ソースを作っているところを決して見てはいけませぬ

 さて、午前中に魔女宣言をいたしました私。

 さっそく冷凍庫の「容疑者」たちを全部引っ張り出し、選別作業を始めました。容疑者は全員凍てついて青ざめております。

 食欲の秋の料理や、クリスマス料理、おせち料理の後とあって、野菜くずは持て余すほど豊富です。

 大型冷蔵庫2台、冷凍庫の中は、ずいぶんとスカスカにスペースが空きました。(内容物のほとんどが、野菜「くず!」だったのです。)

 煮溶けるものと、煮溶けないものを分けて、大鍋二つに放り込みました。煮溶けないものはブイヨンにするためです。疑わしきものは、ブイヨンの鍋です。これは、裏ごしせずに、ザルでこしてブイヨンを引きます。人参、玉ねぎ、セロリ、パセリ、他の青菜類などは、ウスターソースになります。

 まだ、ウスターソースとしての本格的な煮込みには入っていないのです。この選別作業で、味が決まるので。

 台所のガス台では、ただいま大鍋二つが地獄谷のごとくフツフツと煮えています。

 かたや、フルーツ(リンゴやミカン)や、ドライフルーツ類(ナツメやプルーンやいちじくなど)を下準備しておきます。まあ、こちらは可愛いもんです。

 ブイヨン引きの方の鍋の中は、今や混迷を極めるカオスと化しています。鶏の足の骨が、にょっきりと浮き上がってきました。

 写真は、ウスターソースの下処理用の煮鍋です。ブイヨンの鍋は、あまりのおぞましさに画像を掲載することができません。

 いえ、それ以前に。

 二つの鍋に材料を放りこむ時の、この世のものとは思えぬ風景をお見せすることすらはばかれるのです。何故に、このようなものまで冷凍保存してあるのだ?と、我が脳みそを疑いたくなるようなものまで…・。

 一人で、イヒヒヒヒヒヒと笑いがこみ上げてくるのです。

 いいですか。私が、ウスターソースを作るところを決して見てはいけませんよ。

 い〜ですかあああああ…。決して、けーっして、見てはいけませんよお〜〜〜。

ウスターソース日和

 まだ、少し若かったのですが、柿酢を搾りました。(柿を放っておくだけで自然にできちゃうので、これは実に簡単です)。

 我が家五大調味料のひとつであるウスターソースが、残り一ビンとなったからです。

 まだ、少し若かったのですが、みりんの上澄みも採取しました。

 昨年、あちこちからいただいた果物が、まだ残っています。リンゴもミカンも、ひからびはじめ、私の顔のようなシワができています。

 自家製の酢、みりん、醤油などを調味料にして、野菜、果物、スパイスを煮込んで、ウスターソースを仕込む日曜日です。

 ニンニクも、ショウガも酢漬けにしたものが、たっぷりとあります。冬のローリエは、夏場のものとは違い、葉が硬くしっかりとしています。冷凍庫の中には、野菜くずが、たんまりと冷凍されています。イワシの塩漬け(油を入れていないアンチョビ)に至っては、今や遅しと身溶けしそうなほど発酵と熟成が進んでいます。

 冷凍庫で凍てついているパセリやセロリの枝茎、ニンジンや玉ねぎの皮、ブロッコリーやキャベツの芯や緑の葉などをそうざらいで引っ張り出します。

 あ、そうそう。トマト水煮缶くらいは、買ってこなければね。でも、他の材料は、全て良い状態で「保存(?)」されています。

 本来なら、ゴミ箱に放り込まれるような食材が、とても美味しいソースに変身します。魔法使いの魔女気分になれる日。こんな素敵な気分はないです。

 家中に漂うスパイシーな香りの湯気が好き。昨日の寒い初雪とは打って変わり、雲ひとつないキラキラ青空の本日。

 本日、私は魔女になります。

 時々、魔女にでもならなきゃ、うちの冷蔵庫や調味料棚が収拾つかず、整理できないのよ!

 捨てるのではなく、美味しいソースに作り変える。生産的魔女仕事でしょ…。(と、言い訳しておく)。