ベーグル 今週のパン

 午前中に、ブータラ悪たれ口を書きまくって、すっきりして、なんとか今週のパンの撮影に間に合いました。あした教室だもんね。今日の夕方までにこれを載せられないと、みんな何をやるのかわからないまま来ちゃうもんね。

 さて、ベーグル。これはコテコテと成形に手間隙かかるパンです。ベンチタイムを2,3回、充分に取って、あまり成形時にコテコテ触りすぎることを防ぎましょう。急いで成形しようとすると生地切れします。生地がただれると、そこの部分がべたつく生地です。アセって触りすぎれば触りすぎるほど、成形がダメになっちゃうんだよ。
 そのためには一次発酵をわかめに切り上げましょう。例えば5時間かかるものでも、4時間くらいで切り上げて、その後フロアーの追加をかねてベンチを充分取るといいのです。もっちり重めの歯ごたえにするために小麦胚芽とライ麦粉を少しブレンドしています。(もちろん、ブレンドしなくても作れますけど…。)
 自家製のチーズとスモークサーモンを添えます。お楽しみに。

 おらっちの田舎からジャガイモとかぼちゃが送られてきただよ。ニセコ町のイモはうまいぞ〜。わしのトーチャン、カーチャンが丹精こめて家庭菜園で育てたもんなんだわ。ただ蒸して塩ふってバターつけて食べるだけで充分美味しい。下手に料理するより、手間をかけないで素材の旨さそのものを食べるのがいい。

 まあ、ベーグルもシンプルなパンだし、チーズもスモークドサーモンもシンプルな料理だべ。んだからさあ、イモもカボチャもシンプルクッキングつうわけなんだわ。(手抜きだべえ、というつっこみもあるけどさ。)

 あ、そうだ。ニセコ町限定商品!ニセコのワイン(白)もイモに同封されてきただよ。ちんちんにしゃっこく冷やして、これもみんなで飲むべ。

 ということで、今週もアホな、いえ、マジメな教室を厳粛に執り行いましょう。

スモークドサーモン作り

 早朝の台所。ガス台の上(中央)の段ボール箱…。何だと思う?「ついに、あのアホ、鍋代わりに段ボール箱で料理を始めたか!」と、アセる人もいるかもしれん。
 はい、そーなんです。今朝は早くからダンボール箱で料理してました。

 今週のパン、ベーグルに添えるためのスモークドサーモンを作っていたのです。スモークドサーモンは低温での燻しなので、普段の道具では熱が届きすぎて上手くいかないのです。そこで、普段のものの上に工作してダンボール箱を上乗せして、箱の上部で鮭を燻したのです。これ、いい成果でした。温度は40度以下。あ、まねするのでしたら火事にだけは気をつけてね。普通のスチーマーの上にダンボールをかぶせただけのものですから。

鮭1さくに小さじ1の塩をまぶして冷蔵庫に2,3時間入れておきます。それを洗って(塩を洗い流して)、冷蔵庫の中で少し(数時間)乾かします。
それを低温燻製すると自家製スモークドサーモンの出来上がり!市販品とは一味違うよ。明日の教室で試食と実演やります。

 今週のパンの撮影は午後からになります。すんまへんどす、遅くなって。締め切り原稿がなかなか書けずに、ウンウン苦しんでいたのですよ。
 わし、がらにもなく憲法第9条のことを書こうとしてたのだよ。するとさあ、必ず現れる共産党シンパおやじ。この人、別に政治家っていうわけじゃないんだけど、選挙になると自転車にのってハンドスピーカー携えて大音響で演説をあちこちでぶちかますわけよ。(別に立候補しているわけでもないし、著名な応援演説でもないわけよ。)まあ、いうなれば個人的に熱心な共産党支持者ってだけのことみたいなんだけどね。
 悪気はないのは分かるんだけど、うるさくて迷惑なのです。あちこちの住宅街の中でやるわけ、独自の演説を…。静かな住宅街なんだから、昼間といえど、寝ている赤ちゃんやお年寄りだっているわけでしょ。夜勤明けで疲れて眠っている人だっているはずです。公の演説なら、それもやむなしと諦めもつくけど、演説も下手なしゃがれ声のじいさんだよ。誰がそんなクソうるさい騒音を聞きたいのよ?迷惑よ!!共産党の人たちもよくあの爺さんを野放しにしておくね。言っている内容は間違ってはいないんだけど、それ以前に迷惑!!!なのっ!縁説したけりゃ、ちゃんと市議会議員とかに立候補してからにしなよ、おばか。意見を述べたい人全員がハンドスピーカーでがなりたてて近所中を自転車で回ったら、この日本どうなると思っているんだ、アホ。政治家の選挙だけでも十二分にうるさいのに、もっと、とんでもないことになっちゃうじゃないか。その上、私がネタにして書こうと思っている第9条をベラベラゼコゼコ息巻いて喋っていて、ホンマわし、ドッチラケちまったわけよ。書こうとすると、じいさんの演説が聞こえてくるんだもん。しかも、ここ数日、ずっとよ。締め切りはどんどん迫ってくるし。もーうるさくて書けないし、イラつくし、蹴飛ばしてやりたくなっちゃった。絶対に共産党にだけは入れないからね。営業妨害だよ、原稿が遅滞するせいで、パンの写真も撮れないじゃないか!

 ということで、原稿はついに夜中の1時から朝方の4時にかけて書き上げましたよ、本日。この時間帯だけは邪魔者は入らないからね。

 遅れたのはぜ〜んぶ、あの共産党じいさんが悪いんだ。私は今回は民主党を応援することに決めた。いくら護憲を言っても、共産党なんてダメだ。

へったらづけ紅鮭バージョン

 残暑が厳しいというのに、私に味覚は秋に向けて驀進しているようなのです。沢庵に次いで、今度はべったら漬けが食べたくなってしまった。しかも、東京の甘いあれではなく、北海道風の甘味を抑えた鮭なんかが入っているやつ。
 もう、こうなるとべったらづけとは言いませんね。

大根1本、紅鮭2切れ(普通の塩漬けになってる塩鮭です)、用意したのはこれだけ。先ず、大根は北海道風に皮をむかずに乱切り。半日(8時間)天日に干す。その間、紅鮭を一口大に切り、水晒し。(時々、水を替えて、冷水を保ちながら半日=8時間〜12時間ほど。)大根がしなっとしたら、重量を計る。例えば1キロになっていたとする。総塩分はその6%くらい。つまり60gとしましょう。60gの塩を用意します。
 しなっとした大根を水洗いして、ざるにあけます。用意した塩の半分くらい(つまり、30〜40gくらい)を大根にまぶして、容器に入れて重しをのせて水が上がるまで待ちます。重めの重しをしておけば数時間で水は上がってくることでしょう。
 大根干しと同時に、別枠で仕込んでおくものがあります。甘酒です。これは、茶碗1杯のご飯(150gくらい)にひたひたの水を入れておかゆに炊き上げ、60度くらいに冷めたら麹を75gくらい混ぜて保温ポットに入れておくと、8時間後にはできあがっています。これが面倒な場合は市販の甘酒を買えばいいのです。
 つまり、大根を干し始めることと、鮭を水晒しし始めることと、甘酒を仕込むことが、ほぼ同時なのです。

 さて、8時間が過ぎたとしましょう。紅鮭の水をよく切り、酢少々をまぶして締めます。

 漬物容器に水気を切って軽く水洗いした大根、紅鮭、甘酒を入れて、残りの塩も加えて、全体を混ぜます。このとき、千切りにしたしょうがや赤唐辛子など好みの薬味を加えてもいいのです。私はピリ辛好みなので、唐辛子としょうがを多めに加えます。(この段階でちょっと漬け汁をなめてみて、塩加減を調整してください。)

 重石を載せて(つまり簡易漬物器ならプレッシャーをかけて)冷蔵庫で数日間寝かせます。(2日〜4日ほど)。

 最低でも2,3日寝かせてからのほうが美味しい。私は1週間ほど寝かせて、ちょっと酸味が出るくらいのが好きです。

 鮭を入れなければべったらづけみたいになりますが、べったらづけにしたければ、大根を縦に半割りにして皮をむいて仕込みます。私は大根の漬物は沢庵みたいに皮の風味が強く残っているものが好きです。ですから皮を剥かずに作っています。皮を剥くと、歯ごたえが柔らかくアクが少ないので商品な味にしあがりますし、出来上がりも早まります。

簡単沢庵

 雨天、光不足の本日なのでピンボケオンパレードになってしまった。フラッシュたけばブレないんだけど、つまらん写真になっちゃうし。諦めてピンボケで妥協する。(…・グシュっ…。)

 秋口だというのに沢庵が食べたくなってしまったのよ。買えばいいだろ?と思うのだが、買ったものは不味くて口に合わないのです。

 苦肉の策。大根の先半分を縦割りにして半日天日で、あとの半日は冷蔵庫の中で乾燥させる。
 糠漬けの床を少し取り出して、生の米糠と混ぜ合わせてぽろぽろにする。それに干した大根を漬け込んで重しをのせて3日間。沢庵漬けにように水が上がってくるわけよ。で、そこで大根を取り出し、普通の糠漬けの床に漬け込む。つまり2度漬けにするのよ。
 しなしなで、黄色っぽい色で沢庵くさ〜い沢庵もどきの糠漬けになる。これ、もう、たくさんにそっくりな味。普通は生糠と塩と干し大根で1ヶ月間近く漬け込んで作るのが普通だけど、この季節まだそんなことできないです。で、やむなく短期間速攻で沢庵もどきを作りました。ちょいと酸味が強いけど、ご飯のお供にはぴったりです。スーパーから、大根の先のほうばかりを買ってきて作ったの。先のほうが細くて干しやすいから。

 インスタント沢庵の出来上がり。本格的な沢庵漬けシーズン(12月)まで、これで充分我慢できます。それに、量も小量だから、すぐに食べきることができて気楽です。冷蔵庫にも簡単に収まるサイズなので、酸っぱくしたくなかったら、最初の下付け(重しをのせておくほう)を冷蔵庫にいれておくといいです。

自家製チリペパーソース(タバスコ)

 1年前に仕込んだタバスコが完成しました。

 タバスコという名前は登録商標なので、たぶん使っちゃいけないのかもしれないなあ。唐辛子ソースということで、チリペパーソースとでもタイトルしておきます。
 もともとはアントニオ猪木のPBだったんだっけ?あ、そういえばさあ…、猪木と言えば橋本さんなくなっちゃったねえ。(…ううう。)

 あ、もっとさあ、そーいえば、猪木と言えば、私、二十日の日、誕生日だったのよ。え、?関係ねーだろ!?と、きたか。はい、全然、関係ありません。ごめんなさい。
 去年の誕生日は元プロレスラーのビル・ロビンソンが来てくれて、そして娘と娘の彼も来てくれて、4人でうちでメシ食べた。その時にさあ、ビリー(ビル ロビンソン)が言ってたんだけど。ビリーが手術する時に、猪木さんが真っ先にぶっとんできて「今までの30年間のファイティングライフの中で、あなたとの試合が一番最高だった。」とビリーに言ってくれたんだって。ありがとう、猪木さん。
 私、あの試合の頃はまだ郷里(北海道)だったから、テレビで見てたのよ。猪木とビリー、すごい試合だったんだよ。いい試合だった。感動したもん、ガキだったけどさあ…。で、もっともっと後(数年前、教室で)に分かったことなんだけどさあ…。優光(宮戸)さんなんかその試合を小学生のガキだったくせして一人で東京まで(神奈川から)見に来てね、やはりすごく感動して、それでプロレスラーになることを決意したんですって。UWF参謀の元動機は小学生の頃にあり。優光さんもすごい人だよなあ。(男っぽくて素敵な人だよ。大好きなんだ、私。)プロレスのこととかは分からないけど、でもビリーも優光さんもいい人で、本当に好き。だーい好き。

 ということで、スンマセン。全然関係ない前振りだったのですけど・・。

 タバスコが出来上がったら、猪木さんを思って、橋本さんが亡くなったのを思って、優光を想って、ビリーと1年前に誕生日でメシ食ったことを思い出しちゃった。(今年は娘と二人でご飯食べた)。しばらくビリーにも優光さんにも連絡とっていないし。(不義理しちゃってて悪いなあ。)

 たかが、1年前に仕込んだタバスコで、しんみりと、いろいろなことを思い出しちゃったよ。
 私の作るものって期間が長いから、出来上がったときに仕込んだときと状況が変化しているんだよねえ…。それで、しみじみ考え込んでしまうのです。あの時に生きていた人は、この時にいない…わけよ。

 まあ、そういうわけで、本日、オキョーシツです。チーズができあがっていて、タバスコもできあがっちゃったんだから、メイビーいたりあんだべさ。おお、マストビーか。バゲットはガーリックトーストにするか。チーズを添えて。パスタも作らなきゃなあ。ソースはメランツアーネ(なす)とトマトが旬だな。と言うことで本日のメニューは「ちょいとイタリアン」にするべえ。

 タバスコは赤唐辛子ものと青唐辛子のものを2種類用意しています。タバスコ作るのは簡単です。新鮮な唐辛子を砕いて塩と酢を混ぜて寝かせておくだけです。1年以上たってから、ざるなどで裏ごしして汁だけ絞り取ります。 
 みんなのために唐辛子(ホール)と酢を混ぜ合わせたもの1年間寝かせてあります。自分で自家製タバスコを作りたい方は空き瓶を持ってきてください。差し上げます。あとは自分で唐辛子を砕いて汁を裏ごししてください。ご自分でどーぞ。(わしゃ知らん。勝手にやりやがれ。) 

フランスパン 今週のパン

 さて、久々にマジメに基本パンをやりましょう。バゲットです。

 リーンなものは高温期にはちょいと作りにくくって避けて通ってきました。(しょっぱなから二次発酵用の高温なんだから、うまくいかなくて当たり前といえば当たり前…。その上、食べたくないのよねえ、パンらしいパンって…。)

 秋風が吹き始めたとたん、食欲復活。パン作りも再開気分です。とはいうものの、まだまだ残暑は続きます。中種は必ずリフレッシュメント、水分は心持ち少なめに。中種にもパン生地同様パンチ入れをすると、気温が高く発酵が早すぎても味の良いものになります!本生地そのものはシンプルなのですから、マジメに中種のほうに手をかけてあげましょう。捏ね上げた生地は捏ね上がりの段階でプリンプリン滑らかになるように。捏ね上げ生地が夏バテみたいにダラ〜ンデロ〜ンとして締まりけなけないものならば、腰の低いスリッパみたいなパンになっちゃうよ。味も酸味を帯びてしまうし。どうしてもスリッパパンになっちゃう人はさらに水分を控えて。そして、その前の中種の段階でも水分控えめ、中種もプリンプリンであることが大事です。
 しばしリーンなものを行わなかったので、感覚を取り戻す意味で、シンプルにバゲットです。まあ、ウォーミングアップよ。フィセルみたいに細長くしようとせず、ころんとずんぐりもっくりの成形にすると、生地の触りすぎによる酸化を防げます。成形時にこてこて触り過ぎないことも大事です。まだまだ、日中は気温が高くなりますからね…。

 では、朝夕の涼しい秋風を存分に楽しみながら、食欲の秋を迎えてください。

グリーンチーズ

 秋風を感じ始めたとたん、めきめきと食欲が復活…。そろそろ、基本パンに戻って今週はバゲットでもやろうと思っています。(教室パンの掲載は明日になります)

 バゲットと言えばチーズやワインとの組み合わせ。もーこれはご飯、味噌汁、漬物の組み合わせと同類で説明の余地なし。合うからです。

 ということで、ついでにチーズ作りも触りをレクチャー。

 熟成させていない出来立て(仕込みたて)ほやほやの赤ちゃんチーズをグリーンチーズと呼びます。グリーンとは若いという意味。クッキング(チーズの元を熱処理することをクッキングと呼びます)温度の違いと熟成期間の違いなどで、完成されるチーズが変わります。例えば、ゴーダなら40度くらいでクッキングして半年くらい寝かせて発酵させます。モッツアレラならもっと高い温度でクッキングして短期間寝かせます。カマンベールなどはクッキングせず生のままカビをつけて寝かせます。
 ただ、基本的にはどのチーズも作り方はほぼ同じです。ノンホモパスミルク(生乳に近いもの)に乳酸菌を種付けしてレンネットで凝固させてホエー(乳清)を抜き、熟成させます。ホエーを抜いたところまでがグリーンチーズです。ここまでなら教室でも行うことができます。
 やはり難しいのは寝かせて発酵させる熟成期間です。もう、これはカビとの闘いになります。まるで赤ちゃんンを世話するように、毎度毎度手をかけないと、グリーンチーズはチーズにならず、カビの塊となります。はっきり言って仕込みそのものは簡単なんですよ。

 発酵道はカビや腐敗との闘いと言っても過言ではない。この闘いに勝つか負けるかは努力と少しの運の良し悪しにかかっている。後者が不確定要因になり、失敗して泣きを見ることもあるわけです。
 でも、これが面白いところなのよねえ…。こうやれば、絶対にああなる、という確約がない。杓子定規でいかないところが、イキモノというか、人生と言うか…。この魅力に取り付かれたら最後です。何でもかんでも発酵させたくなっちゃうのですよ。

 発酵食なんて山ほどあるけれど、発酵原理って本当はどれもとても似通っています。ひとつのものを極めると、他のものも簡単になっちゃうのです。そういう意味で私は教室の主軸を自然発酵種のパンにしています。本当は何でもよかったのです。でも、パンなら1日か2日でできて、すぐに結果が分かるでしょ。醤油だの味噌だの沢庵だのチーズだのにしてしまっては1年とか半年とか待たなくてはいけない。発酵食を勉強したいと教室に問い合わせてきて、パンが主軸だと知り、がっかりして逃げ出す人もいるけど、発酵食をやりたいのなら「たかがパンくらい」作れなくてどーする?
パンなら1度失敗しても、すぐに次の日からまた挑戦できるのです。これがチーズだったら、どーなりますか?半年頑張って我慢して失敗して、また半年…。1年に2回しかできない。上達した時にはバアサンよ。

 パンはありがたいもんですぜ…・。

梅しょうゆ漬け

 セミの声も終盤ですね。セミの鳴き声が聞こえるうちに梅干の土用干しを済ませます。
 梅仕事の総仕上げを終わらせてから、ちょっとしたお楽しみで作る我が家の変わり梅干があります。しょうゆ漬けです。

 土用干しを済ませて梅干を甕に熟成保存するときに、梅干を1個1個チェックします。全部が全部、きれいに出来上がっているとはかぎりませんからね。実が破れたつぶれ梅、うらなりのものが混じっていてやけに小さくてシワシワの硬いものなど、結構「はね出し品」が出るものです。ウチの場合は小瓶に3,4本は出ます。このようなものを味付けのしょうゆ漬けに再加工します。
 しょうゆ、みりん(場合によっては砂糖などの甘味を加えることもある)、梅酢を各好みの配合でブレンドし、鍋に入れて一煮たちさせ、鰹節を加えます。この汁をざるで漉すと、ダシのきいた甘じょっぱくて酸味のある汁ができあがります。この汁に「はね出し梅」を漬け込みます。いうなれば、鰹節と醤油風味の梅干になるわけです。
 シンプルな梅干とは違い、醤油やダシやみりんの旨味が加わっているので、B級品の梅干でもなかなか結構な味わいの「番外品」になります。おかかなどをまぶしてお握りの具にすると、梅干でもないおかか握りでもない不思議なお握りになって美味しいのです。漬け汁は冷奴や焼き魚のかけ汁にすると梅風味の合わせ醤油味でさっぱりしててイケるわけよ。
 で、梅干用の甕に保存されているのは、よりすぐりのものばかり。(イヒヒヒ)。「あら〜っ、いい梅干ねえー!」と言わせて褒めさせるコツです。本当は変なものもたくさん混じっていたのだ、アッカンベー。

 梅干は醤油や鰹節とも相性のよい食材ですから、「今イチ」梅を最後の手段で美味しいものに変身させてみてください。

あら、虫の声

 朝晩の風が涼しくなって秋の気配です。夜間、庭の草むらからは虫の声が聞こえます。今夜は満月。そして私はまた一つ年を重ねます。満月1日前の月が東から西へと流れていくのを見届けて、日にちが変わるのを見届けました。月光浴です。月の光は浄化作用があるらしいです。お日様だってたくさんの効用を与えてくれているでしょ。例えば朝日は活力のエネルギーを与えてくれるそうです。逆に夕日は癒しや慰めのエネルギー。つらいことや、悲しいことがあるときには夕日を眺めるといいのです。夕日を浴びると涙が出てくるのは慰められている証拠です。
 そういえば、教室に以前、めちゃくちゃ夕日が好きな男がいたなあ。真っ赤な夕焼け色が好きで、何でもかんでも夕焼け色にしちゃうヤツが。よほど慰めが必要だったんだろうなと思ったけど、…別に慰めてはやらなかった。
 頑張りたいとき、勇気が欲しいときは朝日を眺めるといいのです。今なら朝5時過ぎくらい、空がほんのり菫色になり、オレンジ色に近い金色の朝日がボッと顔を出します。その時間ならまだ光が強くないので、お日様と見つめあうことができます。これ、ホント、元気でるよ。朝日は植物の成長ホルモンを刺激するエネルギーもあります。植物には東日が必要なんですね。たぶん、人間にも必要なのでしょう。元気をだしたいときは早寝早起きすればいいのです。

 心身が痛いときとか辛いときには月を眺めると痛みが和らぎます。
以前、朝日新聞で読んだコラムなんだけど、中東で活動している尼さんの話でした。彼女が強盗に襲われてモノを全部奪われて、最後にいざ後ろから銃殺される…・というときに。「ああ、これでもう殺されて死ぬんだなあ」と思って夜空を見上げると、大きな綺麗な月がぼっかり出ていたんですって。その瞬間、それまで気が狂いそうに怖かったのが急に恐怖心が消え去ったんですって。で…なかなか撃ってこない。後ろを振り向くと、強盗団はどこかへ逃げ去っていたそうです。
 尼さんは別に月の効用を言っていたわけではないけれど、私は月の光の魔法だな…・と思って読んだのです。お月様って確かに神秘的な力、ありますよ。そして、お月様とバトンタッチで顔を出す朝日も本当に強いエネルギーを持っています。

 この夏はハスの花の開花を見るために、嬉々としてアホのごとくに超早寝早起きでした。西へ流れるお月様と東から顔を出すお日様、両方のエネルギーをもらった夏でした。

夏休み教室無事終了

 詩織ちゃんとコウキも参加した夏休み悪ふざけ教室はドタバタのうちに無事終了いたしました。悪がきコーキを怒鳴りつけ、どづきまわしつつ、たこ焼きパンとたこ焼きとソーセージ作り、そしてコーキはメダカすくいを行いました。たこ焼きはコーキのせいであわやドロドロか…?と思われましたが、他生徒のお姉さんたちのスペシャルテクのおかげで、何とか食えそうなものに仕上がりました。

 ソーセージ作りは無塩せきのものと、塩せきのものを用意し、塩せきのものソーセージがなかなか好評でした。(無塩せきのものも美味しかったけど)。塩せきとは、ブロック肉を塩漬けにして、それを塩抜きして常温で数時間ほど熟成(干すこと)させたもので、それを挽いて豚腸に詰めたソーセージです。フレッシュなものとは違い、きれいなピンク色に発色し、味わいも深いのです。塩漬けというたった一手間をかけるだけで、ソーセージはぐっとソーセージらしい風味になります。塩せき、無塩せきの両方を食べ比べさせたのは教室では初めてだったので、みんな「ン^^!本当に味が違うんだねえ〜。」と、なかなか神妙に味わっておりやんした。塩、そして時間のなせるワザなのじゃ。どーだ、まいったかあ!実にためになるパン教室でございます。

 で、肝心のパン。ああ、これはもう、みんな……どーでもいいわあ^^んというアホンダラ状態でございました。実に感心な方々で、人間ができておいでです。

 来週はマジメにパン作りを行いましょう。