梅しょうゆ漬け

 セミの声も終盤ですね。セミの鳴き声が聞こえるうちに梅干の土用干しを済ませます。
 梅仕事の総仕上げを終わらせてから、ちょっとしたお楽しみで作る我が家の変わり梅干があります。しょうゆ漬けです。

 土用干しを済ませて梅干を甕に熟成保存するときに、梅干を1個1個チェックします。全部が全部、きれいに出来上がっているとはかぎりませんからね。実が破れたつぶれ梅、うらなりのものが混じっていてやけに小さくてシワシワの硬いものなど、結構「はね出し品」が出るものです。ウチの場合は小瓶に3,4本は出ます。このようなものを味付けのしょうゆ漬けに再加工します。
 しょうゆ、みりん(場合によっては砂糖などの甘味を加えることもある)、梅酢を各好みの配合でブレンドし、鍋に入れて一煮たちさせ、鰹節を加えます。この汁をざるで漉すと、ダシのきいた甘じょっぱくて酸味のある汁ができあがります。この汁に「はね出し梅」を漬け込みます。いうなれば、鰹節と醤油風味の梅干になるわけです。
 シンプルな梅干とは違い、醤油やダシやみりんの旨味が加わっているので、B級品の梅干でもなかなか結構な味わいの「番外品」になります。おかかなどをまぶしてお握りの具にすると、梅干でもないおかか握りでもない不思議なお握りになって美味しいのです。漬け汁は冷奴や焼き魚のかけ汁にすると梅風味の合わせ醤油味でさっぱりしててイケるわけよ。
 で、梅干用の甕に保存されているのは、よりすぐりのものばかり。(イヒヒヒ)。「あら〜っ、いい梅干ねえー!」と言わせて褒めさせるコツです。本当は変なものもたくさん混じっていたのだ、アッカンベー。

 梅干は醤油や鰹節とも相性のよい食材ですから、「今イチ」梅を最後の手段で美味しいものに変身させてみてください。