徳島の森本さんから無農薬の梅が届きました。5月からの天候不順がたたって、今年の梅の出来はさんざんだそうです。斑点病(梅のソバカス)が広がって、3分の1は廃棄だったそうです。無農薬栽培というものは、こういうときに弱い…と言っていました。
それでも恵贈いただいた初夏の果実。木成りのへたの部分も図太く、実もパツンパツンに緻密に詰まっています。昨年5月の末は赤や黄色に完熟していた森本梅ですが、今年のものは6月半ばだというのに未だ青いままです。たしかに、ソバカス模様も多いです。その上、教室の日もまた外してしまいました。(21日が料理教室です)。
今年、私の梅仕事の目的は「梅干作り」ではありません。ですから、むしろ青いほうがいいくらいです。無農薬であることも本当にありがたい。今年は白梅酢をたくさん作ろうと思っているのです。青梅の強力な抗菌性と強烈な酸味が必要です。青梅を塩漬けして出た汁が白梅酢です。この梅酢で昆布だしを引いて昆布の底味をつけます。これをご飯炊き水に適量忍ばせると、ご飯がふっくら炊きあがるのです。そして、冷めてもパサつかず、しっとり柔らかいままです。保存性も上がります。みりんか蜂蜜も極少々、ばれない程度に添加します。これは米を包み込む働き。言うなればカプセル効果です。ご飯をツヤツヤに仕上げます。梅12kから、かなりの量の梅酢が取れるので、当分使えます。もちろん、梅そのものは梅干になります。そのままでは硬めの梅干に仕上がるでしょう。柔らかくしたければ、梅酢を煮立てて一回しかけて梅に熱が通る状態にすれば、硬い梅干なんぞは簡単に柔らかくなります。
不作年の不出来な梅であっても、作り方と使い方次第で、何とでもなりますし、有用に活用できます。