甘露煮

 寒くなると、甘辛くこってり煮つけたものが欲しくなります。

 冷凍庫で眠らせていた天然鮎を甘露煮にしてみました。お向い宅のご主人が、釣ってきてくださったものです。

 素焼きしてから、酒、みりん、醤油、砂糖、だし汁で長い時間煮込み、頭も骨も柔らかくしました。(天然鮎は貴重品ですから、頭も骨も全部たべられるようにしたかったのです)。

 うまい、うまいと試食担当部長と食べたら、教室の人数分に不足になちゃったわ。今回は定員ギリギリの8名。鮎の甘露煮は7匹。1匹たらんのだっ!

 わしが食ってしもうたのだから、しょーがないわ。

 あわてて、みがき鰊ソフトを買ってきて、季節相応に、みがきニシンの甘露煮にすることにしました。

 パンに合う…わけないでしょ。ご飯炊くわよ、ごはん。今週は、麹や味噌がサイドメニューなんですから、和、わわわわわ〜でいくわよっ、わっ。(来週はクリスマスメニューを意識した洋風の料理にする予定なので、何が何でも今週は、和!)

 あのね…。

 仕込み味噌に使う重石用の漬物石、只今、水道コックの上に山積みなの。

 それは先日、草木も眠る丑三つ時のことでした。

 台所から、すごい勢いで水道の水が流れ続けている音がするわけよ。滝のように。

 ?????・・。変だな。・・???

 と思って、台所に行きましたところ。

 試食担当部長が、手にガムテープとはさみを持って、ワナワナしながら蛇口を睨みつけていたわ。

 「どーしたの?」「水が止まらなくなったんだっ!」「パッキンが老朽化して壊れちゃったのね〜。アハハハハ!」「緊急事態だろっ!」

 彼はパニックで、怒りにも近い尋常ならざる顔つきでした。非常に危険な状態である。

 が、それにつけても、ガムテープ…。???…。

 ガムテープ?。

 パッキン壊れてコックが効かなくなり、水圧いっぱいに流れ出てくる水道水。

 で、ガムテープ?。

 ガムテープでは、ゴムパッキン壊れて噴出する水道水を、止められるわけござんせんでしょ〜。

 水圧と逆のベクトルからプレスかければ、簡単に止まるものです。

 あたくし、レンガと漬物石を持ってきて、壊れたコックの上にドーンとのせましたわよ。

 滝のように流れ出ていた水は、ピタッと止まりましたわ。あはははは。

 呆然自失とした顔で、アゼーンと蛇口を見つめる試食担当部長。

 ガムテープ。

 アハハハハハハ!笑いが止まらないあたくし。

 ということで、教室の左側水道コックの上に積み上げられた漬物石には、明日、絶対に触らないでください。漬物石をはずすと、水道の水がとめどなく流れ出します。修理は教室を終えた日曜日以降にします。

 閉まらなくなった水道コックの連絡で〆てみました。