今年初 小梅の塩漬け

 まだ走りで梅は高いままですが、我慢できずに熟した小梅を塩漬けしました。今年第一弾。
 私はいちどきにたくさんの梅を買えないので、走り、旬、末成り…と何度かに分けて梅を漬けます。そして、このほうが塩梅いいわけ。なぜかというと、最初に漬けた梅の酢(梅から出る酸っぱい汁を梅酢といいます)を順繰りに使いまわすからです。
 一番最初の梅漬けは20〜18%塩で漬けます。しっかりとした塩分なので、梅酢の上がりもスムースです。(6月初頭の走りに。)
 旬(6月半ば)になると、肥え太った盛りの梅で10〜15%くらいの梅漬けを漬けます。そして、この際に梅酢の上がりを助けるために、先に仕込んでおいた梅漬けの梅酢を呼び水として混ぜ加えるのです。
 塩控えめの梅漬けの失敗は梅酢の上がりの悪さにも原因があるのね。ですから、先の梅酢で次の梅酢の上がりを促進させます。このやりかたで、塩控えめの梅干作りを失敗させたことはないですよ。

 作りなれない人が初っぱなから低塩梅干などに挑戦すると、失敗することがあります。がきごき硬くしたり、腐らせたり。ある程度、きちんとした塩量(18%くらい)を使うほうがうまくいきますよ。低塩にして腐敗防止のために焼酎などをたくさん使うと、梅干本来の本当の美味しさを損ねることにもなりかねないし。

 市販の極低塩の梅干はね、先ずは普通に強い塩で漬けてから、それを水に浸けて塩抜きしたものを再度調味料などで味付けし直すんだよ。それじゃあ本当の梅の美味しさも良さも効用も、全部捨てているようなものじゃないですか。「健康のために低塩梅干を買っている」などと言う人は、梅干のご利益にはありつきがたいんだけどなあ…。自分で漬けるが一番なのですよ。そして、天然にがりをたっぷりと含んだ良い塩を使ってください。塩は粟国の塩が一番です。ゲラントも悪くないね。まあ、どちらとも、少々値は張りますが、値段以上の美味しさと効用があります。塩は絶対にケチらないこと。これが梅干作りのポイントです。