あら、虫の声

 朝晩の風が涼しくなって秋の気配です。夜間、庭の草むらからは虫の声が聞こえます。今夜は満月。そして私はまた一つ年を重ねます。満月1日前の月が東から西へと流れていくのを見届けて、日にちが変わるのを見届けました。月光浴です。月の光は浄化作用があるらしいです。お日様だってたくさんの効用を与えてくれているでしょ。例えば朝日は活力のエネルギーを与えてくれるそうです。逆に夕日は癒しや慰めのエネルギー。つらいことや、悲しいことがあるときには夕日を眺めるといいのです。夕日を浴びると涙が出てくるのは慰められている証拠です。
 そういえば、教室に以前、めちゃくちゃ夕日が好きな男がいたなあ。真っ赤な夕焼け色が好きで、何でもかんでも夕焼け色にしちゃうヤツが。よほど慰めが必要だったんだろうなと思ったけど、…別に慰めてはやらなかった。
 頑張りたいとき、勇気が欲しいときは朝日を眺めるといいのです。今なら朝5時過ぎくらい、空がほんのり菫色になり、オレンジ色に近い金色の朝日がボッと顔を出します。その時間ならまだ光が強くないので、お日様と見つめあうことができます。これ、ホント、元気でるよ。朝日は植物の成長ホルモンを刺激するエネルギーもあります。植物には東日が必要なんですね。たぶん、人間にも必要なのでしょう。元気をだしたいときは早寝早起きすればいいのです。

 心身が痛いときとか辛いときには月を眺めると痛みが和らぎます。
以前、朝日新聞で読んだコラムなんだけど、中東で活動している尼さんの話でした。彼女が強盗に襲われてモノを全部奪われて、最後にいざ後ろから銃殺される…・というときに。「ああ、これでもう殺されて死ぬんだなあ」と思って夜空を見上げると、大きな綺麗な月がぼっかり出ていたんですって。その瞬間、それまで気が狂いそうに怖かったのが急に恐怖心が消え去ったんですって。で…なかなか撃ってこない。後ろを振り向くと、強盗団はどこかへ逃げ去っていたそうです。
 尼さんは別に月の効用を言っていたわけではないけれど、私は月の光の魔法だな…・と思って読んだのです。お月様って確かに神秘的な力、ありますよ。そして、お月様とバトンタッチで顔を出す朝日も本当に強いエネルギーを持っています。

 この夏はハスの花の開花を見るために、嬉々としてアホのごとくに超早寝早起きでした。西へ流れるお月様と東から顔を出すお日様、両方のエネルギーをもらった夏でした。