低塩豆鼓醤(トウチジャン)は大失敗!再度、塩を増やして仕込むハメになった…

 以前、「暖かい季節の豆味噌仕込み」バージョンで、低塩トウチを作るぞー!と、断言したのですが…。

 あれね、失敗しちゃった。温かくなってきたら、乳酸発酵が暴走というか、爆走しちゃって、メチャクチャ酸っぱくなって、ついには「腐敗」。すごい臭いのよ〜。もう、まともな人間の食い物とは思えないほど臭くなった。私ですら食えないほどの臭さでした。なんというか、大豆の腐乱死体とでも表現いたしましょうか。においも嗅げないけれど、目も当てられないほどの悲惨は光景なのよ。あまりにも酷いので写真すら撮れませんでした。台湾などでは臭いほど発酵させた大豆食品などがあるらしい。それって加熱調理するとウソのように臭みがなくなるんですって。でも、私の失敗トウチは加熱すると国分寺南町じゅうに悪臭をちりばめそうなほど凶悪なものだと思う。

 雪辱を晴らすため、今回は低塩ではなく、しっかりとたくさん塩を入れて、粒豆味噌の塩漬けを行いました。黒大豆が「ウグイス豆」みたいになるほど麹カビを生やしてね。それを塩水に漬け込みなおしました。写真は5月25日に仕込んだものです。最初、ウグイス色だった塩水は2週間くらいで醤油色に成長してきました。今度は失敗ナシです。これでほぼ成功。あとは梅雨明けを待ち、夏に天日乾燥させます。浜納豆とか塩辛納豆とか言うのね、日本では。
 中国大陸のトウチとは微妙に違います。大陸のカビはクモノスカビなのです。私のカビは麹菌による麹カビ。日本の菌です。

 麹菌の学術名はアスペルギルスオリゼーといいます。アスペルギルスとは「じょうろ」の意味。菌の形がじょうろににているから。オリゼーというのは米という意味。つまり、米の側にいるじょうろ形の菌という意味ですです。

 米と大豆発酵の麹菌は食文化としてワンセットなんです。味噌、醤油がなくて、どうやって美味しく日本のご飯を食べられるでしょうか。米作りには、しゃかりきになる農耕民族なのに、ペアのお豆さんは自給たった4%しかない。豆粕(脱脂大豆)を外国から安価に輸入し、速醸の薬品作りの味噌もどき、醤油もどきを常食して、それを味噌や醤油の味と信じている。このままでは、日本の食文化は破滅ですよね。(すでに、滅んでいるのか見知れない)。やべーよなあ…。

 やべーやべーと思って書いたお豆さんの原稿。ただいま、第一関門を突破し、少し出版に近づきました。編集部内での企画会議は通ったそうです。この後、月末に会社全体の企画会議で図られることが控えています。
絶対に意地でも本にしてみせます。同時に2冊。