メザシを作ろうと大量に買い込んだシコイワシの中から、1匹だけマメアジが出てきた。金魚サイズのチビちゃんです。
こいつ、仲間の群からはぐれて、黒背イワシの群に紛れこんじゃって、自分のことを死ぬまでイワシだと信じ切って生きてきたんだろうなあ。
そして、イワシと一緒に捕まって、イワシとともに死に、イワシと並んでメザシにされて、焼かれてしまったマメアジです。
このマメアジの人生は、はたしてこれで幸せだったのか、それとも、ただのマヌケだったのかと、深刻に考え込むほどじゃないけどね。笑えるような、あわれなような。
あわれも幸も不幸も考えず、大海を群れなして泳ぎ、一網打尽に捕まって、人間に食われて往く雑魚たちの偉大さよなあ…。合掌。ありがたや、ありがたや。