プルマンブレッド 今週のパン

 どこにでもある何の変哲もない角食パン。旅客列車を考案した技術者プルマンの名を冠したパンです。プルマンの列車の食堂車で初めてサンドイッチ用のパンとして作られました。…旅客列車の旅のパン。まあ、こう考えると、変哲のない角食パンもな〜んとなく優雅な気分がしてくるから不思議です。フランス語ではパン ド ミ。パン・ドまでは分かるけど、「ミ」は何の意味?誰か調べてきてくださーい。

 これは捏ねが長くなる疲れるパンです。配合はリーンです。淡白な味のパンだけに、発酵の最大スタートである捏ねが充分に適正でないと美味しいものにはなりません。で、それで、つい粉に全粒粉を混ぜてみたり他のものを配合して誤魔化したくなるわけよ。
 もともとは上流階級の貴族的パンだったわけだから、本当はカンパーニュみたいに粗製粉を足しちゃいけないのよね。健康志向のパンではない。
 ついでに言うなら貴族的サンドイッチの具はシンプルです。バターときゅうりの薄切りだけだったり。(つまり、他にいいもの食っているから、サンドイッチパンごときで栄養満点にする必要なんかなかったわけよ。)
 で、庶民たるやサンドイッチだけで腹ふくらませなきゃいけないわけだから、ビンボ人のサンドイッチは具が豪勢になる。ウチのサンドイッチの具は豪勢だよ!サンドイッチはビンボリッチだ。そーいやあエールフランスのサンドイッチの具はケチくさかったな。ローストビーフ1枚とか、レタスとトマトだけ、とか。貴族趣味のつもりだったのかなあ?私は庶民のサンドイッチのほうが好きなんだけどなあ。
 学生の頃、喫茶店でよく出されたチーズトーストもこのパンだった。3cmくらいに分厚く切ってチーズをたっぷりのせてトロ〜っと焼いてあったね。学校給食も、コッペパン以外の日はこのパンを3枚。起源は別として、やけに懐かしい角食パンです。