酒肴でも薄紅ごと・白滝の真砂和え

 ピンク色探しが忙しい花の季節です。桜が花吹雪となって、散るまでの短い間だけです。

 そんな薄紅色ごとをかき集めては、食卓の上に置きます。

 白滝の明太子和え。(真砂和えです)。

 シャッターを押す直前に、ホロリと落ちてしまった花びらのような、辛子明太子のひとかけらだけに、思わずフォーカスを合わせてしまいました。

 白滝はこんな黒よりも、白のほうが、もっといいですよね。そのほうが、春らしい薄紅色が映えます。

 白滝は水煮してゆでこぼして、アクと臭みを抜いてから、食べやすい長さに短く切ります。油でいためた後に、だし汁や酒、ほんの少しの塩やみりんや白醤油などで煮詰め、あとは好みの量の辛子明太子を混ぜ加えて、サラサラに炒り込むだけです。とても簡単な酒の肴です。

 こんなにもシンプルなものが(誰にでもおなじみの酒肴が)、やけに美味しく感じられる春です。

 ご飯にも合いますが、何だか急に、日本酒が飲みたくなってきました。

 久々に晴れた薄紅色の春の夕暮れどきです。

今週のパン・プチパン

 小さな丸いフランスパンです。

 粉、塩、水だけのパン生地は、中種と同様のもので、基本中の基本。そして、生地を丸めるという成形も、成形の基本中の基本です。

 シンプルなものが、実は一番難しいんですねえ…。誤魔化しがききませんから。一番大事なアイテムです。

 また、リーンなパンは、発酵タイミング見計らいの許容範囲が狭く、すこしでも未然でしたり、逆に過多でしたら、即・不出来なものになります。

 バゲットのように、クープを入れるものは、焼き上がりの形が整いやすいのですが、ただ単純に丸めただけの成形生地の焼成は、種の未熟さや成形のまずさが、すぐに現われてしまいます。クープを入れるもののほうがラクです。

 つまり、クープを入れない丸いフランスパンは、いい加減で大雑把な私が、実は一番ニガテとするアイテムです。教室のアイテムにする場合でも、心中、ビクビクものです。

 ですから、滅多にやりません。

 が、今週は、あえてやりまーす。今週は、新人さんや新しい仲間たちが、大勢の教室ファミリーです!!ドキドキですが、嬉しいなあ〜♡♡春ですねえ。4月初日の新学期開始です。(これでまた、乾杯!の理由ができたね!)

 シンプルな基本パンごときで、アタフタおろおろするアホなわたくしめを曝してしまうほうが、教室の素地が分かりやすいでしょう。新しい人たちも、ホッと安心できることでしょうし。

 フランスパンづくりには、3,4日間ほど熟成させた中種を使います。が、が、が、しかし、写真のサンプルパンの中種…。私、何を勘違いしたのか、中種を6日間も寝かせちゃっていたんです。(ほらね、もうすでにドジっているでしょ)。

 「超熟」ですわ。

 このような場合は、30%くらいの使用(たとえば、本配合粉300gなら、種90gくらいの感じ)に減らします。

 超・熟しちゃった種は、使用量を減らすことによって、若過ぎる種(当日〜2日目種)よりも、ベターな焼き上がり状態が得られます。詳しくは、お教室にて!