ウマかったわよ

 作っている最中のタレばかりをなめても、本当の味は分からないと思い。

 牛肉を買ってきて、タレに浸して焼いて試食してみたのよ。

 2枚ばかりを食べただけなんだけど、ねえ、ちょっとー、メチャウマいじゃございませんか。

 モランボンもエバラもしのぐ味だわ。

 もし、うちのパン教室つぶれたら、あたくし焼き肉屋になるわっ!

 でもね、ちょいと疑問の部分もあるんだけどさ…。

 いつもなら、「国産牛肉680円・特価」を買うんだけど、今回は正月セールということもあり、高級品がずらり。

 おなじみの安いものが見当たらないのよ…。

 印税が入った月というのもあり、気がでかくなっているわたくし。つい見栄をはって、霜降りのええとこ1480円つーのに手が伸びてしもたわ。

 ねえ、ちょっとー、おくさ〜ん。

 高い牛肉って、ウマいのねえ。

 知らなかったわ。

 あのね。

 もしかしたら、もしかして。

 焼き肉のタレがウマいんじゃなくて、単に肉がウマいだけなのではないかと。

 そのような疑問が残っているのよ。

 プロの焼き肉屋のタレって、安い肉でもウマくしてくれるでしょう。

 高い肉なら、塩だけでも十分にウマいはずよねえ…。何つけたって、ウマくなるわよ。

 試食担当部長にも、明日食べさせてみよう。エバラか、モランボンか、はたまた、弘子か?

 たぶん、肉のせいでウマいだけと言われそうだな。

 血汁の滴る焼き肉の写真では、今一つ絵柄に風情がないので、庭に咲いた和水仙の画像にしてみました。今年はたくさん咲いてくれました。

 

冷蔵庫クリアランス焼き肉のタレ

 おせちづくりの前に、あたくしにはやらなければいけないヘビーデューティーの作業があるのです。

 「冷蔵庫クリアランスクッキング」。

 今年の残り物の調味料を在庫整理かねて使い果たす作業です。

 瓶の底に半端に残っている甘味噌だの練りゴマだの。ジンギスカンのタレだの中華調味料だの。コチュジャンだのトウバンジャンだの。ニンニクペーストだのチリソースだの。

 今年も、よくもまあ、こんなに調味料を作ったものだとあきれ果てるくらい、いろいろ出てくるのですわ。

 焼き肉のたれづくりに使えそうなもの全部を鍋の中に入れ、しなびたみかんやリンゴの汁を搾り入れ、ショウガやらニンニクやら、それっぽい薬味も入れ、醤油やみりんや酒も入れて。

 ことこと煮たてて一度漉し。

 漉し汁をまたことこと煮て味を整える。

 で、この段階で、すでに何度も味見しているせいで味覚が鈍くなっているのよ。どんどん濃い味になってきちゃった…みたいだわ。やばいかも。

 お休みを入れて、鼻と口を「焼肉のタレ」から引き離している最中。

 ここで頑張って続けちゃうと、ますます味を変にして、結局は失敗するのが常なのです。

 頑張ると、五感がますます鈍くなっちゃうからねえ。

 うちの教室の合言葉は「頑張らないで!」なんですよ〜。

 みなさ〜ん。おせちづくりも、そろそろ気になってきたころでしょう?

 頑張らないでねーーー。私も頑張らずに、だらだら始めますわ。