塩漬けの済んだサンマ

 魚の糠漬けを作るために、下ごしらえとして4日間ほど塩漬けにしたサンマです。(ニシン、イワシ、サバなどでもOKです)。きれいなピンク色に発色してくれました。もう、これだけで十分美味しそう。ジュルッ…。魚は刺身でも食べられる新鮮なものを使います。この段階では単なる塩辛です。

 これを米糠に漬け込みました。

サンマ4尾(正身500g・10%塩で塩漬け・塩分はもっと高くしてもいい。長期保存したければ、塩分を25%くらいまで高くしてください。今回は少量なので、長期保存はしません)。
米ぬか300g+塩大匙3+焼酎60cc+薬味(赤唐辛子など)をミックスした糠床で、魚を包みこむように覆い、重石(2k)をどんとのせて、仕込み完了。

 あとは発酵するのを待つだけ。もっと涼しければ常温に置いて発酵させるのですが、東京はまだ、残暑で油断ができない。しょうがないのでとりあえず冷蔵庫へ。(もっと涼しくなったら外に出してしまいます。冷蔵庫の中では邪魔なので)。
 半年以上寝かせると最高に美味しくなるのですが、待ち切れない場合は1か月後くらいから食べ始めても大丈夫です。まあ、発酵具合を見ながら…決めますけれども。プーンとナンプラーみたいな匂いが嗅ぎとれれば発酵しているのでOKです。(今回はたぶん、1ヶ月目早々に食べ始めちゃうと思うよ。本の原稿用の写真撮影さえ済ませたら、あとは胃の腑に収めるだけですから。)

 糠を洗い流したあと、軽く焙ってからいただきます。若狭の「へしこ=魚の糠漬け」は生でも食べるらしいけれど、私は生で食べたことはないなあ…。

 今回は少しだけ生食してみようかなあ…。

初物の無花果

 ノーブンキョーのY氏が、田舎から送られてきたという無花果を持ってきてくださった。九州のいちじくをいただくのは初めてです。

 嬉しい初物。秋だなあ…。

 いちじくは肉組織の分解酵素を持っているので、ロースト肉の浸け汁に刻んで入れたり、コックドヴァン(チキンの赤ワイン煮込み)などの煮込み料理に加えるなど、料理にも活用できます。(ドライも可です)。洋風のソース作りにも使えますし、生野菜サラダに飾ってもきれい。
 ワインとの組み合わせがよく合うので、コンポートのようにワインで煮て保存しておいてもいいです。ときたま、発酵してしまい、ギョエッ!ということも起きるけれど。

 天然の酵母を豊富に持っているので、とても発酵力の強い果物です。(当然、○○作りなどの発酵起爆剤にも使えます。○○の部分は勝手に美味しいものをご推測ください)。

 発酵力の強い素材を見ると、素直にそのまま食べてしまうのは、どこか口惜しくなります。「今度は何にしてやろうか…」などと、ついつい、考えこんでしまう。

 ケーキなどの焼き菓子に使う場合は、横半分に切って冷蔵庫の中で半乾燥状態にして(つまり、ちょっとしなびさせてから)生地に投入して焼くと、色も形もきれいに残ります。(新鮮なままで使うと水分が多すぎて生地をダメにしちゃう場合があるから気をつけてね)。たとえばパウンドケーキ生地やクラフティー生地などを型にながし入れて、無花果の切り口が見えるように並べて焼くと、メチャ可愛いのです。

 そのまま食べても美味しいけれど、料理やお菓子作りに、挙句の果ては○○作りに、旬のいちじくを活用してみてくださいませませ。