米の花咲き、二日酔いのため息

 種付け(友麹で)してから24時間目の白米。

 米に花と書いて、こうじです。

 米に白い花が咲き始めました。写真で見えますか?まだ、つぼみです。

 このくらいになると、熱を持ち始めます。大きめの飯台に広げて熱を放して呼吸をラクにしてあげます。

 ホンワカと、立ち上る匂いは、二日酔いのため息にも似ていて、ちょいと酒臭いのです。(この瞬間、麹が他人とは思えなくなる。)

 大豆、何度も水を取り換えながら、まだ、コトコト煮続けています。

 麹も順調に成長しそうだし、この分なら、明日の教室は、皆で白味噌を仕込めそうですね。仕込んだら、2週間ほどで完成します。出来上がった後は、冷蔵庫で保存します。1ℓくらいの蓋つきの持ち帰り容器を持参してくださったら助かります。(忘れたら、うちのを貸しだしますが、全員分の個数はないですよ。)

 おっ、そうだ、うちはパン教室だったんだ。パンは、ドーナツやります。

バウムクーヘン新レシピ

 まるで輸入角材のように、年輪層の大ざっぱなバウムクーヘンになってしもたわ。

 生徒たちが作ったものの方が、よほど、丁寧で、きれいなのだ。はははは!

 えーとですね、これは、この前のレシピに+マジパンペーストを100g(バターの攪拌時に)加えたものです。砂糖は50gほど減らします。(マジパンの甘味が加わるので。)

 でも、写真じゃ、口当たりや風味の変化は伝わらないよなあ…。

 マジパンを加えたら、やけに、ふんわり柔らかく、しっとりと仕上がった。で、これは好みもあるでしょうが、ふわっと柔らかいものがお好きな方は、ぜひ、マジパンを加えてみてください。(以前のレシピに書き加えておいてください。)

 本日は、白味噌づくりのために、白米麹を仕込み、大豆を煮ています。土曜日の教室に、うまく間に合うかどうかは、約束できませんが…。(もう、一日、早く準備すべきだったかも。タイミングが、あやういな。)まあ、期待しないでいておくれ。

 白味噌は、短期間に(2週間ほどで)できあがる極甘口の白黄色の味噌です。発酵と言うよりは、むしろ、麹の「糖化」で上味的な甘みを出します。

 コメ麹を大豆よりも多くします。大豆は、何度もゆでこぼしながら、アクを抜き、淡い黄色に炊きあげます。

 で、これが、ヒジョーにめんどーくせーのですわ。何度もザルに豆をあけ、水を取りかえながら煮ます。あー、めんどくせー。いやだ、いやだ…。

 甘い味噌は、ホントは嫌いなのですが、料理に必要な場合もあるので、豆1キロ分だけは、毎年仕込みます。で、毎年一度だけ、暑くならないうちに教室でやるのです。

 なぜ、教室でやるのかと申しますと、自分が必要な分は少量なので、余剰を生徒たちに押しつけるためです。

 米麹の完成が、土曜日にうまく間に合わないと、一人で白味噌を持て余してしまうことになるのです。

 コウジカビよ、さっさと生えておくれ…。気温よ、上がれ〜。

ドーナツ、揚がったよ!

 「ドーナツ、できたよー!」

 子供たちに向かって叫ぶカーチャンの声が聞こえてきそうな、懐かしい昔ながらのリングドーナツです。

 四川の子供らに今すぐにでも届けたい、熱いドーナツ。

 (がんばれー!生きろー!負けるなよー!)

 ドーナツの生地は、少し硬め(水分少なめ)の生地にして、空気を必要以上含ませないように、低速で長く、ネチネチとねちっこく捏ねると、美味しいです。

 グルテン低い、国産の自家製粉の小麦粉で作ると美味しいです。

 発酵時間は、一次も二次も、短めに。

 揚げるので、オーブンのない人でも作れます。

 小麦粉300g、塩小さじ2弱、砂糖大匙3、卵黄2個と牛乳を合わせて200cc、バター30g、中種150gです。

 冷めたら、粉砂糖をまぶして、ちょっと、おすまし、薄化粧。

 上記のレシピで、リングドーナツが10個、ドーナツ穴の「揚げ玉」(写真・右側に少し見えるでしょ)が10個、抜き残り生地を丸めた可愛いテーブルロールパンが、5個できます。

 私は、ドーナツ穴の「揚げ玉」が、一番好き。

 ああ・・。それにつけても…。たくさん作って、四川の子供たちに届けたい。

歌うパン

 30%の種配合、12時間のオーバーナイト(常温一次発酵)で、朝、一番で焼きあげたパン。

 オーブンから出したとたん、朝の光の中で、歌い始めました。

 パチパチ音を立てながら、焼き皮が弾けて、表面に亀裂を走らせます。

 この音を「パンが歌う」と表現します。最高の状態で焼き上がったときにしか、パンは歌いません。

 種、時間、温度、湿度、捏ね、タイミング、成形…。ありとあらゆるパン作りの条件が、すべて最高で適正なときだけ、パンは歌います。

 パンの歌を聞いた朝は、気分も最高です。調子に乗って、ドーナツの生地、パンペイザンの生地、くるみ&いちじくのライ麦パンの生地、3種類も仕込んじゃった。

 市販のパン、ずいぶん値上がりしているらしいですね。出来合いのものは滅多に買わないので、私自身は、ピンと来ないけどね。

 原材料の値上げていどなら、さほど打撃は感じないです。でも、消費者の末端価格は、価格上昇が上乗せに次ぐ上乗せで、ずいぶんな上がり値の価格になってしまうんでしょうね。

 原油はこの後も、まだまだ上がります。(というタレコミ情報が、すでに入っている)。食べ物の価格は上がり続けることがあっても、もはや、下がることはないでしょう。気の毒な限りです。

 こうなりゃ、最低限度の素材から、何でも簡単に作りだせるヤツの勝ちだよなあ。

 世界的に、食糧危機の時代が、加速度を増しながら、ばく進している。

 パンも、うどんも、麹も、味噌も、醤油も、漬けものも、なんでもかんでも、素材から作り出せる生徒になってくださいね。うちの教室に来た以上は、パンだけでは済まないのですぞ…。

 コメ、ムギ、マメの三大穀物さえあれば、食生活土台の基礎食品のほとんどが、自分で作り出せてしまうのですから。

 お金を払って出来合いのものを買うという生活から、作れるものは何でも作るという暮らしに転じることが、私たちのやっていることの意義です。

 そして、畑や田んぼや、野や山や川や海や森を大事にしよう。地方を大事にしよう。

 そこからしか、根源的ないのちの食べ物が生まれ育たないのです。

デニッシュペストリー

 外は大嵐です。

(美容院だの整体院だのに行くには、もってこいの日。→混んでいないはず。私にとって、台風はお出かけ日和。→どこまで、へそ曲がりなのか。)

 北海道には「甘納豆赤飯」という、世にも不思議な食べ物があります。あの甘ったるい甘納豆で、お赤飯を作るのです。

 もちろん、内地と同じ、普通のお赤飯もあります。でも、これは、改まった時の、ハレれの日の正式なお赤飯です。

 甘納豆赤飯は、もっとぶっちゃけた日常のオヤツ的なお赤飯。いうなれば、ケの日のものです。

 私が推測するに、たぶん、もともとは、甘い煮豆を使ったものなのではないか…と思っています。たくさん作った煮豆の再利用法で、甘い豆の入ったお赤飯を作ったり、蒸しパンを作ったり。

 たぶん、それが転じて、後々、甘納豆を使うようになったのでは?

 ちなみに、甘納豆の入った豆パンというのも幅を利かせていました。(これは、甘めの食パン生地みたいなパンに、甘い金時豆がごろごろ入っていた。美味しかったですよ、これは。)

 ときたま、郷里の「甘い豆の入ったえげつない食べ物の数々」が、むしょうに恋しくなるのです。煮豆を入れた蒸しパンなども、ときたま(煮豆を作った時に)作ります。

 いただき物の、北海道産お豆の甘納豆が、たくさんあったので、甘納豆赤飯ならぬ、甘納豆クロワッサンにして、甘いデニッシュペストリーに仕立ててみました。

 道産子根性丸出しのクロワッサン。二次発酵は、延々12時間の寝ながらオーバーナイト発酵。ラク〜。

 甘納豆も使いようですわ。たとえば、これ、餡や煮豆を使うと、水分が折り込み生地をダメにしちゃって、べたついた生地になり、失敗する確率が高くなるんです。

 クロワッサンなどのペストリー生地と、水分の多いフィリングは、相性がよくないです。

 でも、甘納豆ですと、水分が少ないので、ほとんど失敗なしで作れてしまいます。

 もし、甘納豆を持て余していたら、甘納豆赤飯!じゃなかった、パンだよ、パンに使ってみなはれ。

ちりめん山椒

 またまた、荒れ模様の空になっちゃいました。台風が来ているらしい。

佃煮風に仕上げたちりめん山椒。干さずに、しっとり濡れたままのものが好き。

出回るのが早かった実山椒を醤油漬けにして保存しておいたせいで、思いのほか、茶色く醤油色に仕上がってしまった…。はちゃ…。ま、いいか。(一ビン、醤油漬けごと、じゃっと入れちゃったのよ。なぜ、こう、ずさんなのか…。)

ちりめん500g
山椒の実(計っていないけど、かなりの量があった)
酒2カップ
みりん150cc(酒より少なく。甘さがしつこくない程度に)
醤油100cc(が、結局、これよりも、かなり多く入ってしまった)
出し汁ちりめんひたひたまで(水でも可)

ちりめんをざるに入れて、熱湯を回しかけて水気を切っておきます。生の場合なら、山椒の実も同様に熱湯を回しかけておきます。あとは、ちりめんを鍋に入れて、出し汁ひたひたまで入れて、一煮して調味料をじゃっと入れて一煮して、山椒を入れて、コトコト煮切るだけ。

本来は、煮切ったら、ざるに広げて少し干すのですが、硬くなるし、風の強い日や、空模様が怪しげな時には、悲惨なことになります。

アジの干物が数枚ほど風に煽られるていどならば、泣きを見ることはありえませんが、ひとたび、ちりめんじゃことなると話は違います。

たった、一陣の風にあおられるだけで、苦労の全てが、台無しになります!

(経験者は叫ぶ!)

無残な思いをしないため、干物作り好きの私ですが、ちりめんだけは絶対に干しません!!

本日より平常営業(?)再開

 土、日と、マイペースで休めたので、本日から、いつもどおりの仕事に戻ります。

 11日発酵完了8日間寝かせた「超熟成種」で、いつもどおりの食パン作り。中種は熟成しすぎているせいで、30%ほどの配合です。

 同じ生地ですが、プルマンブレッドとイングリッシュブレッド、別の成形。(生地の扱いが違います)。

 で、右・イングリッシュブレッド(山形食パン)の方は問題なくできあがっているのですが、左・プルマンの方は、窯伸びせずに、ふたまでとどかずに失敗作になっているのが、わかりますでしょうか?

 生地配合は同じものです。(同じ生地を配分して2本作りました)。

 同じ食パンでも、きめ細かく気泡を調えるプルマンと、上へすだつ気泡にするイングリッシュブレッドとでは、成形時の生地扱いのせいで窯伸びや、生地の酸化度や、すだち方が変わります。

 2,3日、寝かせた程度の種ならば、50%配合でも、どちらとも問題なく窯伸びしますが、7日間以上寝かせた超・熟成種では、生地をいじりすぎるほどに酸化度が強まり、窯伸びが、もたつきます。(=左のプルマン)

 ということで、作りなれていない方は、必ず2,3日寝かせた程度の中期的な種を使い、若すぎるものや熟成しすぎたものを使うのは避けてください。中期的熟成種なら、オールマイティーにどのようなパンにも使えますので。

 試食会の会場から、元種をお持ち帰りになられた方々。増殖作業はすませましたでしょうか?

 増殖させると(元種100+小麦粉200+水120=)400g強ほどの元種ができあがります。お急ぎにならない方は、捏ねあげた後、すぐ冷蔵庫へ。1週間もすると発酵し、全部が元種になっていることでしょう。

 お急ぎの方は、半日ほど捏ね生地を常温に置いておくと発酵した状態になります。もっと急ぐかたは、30度で6時間ほど保温してください。保温30度では、焼く6時間で発酵が完了します。

 増殖して、発酵が完了した元種を適量取り分けて、中種を作成してください。中種を作成し、任意の期間(2,3日ほど)冷蔵庫で寝かせてからの、パン作り開始となります。

ちりめん山椒屋さん

 昨日は、さすがに「毛の生えた肝臓」の私も、自重のために禁酒。

 本日は体調も復活して、午前はパン捏ね、午後はちりめん山椒屋さんです。

 試食会で、さんざん世話になった出版社のスタッフたちに、気持ちばかりのお礼の品を作って送ろうと思って。

 季節がら、ちりめん山椒。(高級な菓子折りを贈れるほどのお台所事情ではございません。)

 今年は実山椒の出回りが早かったです。醤油漬けにして、一ビン保存しておいたものを使いました。

 ちりめんと山椒を鍋に入れ、酒、みりん、出し汁をドボドボ。私は、塩炊きが好きなので、醤油は控え目です。白っぽく炊きあげます。

 鍋が沸騰し始めると、湯気がモクモク…。案の定、ピンボケ写真になりました。

 後は、弱火にして、コトコトゆっくり炊き切って、汁気を煮切るだけ。

 この季節のウチの台所の匂い。ちりめんと実山椒の香り。酒を多めにきかせます。(みりんは甘くなるので控え目に)。

 だから、日本酒の熱燗のような匂いが、最初のうちは立ち上るのですよ。で、これ、二日酔いの時などは、アウトね。絶対に嗅ぎたくない酒の匂い。

 体調復活したとたん「わあー、いい匂い!」。全然、懲りていない。やはり、もっそりと毛が生えているようだ。

 たくさん出来上がると思うので、教室で味見できる分も取っておくからね!ご飯にのっけて食べるとウマイよー。(え、なに?飯炊いておけってか…?)

 オープニングスピーチしてくれた大ちゃんが「毎年4回、試食会イベントやれ」ですって。春夏秋冬、毎年4回は、ちょいと難しいものがあるけれど、春秋2回なら、可能だなあ…。

 晩秋に、次回は「国産大豆」を題材にして、味噌、醤油…。我がテーマ「大事にしたいね、ごはんの周り」試食会をやれたらいいなーとか、考えています。

 やはり、日本の「お豆さん」のことも、きちんとやりたいものです。テーマが、コメと、かぶせやすいしね。また、コメと並んで、大事な調味料の原材料でもあるしね。
 

試食会のお礼・第二弾

 蒸し上がったホワイトアスパラの甘い香りをかいだとたん、昨日の試食会にだせなかったことをしみじみ悔みました。

 九州から、わざわざ来てくださった方までおられるのです。全国各地から、読者の方々が集ってくださる機会など、めったにないのにねえ。

 やはり、みんなに、北海道我が田舎ニセコ町の味を一口だけでも味わっていただきたかったなあ…。

 昼過ぎに、やっと二日酔いから覚め(正確には三日酔いなんだけど)シラフに戻りました。

 鼻の頭にできている切り傷はいまだに謎のままです。

 シラフのうちでも、ドジ丸出しで、国分寺跡の農家の美味しい卵を家に忘れていって、急きょ、スーパーで卵を買ってきてもらったり。

 ドジとボケのWパンチで、いろいろ不届きあり、えろーすんまへんどした〜。

 ホンマに、皆様のご協力と和気あいあいのにぎわいで、ドジとボケをカバーしてくださり、助かりました!かさねがさね、お礼を申し上げます。嬉しかったなあ。楽しかったなあ。

 ちなみに、ホワイトアスパラは、塩ゆでするよりも、蒸すほうが、断然美味しいですよ。甘味が命ですから。甘味を生かしたい野菜は蒸すのがよいです。最近は、内地でも買えるようになってきましたね。(ニセコのが一番美味しいけど。)

 もし、塩ゆでするのであれば、塩だけじゃなく、砂糖も入れて、ホワイトアスパラの甘味を引き出します。

 で、これに甘味噌や、ウスターソース&マヨネーズを添えていただくと至福の味なんですわ…。1本まんまの長いのを手で持って、頭からムシャムシャ食べるのが一番美味しい食べ方です。頭にちょいと、好みの調味料をくっけてね。

 ううっ。やはり、みんなに食べさせられなかったことが、じめーっと悔しい。

 ホワイトアスパラの「やけ食い」か…。(やけ酒よりは健康的です)

 

どうもありがとう!試食会、無事(?)終了

 昨日の試食会で、みんなに振舞いたかった我が郷里ニセコ町のアスパラ。

 今朝、届きました。(一日ずれちゃった。ごめん!写真だけで許してね)。

 昨夜は、たくさんの方にお集まりいただき、本当に、ほんとうに、嬉しかったです。

 みなさん、どうもありがとうございました!

 みんな、みーんなのおかげさまで、何とか試食会も無事に終了したようです。

 読者の方々と、あのようなかたちで、直接お会いしたのは初めてで、実は内心ドキドキでした。

 もー、嬉しくて、楽しくて。

 みなさん初対面のはずなのに、あちこちで談笑の輪が生まれ、大賑わいの会場。本当に嬉しかったです。

 いろいろな出版社の方々が協力してくださり、読者の方々が語らってくださり、ささやかな手作りのものを試食してくださり、飲んで、笑って、望んでいた通りドンチャカ大にぎわい。嬉しくて、うれしくて、たまらなかったです。今はまだ、感謝の言葉すら、うまくみつからない。

 当然、本日、(本日も、も、です)二日酔いなんだわさ。

 どういうわけか、とても心地よい二日酔い。

 心地よい疲れ。幸せな嬉しい気持ちと、言葉で表せないような感謝の念が、まだ続いています。来てくださった方々にも、来られなくて離れた場から応援してくださった方々にも、本当に、どうもありがとう!

 飲みすぎて、ところどころ、記憶が断絶しています。

 で、あの…。私、鼻の頭に、1cmほどの切り傷があるんですけど・・。なんで、私、こんなところに傷作ったのか、誰か知りませんか?