あられ糖は今や死語?

「めんどくせー」という本心に抗い、立川の富沢商店まで電車で出かけ、とあることを確認してまいりました。

 粒状に結晶した砂糖が「あられ糖」と、風情ある和名で呼ばれていたのは、今や昔の話でございましたわ。も、もはや、死語です。ババア語です。

 いまは、いろいろあって、ポップシュガーだのメルヘンシュガーだの、ハイカラなカタカナ語シュガーが、たくさん並んでおりやんした。

 若い店員さんに「あられ糖、ありますか?」と尋ねたら、キョトーン「?」。「あられ?あられ・・。あ、あ、あれあれ、あれだ」「いえ、あられ、ですよ」。「ええ、これですね」。

 はい、これですよ。名前、違うじゃん。でも、「ベルギーワッフルなどに使う」などと、ちゃーんと但し書きされている。

 で、右の砂糖が「死語・あられ糖」です。左側は、これも役立つ「ざらめ」です。ところで、ざらめという言葉も通じないですか、今は?ざらめも死語か?

 日本のざらめには「中双糖」と書かれていました。写真のざらめはマウイ島のキビ糖のざらめです。(日本のざらめはカラメルで着色しているだけなので、使いません。キビ糖のままの色のざらめを使います。)

 たかが、ワッフルのために、死語・あられ糖とざらめを買って来ました。

 はい、これで、29日の「スィーツなお教室」で、ワッフルも、できるようになりましたね。(無塩バターは、やはり品切れでした。やむなく、有塩バターを買って来ました。生地に配合する塩を控えて誤魔化すつもりです。味は絶対に無塩バターのほうがいいのですが、やむをえません。)

 

酵母ワッフルお急ぎの場合は

 捏ねた生地を冷蔵庫の中で2、3日間も忘れっぱなしの後に焼くなんて、待ちきれないよお…という貴女へ。

 お若い方は、「物忘れ」という熟練を要する才能に劣り、事急く傾向にあるようです。

 この才能は、いずれ、誰もが、年輪を重ねつつ習得していく人類の叡智です。今は未熟でも、ご自分を卑下する必要はありません。大丈夫です。いずれそのうち貴方も、こちらの世界に来ることでしょう。

 本日は、昨日の続きです。ところで、昨日って、何やったんだっけ?二日酔いだったことだけは覚えている。

 本日は、物忘れの才能がない貴女のために、捏ねた生地をすぐに焼き上げる方法です。

 早い話、生地を冷蔵庫に入れずに、常温(今の季節なら20度くらい)に一晩、放ったらかしておけばいいだけのことです。
 この時期なら、一晩で十分に発酵します。翌朝、すぐに焼き始めることができます。

 ただし、酵母菓子の生地は、パンのようによく捏ねないので、(十分なグルが組成されていないせいで)、だれた(べとついた)状態で膨れています。

 このような生地は分割、成形に、手こずります。ですから、ガス抜きした後、1時間ほど冷蔵庫に入れて、生地を落ち着かせてから、分割、成形の作業に入ります。
 分割、成形の後に、1時間ほどのベンチタイム。そして焼成です。低温長時間発酵の生地とは微妙に違い、パンっぽいフワフワ感のあるワッフル生地になります。

 どちらが好きかは個人的好みです。焼き上がりの見た目は写真のとおり、どちらも同じようなものです。中の気泡の感じが違うだけです。

 ちなみに、落ち着かせるつもりで冷蔵庫に入れた生地を2日間も忘れるということもあります。(生地は落ち着きすぎます。)

 私の好みから言えば、パンっぽくフワフワにしたものには、パールシュガー(あられ糖)を後入れで配合したザクッと感が欲しくなります。

 で、このパールシュガーを立川まで買いに行くのが、めんどくせえのです。行ったとしても、ほかの材料を買い込んでいるうちに、あられ糖のことなんか、すっかり忘れ、買わずに帰って来るのが常です。ここまで来れば達人です。