドノエル

 「切り分ける」ことを全く念頭に置かず、マカロンと白樺チョコのデコレーションをディスプレーしてしまった…。

 撮影する段階になり、顔面蒼白。切れないじゃないかっ。切り口を見せられないじゃないかっ。

 困った。どうしよう。

 そうだ!「丸かぶり恵方巻きブッシュ・ド・ノエル」ということにしてしまおう。

 恵方に向かい、しゃべらずに(喋りたくても口がふさがって喋れない)丸かじりして、今年の幸福を祈願する。

 それが、クリスマスケーキ・ブッシュドノエルの正当な食べ方。

 そういうものだ。

 かろうじて、はしっこだけが切れた。外側はホワイトガナッシュ、中に巻き込んだのは黒いチョコレートのガナッシュ。

 教室の日までに、真面目にデコのデザインを考えておかないと、当日に生徒が食べられなくなっちゃうぞ。

 「あのー、これ、どうやって切り分ければいいんですか〜?」

 「一人一口ずつ、丸かじりしてください。恵方に向かい、順番にね。」

 という、実に恐ろしい教室になる。

 …・。

 作り直しますわ。

小春日和のベビーピンクマカロン

 キラキラの良いお天気になりました。

 クリスマスケーキ飾り用のマカロンづくり。やっと、メレンゲ菓子の感覚を取り戻したようで、失敗(=焼き色が着いちゃう)も少なくなってきました。

 「天然(?)着色料」の使い方にも少し慣れてきたわ。十数年間のブランクはでかいね。メレンゲの焼き菓子は、オーブン温度10度の差で、泣き笑いの勝敗が分かれる。同じ機種でも、個体によって全部クセが違うんです。

 繊細な神経が必要になるんだわな。

 わたしゃーね、マカロンだの、クリスマスケーキだのというものより、格闘技やK1やムエタイの方が好きなんだ。

 いかに不向きか、よーく分かりますでしょう?

 で、今回は優しい色のベビーピンク(着色料赤4振り!)のマカロンに、ホワイトチョコの白いガナッシュをはさんでみました。

 焼き色つかないように細心の注意を払いながら。

 来月、娘の誕生日なので、娘好みの色合いを心がけて。(クリスマスケーキにも、娘のケーキにも、両方使っちゃえ〜という根性でして)。

 さすが親馬鹿だけあって、娘のためと肝に銘じると、不思議なことに失敗せず、ふんわりと可愛らしいものが出来上がったわ。

 こりゃあ早い話が、優しい心で作らなきゃいけないお菓子なんだわな…。技術じゃないわ。(技術なんか要らないくらいシンプルな作り方のお菓子です)。

 そう、これが、やっと取り戻した「カン」つーもんですわい。ここんとこ、忘れていたわ。

 本日は、クリスマスプレゼント用のシュトレーンをたくさん焼きあげる日。これは、教室のものよりさらにリッチでケーキっぽい配合生地にして、全卵ではなく卵黄を使用しています。砂糖も茶色いキビ糖ではなく、白い粉砂糖を使っています。(切り口の見た目がきれいになるのよ)。

 まさしく、おすまししたよそゆき姿のプレゼント用です。たまには、こういうシュトレーンづくりもいいものです。褌の引き締まる思いがいたしますもので。

 卵黄たくさん必要になるでしょ、必然的に卵白がたくさん出ちゃうでしょ。でございますから、同時にマカロンも作るハメになるわけよ。

 マカロン強化週間・敗者復活戦でもございます。これはこれで、とても楽しい。

 それよりも、年末の格闘技の試合、今からドキドキ楽しみだな…。

 やはり、わたしゃマカロンには向かないのかもしれん。