ちょいと大人っぽい形に仕上げたレモンケーキ

 焼き型を変えただけで、あのレモンケーキとは思えないような清楚な姿のケーキになりました。これも、二人展用。

 レモンケーキじゃなくて、「ガトー・シトロン」とかつー名前にしちゃおう。その方が、かっこいい。

 一切れずつ、個別包装にしようとして、げげっ今、気がついた。包装資材を買い忘れていた!や、やばい。日曜日だ。資材屋さん、休業日だわ…。

 もう、間に合わないもんね。明日の昼前には出かけちゃうんだから。

 えーい、もうこうなりゃ、包装なんて、どうでもいいや。切ったケーキをオーブンペーパーで煙突みたいに包みこんで、ポリ袋にぶちこんだ。このずさんな包装のまま持っていく。相変わらず、やはり、荒っぽい。お祝いのプレゼントには、到底見えん。

 ガトー・バスクは、贈答品で頂いたタオルの化粧箱に、ぴったり収まった。廃物利用とは思えないほど、ぴったりサイズだ。パチ、パチ、パチ!

 昼飯用に差し入れるお稲荷さんの具や皮も煮込んだし。まるで、遠足前みたいに、かいがいしくキッチンママドンナした日曜日。

 あとは、駅の階段を踏み外してコケて、全てをグチャグチャの台無しにしないように気をつけなければ。この手のドジは一番の得意技だからな。

ガトー・バスク

 フランス・バスク地方の素朴な焼き菓子です。

 この生地も、しっかりと一晩寝かせてから焼きあげるほうが、風味が増すお菓子です。(もちろん、仕込んですぐに焼きあげることもできますが)。

 ですから、私は、この生地にもパン種を種付けして、一晩寝かせています。発酵風味がほのかに添えられるので、ますます風味が深まります。

 ケーキ生地というよりは、アーモンド粉のクッキー生地です。本場ではダークチェリーなどを中のフィリングにするそうです。

 今回は、(ダークチェリーなんぞはなかったので、手持ちの)、ラ・フランスのジャムとドライいちじくと、カスタードクリームを中にはさみこんでみました。

 静の二人展に差し入れする前に、先ずは教室のみんなが「お毒見」。大好評をはくしました!(まだまだイケそうな熱烈ムードだったので、あわてて静の分を冷蔵庫にしまいこみました。)

 今度は小型のガレット型で、小さな1個ずつサイズで作ってみようと思います。(カットする手間が省けるでしょ。)

バスク生地;中種80g、薄力粉180g、アーモンドプードル80g、無塩バター150g、砂糖150g、たまご2個、柑橘系の皮みじん切り適量、塩小さじ2分の1

カスタード;牛乳200cc、卵黄2個、砂糖大さじ5、薄力粉大さじ2、ラム酒とバニラ適量

 中種と小麦粉は、ガーして粉にしておきます。バター、砂糖、塩、たまご、プードルを順次加えつつ攪拌してクリーミング。ガーした粉をねちねち混ぜ込んで、仕込み完了。あとは、明日まで室温で放っておきます。(保温する必要はありません。常温での低温長時間発酵にします)。

 翌日になったら、自分の都合のよい時間に焼成準備。18cm丸型の内側に油脂を塗り、生地の半分量を底に敷きつめ、カスタードと果物をその上に敷き、さらに、その上に、残りの生地を敷き詰めます。とき卵を表面に塗り、フォークで十文字の格子模様をつけて(バスクの十文字とか言うらしい)、170〜160度で45分ほど焼きます。

 完全にさめてから(あら熱が取れたら冷蔵庫で冷やす)、切り分けます。で、この冷やすのに、すごく時間がかかるのです。非常に冷えにくい焼き菓子なのです。

 朝に焼き上げたのですが、昨日の教室時間になっても、実は、まだきれいには切れない状態でした。それでも、強引に切ったら、あちこち、ボロボロと欠けちゃいました。

 とても美味しいのですが、なかなかスローなお菓子です。焼きたての熱々も悪くはないので、今度は、絶対に小型だな。切り崩しもないしね。