野鳥との攻防

 凍てつくほど寒ーーーーーい日が続いているわ。しばれる。

 大根だの白菜だのをこの寒気にさらしておくと、甘ーくなって美味しくなるわよね。寒気の有効活用法。

 春が来る前の一番寒い時期。木の芽時も遠からずだけれども、まだ、わびしげな風景が広がっている。

 自然界の餌が少ないのでしょうね。野鳥たちは今が一番腹っぺらし。

 2月の極寒の時期だけは、庭にパン屑をまくのよ、わたくし。

 動物愛護精神じゃないわ。私の干している野菜を守るためよ。ヒヨドリなんぞは、ハチャメチャ食欲旺盛でして…。下手すりゃ、野菜にまで手を、いや、くちばしを出すんですもの。

 今日なんて、大サービスよ。クロワッサンをたくさんまいておいたわ。昨日は食パンを山ほど。今朝見たら、1かけらの食パンも残っていなかった。食いしんぼうめ。

 野鳥にも人気の自然発酵種の酵母パン教室。

 鳥たちの行列ができる酵母パン教室。

 この冬最大の大損害の話。お向いさんからいただいた家庭菜園の「長いも」。小ぶりなサイズだったけど、とても美味しそうだった。(→だった、という過去形よ)。

 1本ずつを新聞紙に包み、(たぶん数本あったはず→過去形よ)スーパーのレジ袋に入れて、戸外の干場(→ビールケース)に置いておいたの。山かけ毎朝食べられる〜とか、たこ焼きやお好み焼きたくさん作れる〜とか楽しみにして…。

 それが、一夜にして消え去ったわ。袋ごと、全部。

 嗚呼、カラスさん、カラスさん。あーたね、1、2本くらい残しておいてくれてもいいじゃございませんかっ!

 袋ごと、ぜーんぶ持って行っちゃうなんて、ヒドイわ…。そりゃ、袋の持ち手をくわえると、一挙両得に全部持って行けちゃうでしょうけどね。でも、あんなにたくさん、重かったでしょうに。

 子供にでも食わせるため、重くても巣まで持ち帰っちゃったんでしょうね。お母さんカラスかな。母は強しだわ。

 まるでスーパーの買い物帰りみたいに、重たい袋をぶら下げたカラスが、懸命に飛び去っていく。

 たぶん、今頃、私を見下ろし「アホ〜、アホ〜」と鳴いていることでしょうよ。

 以来、私は学習し、絶対に野菜をスーパーのレジ袋に入れて外に置かなくなったという話です。

 私より、カラスのほうが頭いいらしい。