ペンギンを飼える日・その2

 白クマが出てきそうなほど寒い日。(さっきはペンギンだったっけ?)

 お日様も冬ごもりみたいで、てーんで光量不足、写真がブレちゃう。

 昨日、種付けして一日空気にさらして表面を乾かしておいた味噌玉。本日より籠の中に入れられて、布とポリ袋をかぶせられ、コウジカビのお目覚めと出芽を待つ状態に入りました。猫鍋、猫籠、味噌玉籠。味噌玉てんこもり。おーい、旭川のカーチャン、みてますかあー?お宅の味噌玉ちゃんたち、これからぬくぬくおねんねです。

 うまくいくと、明日あたり、白いカビの赤ちゃんが出てきます。白いカビはずんずん黄色くなっていき、最後はモスグリーン色のビロードのようなカビになり、味噌玉を覆います。

 もし、1,2日たっても表面にカビが生え始めない場合は、保湿布を取り外し、乾燥体制に移行させます。表面ではなく、味噌玉の中にカビを生やすためです。外に生やしてもいいし、中に生やしてもいいのです。どちらでもいい。
 外に生やそうとして、無理強いの保湿や保温を行うと、コウジカビ以外の不適正なカビを生やしてしまったり、枯草菌や納豆菌に取りつかれ、臭くなって糸を引き始めたりすることがあります。

 そうなってからでは矯正がきかないので、さっさと乾燥法の方に切り替えます。時間はかかっちゃうけど(2週間くらい)乾燥法方が簡単ですし、失敗も少ないですから。おーい、生徒の皆さん、みてますかー?ここから自分でやるんだよー。教室でやるのは種付けまでですからねー。味噌玉置き去り子育て放棄はあきまへんでー。

 ということで、明日、ゴマアザラシが出てきそうな師走一日に、この味噌玉にコウジカビの赤ちゃんが生えてきますか、どうか…。

明日はお教室でございます

  さ、さぶっ!ペンギンが飼えそうなほどの気候になってきましたね。白クマや、ゴマアザラシだって飼えるかもしれない。

 で、もしかして、明日から師走?…。もう、12月になっちゃうの?

 寒さにも負けず、あしたの教室はエジプトのパンのエイシをやります。とろろ芋を捏ねているような生地です。ボウルの中でグチョグチョやるだけだから、逆にラクかもしれないよ。(私、触らないからね。みなさまが、おがんばりなさってくださいませね)。

 晩秋恒例の豆味噌しこみ。2kほど大豆を蒸しておくので、「秘伝・教室特産の企業秘密的コウジカビ種菌」を種付けしましょう。(そのあとは各々ご自分で、自宅で頑張ってくださいませ。あとのことは、わしゃ知らんけんね…。世話して育てるのは自分じゃあー。)

 

もうじき、12月8日がやってくるね

 寒い一日でした。

 こんな季節になると、いつも思い出します。

 いずれ来る12月8日。ジョン・レノンが、召されたあの日。

 1980年。

 あまりのショックで、泣きながら走り回った私は、その月後日のクリスマスに出産予定日だった日よりも早く、たった一人の一粒種の、娘の麻衣を立川で産んじゃった〜!

 1980年。12月21日の朝でした。きれいに晴れ渡った寒い午前でした。おひさまが、ギンギン。青すぎる冬空、白すぎる光った雲。見えるはずのないご先祖様が、私の目の前に映ったその日。

 変な年だったな。80年代の幕開け。

 ちょうど、イラン・イラク戦争が始まった年でもありました。パキスタンなんかにも戦火が飛び火してね。
 そんな折に、無知なことにも、わざわざ南周りのパキスタン経由で、仕込み種の麻衣のパパを追いかけて、世界中を飛び回った私。どこにいるかもわからない彼を私は追いかけた。彼が、たどったであろうルートを国際線の飛行機で追いかけながら。あほ。

 帰り道のわからない、長い旅でしたね。でも、イギリス・ロンドンのサウスケンジントンst.の道端で、偶然に彼を見つけた。奇跡でしたね。

 私は、ベトナム難民支援コンサートに行く途中だった。

 彼とロンドンで再会した後から、やっと妊娠に気づいたね。彼の子供を自分の中に宿していたなんて、私は知らなかった。

 で、一人で日本に帰ってきちゃって、親にも言わずに、勝手に子供を産んじゃったー。ああ、可愛い麻衣ちゃん。私も、あなたも、二人ぽっちの一人ぽっちだったかも。生まれてきてくれて、今も美しく、元気いっぱいに生きている私の娘の可愛い美しい麻衣ちゃん、生まれ来てくれて、生きていてくれて、ありがとーーーー!

 <センキョン・ベンジョマッチャ!!>(北方系の訛りで言ってみた。ロシアあたりの。。。。。)

 はは!いーじゃん、人間一人が、生きて生まれてきてくれたんだから。ダメ?

 でも、麻衣が生まれる前に、ジョン・レノン死んじゃった。

 麻衣のパパと、「ジョン・レノンの息子のショーン君の鼻の脇にあるホクロと、麻衣の鼻の脇にあるホクロが、そっくりで、同じだね、嬉しいね」(アホ)とか、言っていたよ。(関係ないか)。

 山梨の慧光寺で、ジョンレノンの命日(12月8日)に、「イマジン・コンサート」あります。コンサート開始時間は午後8時から。その前の時刻の7時からは、南インドのカレーを食す会があります。
(日帰り2000円、お泊まり7000円、お申し込み12月6日まで)。

 平和を思い、願う、コンサートです。持ち寄り楽器やドリンクもOK。詳しくは慧光寺(えこうじ)のHPを見てください。

 私は、この秋冬、行かれないです。やらなければいけないことが、たくさんあります。もし、ご興味がある方は、慧光寺へ直接」尋ねてみてください。(住職・證善=しょうぜんさん。)

 私は今日、今シーズン初の豆味噌仕込みをして、種付けしました。これは、北海道の雪の積った山の中へ、里子に行く子たちです。ソーやダイソンなんていう猫ちゃんやワンチャンがいる山の中の小さな家なんです。野性的なヤローども。。。。

 豆味噌子育て初めての、純なyuukoカーチャンが待っています。

 ちゃんと育てられるかなあ…。

(無題)

 冬空色のお天気です。青でも灰色でもなく、乳白色にけむる空。

 知恵熱が治まったというのに、一向に頭のよくなる気配がない。一晩ぐっすり眠った程度で治ってしまう知恵熱では、効用がないのだろうか…。

 豆味噌用の大豆をコトコト蒸しながら、次の本づくりの企画へ向けて、水面下で動き始めました。来年は今までやらなかった新たなことにチャレンジしたい。まだまだ「企業秘密」(?)段階の事始めです。
 ムック誌を作りたいというのも、その一つですが、フィクション分野もチャレンジしたい。うまくいくかどうか、まだ未知数だけれど、何もチャレンジしないよりは、するほうが勉強になるしねえ…。成功・失敗含めて経験ですから。

 あえて「夢」とは言わない。夢と言ってしまっては、叶わなくても当然の話に帰結してしまうからね。夢をあえて「企画」「予定」と呼ぶ。叶わなかった結果の言い訳にしないために。言葉って想念だからね。夢と読んだ瞬間に、すべての可能性は激減します。
 書き記す文章以前に、心に抱く言葉そのものを選ばないといけない。ネガティブな言葉は持たないほうがいい。単なる評論家になり下がってしまうから。自分でなにもできなくなる。何も産め出せなくなってしまうから。

 早朝から、ポプラ社のホームページをあちこち読み進む。出版傾向とかカラーとかをマジメに調べるためだったのに、編集者たち自前の本音書きコーナーが面白くて、ゲハゲハ馬鹿笑いしながら、ずーっと読みつづけてしまった。写真家の天才アラーキーや藤原新也さんのHPにもリンクしていて、やけにおもしろかった。

 ポプラ社、元々は児童文学で有名な出版社だけれど、近年、一般書づくりにもずいぶんと力を入れていて、なかなか熱いですね。目が離せない出版社です。出版界氷河期の時代の中で、たくましくしたたかに本づくりをしているみたい。スタッフも若い年代みたいです。ジャンルもメディアも問わずこだわらず、ですね。やりたいことをやっている出版社だなあ…。うらやましい。

 本日、これから恒例の今シーズン初の豆味噌麹づくりです。土曜日までにコウジカビが生えていればいいんだけど…。3日間じゃ、たぶん、まだ生えそろわないだろうな。(火か水曜に開始すれば、ちょうどタイミング良かったはずなのですが、ちょいと体調を崩していたので、できなかったです)。

アエイーシ空洞できずに失敗!

 生徒が作りやすくなるのじゃないかと思い、エイシの水分を少なくして作ってみました。確かに生地は扱いやすかったのですがー、空洞ができなかった!ガチョーン。

 あの空洞はやはり、100%の水分じゃないとできない気泡だったのか!?それとも、たまたま、それ以外の理由の偶発的な失敗なのか?どちらが理由なのかは分からないのです。

 やはり、100%水分ドロドロで作らなきゃいけないのかなあ。

 しかし、これじゃあ、まるで、できそこないのパン・ド・カンパーニュですねえ。(味は美味しいのですが)。小麦粉の世界は実に不思議で面白い。
 大昔のエジプト人、こんなレシピをよく考え出したものですねえ。ちゃんと中に空洞ができて、そこに料理を詰めて食べることができるパン。それを小麦粉と水を同量の液体状のパン生地で作るなんて…。私なんざあ、絶対に思いつかないパンのレシピですよ。しみじみ、大昔の人の知恵には感服します。

 昨日は微熱が出て、一日死に体だった。風邪でもないのに熱っぽくなるなんて、たぶん知恵熱だ。私はこれから頭がよくなるかもしれない。

休息日

  たまっていた疲れがホッとしたん出たのか、少々頭痛気味。

 とろ〜んとした曇天の本日です。完全休業を決めつけて、頭痛でもOK日和ということにしておこう。空も曇りだし…。

 とは言うものの、今度の教室ではアイシをやろうということになったので、生徒が作りやすいように、水分少なめ(90%)の生地を試作して発酵中。90%にすると、生地に一丁前にグルテンが出て、弾力がついてくるんだねえ。水分が、たった10%違うだけでも、もう生地の性質が大きく変わる。面白いなあ。

 初校のゲラが上がってくるまでの骨休めで、ずーっと温めていた創作モノのフィクション書いて遊ぶんだ。実は、これ、1年前くらいに企画が通って、本になるはずだった原稿なのですが…。わけあって自分の方から引きあげて、お蔵入りにしちまった。今思うと残念なことをしてしまったなあ。フィクションデビューの処女作になるはずだったのになあ。まあ、自業自得っていうことです。自分のせいだ。

 書きなおしてみる。うまくいけば、日の目を見るかもしれない。一縷の望みをかける。フィクション書くの好きなんだ。

 ふーっ、体の中が熱い。内臓が熱を持ってるな。微熱があるかもしれない。頭の中も絶好調にラリっている。ほどよい浮遊感。起稿日和だ。

脱稿ーっ!

 アスペクトのパン本の原稿、やっと書き終えた。脱稿ーっ!すげえー原稿ボリュームですよ。2冊分近くあるかも。

 褌身の原稿です。一番いい本にしたい。タイトルを仮でつけておかなきゃいけないので、どーせ仮だから、思いっきり臭い仮タイトル付けちゃった。

 「パンは小麦の命の華です」。ううっ…。くせ〜!唐獅子ぼたあ〜あああんん♪

 パン本に、こんな演歌かヤクザ映画みたいなタイトルはありえないでしょうから、べつのタイトルになると思うけどね。「世界の中心でパンを叫ぶ」…。これも違うか。

 いやはや、ともかく、晶文社の発酵食本と同時進行だったから、大変だったけど、すごく面白かったね。稲作文化圏と小麦文化圏を比較して考えることができて。感謝。

 かつては上流階級の人くらいしか満足に口にできなかった「米」に比べると、「麦(パン)」って、貧乏人にも行き渡る食べ物だったのです。稲作圏に比べると小麦圏って、自然環境も厳しいからね。
 パンって、最低限度でも命を維持するための最低限度の食べ物だったわけです。経済力が乏しい人にも行き渡らせるのが、パン(麦)だった。逆に米は、経済力や権力がある人に行き渡る穀物だった。
 実際、今でも中東は、「パンは神様からの恵み」と考えられています。貧乏人でも最低限、パンだけでも食べられるように、タダ同然に安く売られているのです。イラク(あのお金持ちの国)ですら、パンが1個1円もしない。エジプトでもパン10個が30円にもみたない価格です。パンが貧しい人を含めて、国民みんなに行き渡るように、小麦は政府の補助を受けている。だから、パンを安く買えるんです。

 パンって、愛なのよ。

 高級な特権階級的食べ物ではなく、持たぬ人にも持つ人にも、平等に与わるように神様が人間に恵んでくれた世界最古の食べ物です。

 穀物って、第二の武器とも呼ばれている。穀物の需要と供給のバランスが崩れちゃったら、必ずどこかで飢える国が生じます。今、壊れそうだよね。小麦の価格も上がっている。
 穀物って、本来、地球上のみんなに平等に行き渡るように、大きな視点で考えなければいけない最大の食糧です。バイオマスエタノールとかさあ、一見エコくせーこと言っちゃっても、ありゃあ、考えものだよねえ。小麦の作付をやめて、トウモロコシ栽培に転作しちゃったりして。そりゃーねーべーよなあ。食べ物をガソリン代わりにしないでちょーだいよー。

 とまあ、こんな祈りを込めて、書きあげた原稿です。あとはアスペクトの編集頼りです。神様、どうぞ善き本にしてください。お願いします。

教室の翌日

 お教室の皆さん。今朝は、ちゃんと宿題通りにパネットーネ生地を成形したでしょうか?そのあとから、常温放ったらかし二次発酵体制に入られたでしょうか?

 まさか、忘れて朝寝坊…なんてことは、ねーべーなあー?まさか、飲みすぎて、二日酔いなんてーことも…ああ、こりゃありうるかもね。

 昨日の教室で成形したパネットーネ生地を常温放ったらかし二次発酵で朝の6時まで行いました。なななんと15時間!
 朝、5時半に目覚めて、生地を見ると、型120%までいっていて、若干のオーバー気味かも…といった膨張具合。6時に焼きあげました。中の気泡には割と大きめの穴っぽこが空いていて、やはり少し二次発酵が多すぎたような生地に焼き上がりました。この季節、パネットーネ生地の放ったらかし二次発酵は12時間が限度かな。皆さまも本日は、そのへんをメドに焼きあげてください。生地の焼成を忘れたままで飲みに行かないようにしてください。(なかなかレベルの高い指示でございます)。

 昨日の教室は、先週と打って変わって、厄介な生地をうまく手なずけたようで、良い出来でした。水分量も普段と比べると1割増しでしたが、生地を溺れさせることなく、パン生地らしいものに仕上がりました。さて、本日、ご自宅での焼き上がりはどうなりますでしょーかっ!?成功を祈る。

本日はお教室でございます

  良いお天気になりました。お気をつけていらしてください。

 見切り発車ですが、予定通りパネットーネをやります。生徒を手こずらせたあのスーパーキングをブレンドして…。
 多量に配合する卵、砂糖、水が、生地捏ねの手を重たくします。グルテンが出たら投入する多量のバターにも難儀することでしょう。しかも、あの厄介もののスーパーキングです。みんな、ちゃんと生地を作れるかなあ…。(ここで何となく自信さげな口調になってくるわたしです…。)

 あーあ、本日の教室が恐ろしい…。

 二次発酵のホイロが長いので、恒例の餅つき大会もやります。餅つきと言っても、パン捏ね用のミキサーでもち米を捏ねるだけですけどね。

 我が創作料理、お餅フォンディユー。昨日は半日がかりでラーメンスープを引きました。ラーメンスープに餅をいれ、チーズと岩のりをぶっかける。この世のものとは思えぬ料理ですが、これがメチャ美味いのです。フォンディユー食べてるみたいに、餅とチーズのしっぽが伸びるので、そうなずけました。

ホブス

 中東諸国の平パンは「ホブス」と呼ばれることが多いようです。これはアエイーシより水分が少ない(70%)平パンで、典型的な「ホブス」。ピタと同じ作り方で、簡単です。

 水分量が違うだけで、別の性質のパンになるんですよね。物のお見事にポッカリと空洞ができて、お口を大きくあーんぐりと開けているでしょう。
 アエイーシより、こちらのパンの方が老化が早く、硬くなりやすいんです。ですから、私はアエイーシの方が好き。

 今はエジプトでもイースト使うケースが多いようで、アエイーシも冷めたらすぐにぱさついて硬くて不味くなる、と、さきほどエジプトからメールが入っていました。自然発酵種は中種法なので、フワフワが長持ちするんでしょうね。イーストのストレート法では、すぐに硬くなって当然です。古代エジプトからのパンの使者として、エジプトに行ってパン教室でも開こうか?伝統的な製法をすたらせてはあきまへん。無形の財産なんですから。ったくもう…。ぶつくそぶつくそ…。(なんで、日本人の私がエジプトのパンのことまでぶつくそ文句言う筋合いがあろうか?)

 来春、アスペクトで出すパン本の原稿も書き終えて、束の間の小休止。またすぐに、初校のゲラとかの作業が始まるけどね。この本、絶対にいい本にします!褌身の原稿ですから。エジプトから、毎度メールを入れてくれて、いろいろ教えてくださっているアキヨさん、どうもありがとう。私のアエイーシを食べさせたいです!