脱稿ーっ!

 アスペクトのパン本の原稿、やっと書き終えた。脱稿ーっ!すげえー原稿ボリュームですよ。2冊分近くあるかも。

 褌身の原稿です。一番いい本にしたい。タイトルを仮でつけておかなきゃいけないので、どーせ仮だから、思いっきり臭い仮タイトル付けちゃった。

 「パンは小麦の命の華です」。ううっ…。くせ〜!唐獅子ぼたあ〜あああんん♪

 パン本に、こんな演歌かヤクザ映画みたいなタイトルはありえないでしょうから、べつのタイトルになると思うけどね。「世界の中心でパンを叫ぶ」…。これも違うか。

 いやはや、ともかく、晶文社の発酵食本と同時進行だったから、大変だったけど、すごく面白かったね。稲作文化圏と小麦文化圏を比較して考えることができて。感謝。

 かつては上流階級の人くらいしか満足に口にできなかった「米」に比べると、「麦(パン)」って、貧乏人にも行き渡る食べ物だったのです。稲作圏に比べると小麦圏って、自然環境も厳しいからね。
 パンって、最低限度でも命を維持するための最低限度の食べ物だったわけです。経済力が乏しい人にも行き渡らせるのが、パン(麦)だった。逆に米は、経済力や権力がある人に行き渡る穀物だった。
 実際、今でも中東は、「パンは神様からの恵み」と考えられています。貧乏人でも最低限、パンだけでも食べられるように、タダ同然に安く売られているのです。イラク(あのお金持ちの国)ですら、パンが1個1円もしない。エジプトでもパン10個が30円にもみたない価格です。パンが貧しい人を含めて、国民みんなに行き渡るように、小麦は政府の補助を受けている。だから、パンを安く買えるんです。

 パンって、愛なのよ。

 高級な特権階級的食べ物ではなく、持たぬ人にも持つ人にも、平等に与わるように神様が人間に恵んでくれた世界最古の食べ物です。

 穀物って、第二の武器とも呼ばれている。穀物の需要と供給のバランスが崩れちゃったら、必ずどこかで飢える国が生じます。今、壊れそうだよね。小麦の価格も上がっている。
 穀物って、本来、地球上のみんなに平等に行き渡るように、大きな視点で考えなければいけない最大の食糧です。バイオマスエタノールとかさあ、一見エコくせーこと言っちゃっても、ありゃあ、考えものだよねえ。小麦の作付をやめて、トウモロコシ栽培に転作しちゃったりして。そりゃーねーべーよなあ。食べ物をガソリン代わりにしないでちょーだいよー。

 とまあ、こんな祈りを込めて、書きあげた原稿です。あとはアスペクトの編集頼りです。神様、どうぞ善き本にしてください。お願いします。