秋雨だというのに、ハスの二番花が咲きました

 秋を感じさせる冷たい雨が降り続いた本日。うちの季節はずれのハスの二番花が咲きました。(しんちゃんに言ったら笑われるか、呆れられるのだろうなあ…。普通は7月とか8月とかの真夏に咲くのにね)。自家製肥料に問題があったのでしょう。なにせ、肥料まで手作りしたんだから。(でも、ともかく咲いてくれているのだから、いいじゃん)。

 本日は早朝より店に闖入し、早くからドタバタ仕込み。毎度のことながら、メチャ忙しかった。その間、昔、一緒に仕事を手伝ってくれた渚ちゃんが息子のリキ君を連れて店に来てくれたようだ。残念ながら会えなかった。ハスの花のカードの裏にメッセージが書かれたものが、鬼のような顔で料理している厨房の私に渡された。リキ、大きくなっているだろうなあ。ひと目見たかったけど後の祭りです。渚、ごめんごめん。こりずにまた来てね。厨房の場所を聞いて、キッチンまで来てね。昔と変わらない鬼の弘子が料理と格闘技をやってるけんね〜。ともかく、すごいから。調理台で使ったボウルやらへらやらを洗い場のシンクの中に百発百中の命中率で、パコ〜ンと飛ばして投げ入れるんだぜ。ほとんどバスケットボール選手のナイスシュートです。これは一見の価値あり。(ところが、昨日はこのバスケットボール部室的キッチンで大問題が起きたんだよ。他で催事をやっている某オヤジが、無断で勝手に厨房に入ってきて、平然と入れ歯をシンクの中で粗い、お口をうがいして、ぐちゅぐちゅぺっぺした。あまりにも突然のことだったので、私も文句すら言えずにボーゼンとして立ちすくんでしまったのです。もちろん、平静気分になってから、ルミネに苦情を伝えたけれど)。ボウルだの鍋だのが厨房の空中を飛び交う恐ろしい現場です。渚ちゃん、ぜひ見に来てください!

 とはいうものの、明日の午後は我が家にまたガスオーブンの工事が入ってしまいます。ともかく、パンを焼いて品を揃えるためには、自分のパン作りの状況を第一に整えなおすしかないのです。この1ヶ月間以上も、何も全くパン生地や種を世話していない。天罰覿面で、パン種は弱っているし、オーブンはまた不調。サイテ〜!
 明日、この最低な状況を打破します!そして、いよいよ始めるのだ!私たち新川店のブランシェリーのデリカ部門を。あれもやろうね、これもやろうねと、私+パン教室出身の生徒たちは大喜び。何だか急に元気が出てきたスタッフ陣営。のどかモードアホンダラ店長の潤のケツをペンペンすべく、大ハッスルでした。すると、不思議なことに本日のお客の入りはなかなかで、死にそうにながら作りまくった惣菜のディスプレーもどんどん空になる。死んでるヒマなんてなかったね。潤ちゃんも、昨日よりは元気があった。よかった。アホはアホなりに一緒に頑張ろうという気持ちはあるのだ。(ただし、パン作りなど、覚える気もやる気も見受けられないけれど。僕はパック詰めで頑張ります!とか、救いようの無い無意味なエールを叫んでいたけれど。…。困ったもんだよな)。っまあ、いいか〜。なんとかなるさー。

 惣菜を盛り付ける器類の不足も判明した。パンを飾り付ける籠も必要。サンドイッチを包装する資材も早急に取り寄せなければ。ホイロ問題もいぜんとして解決していない。
 でも、いける、いける、私たちはもっともっと頑張れる!たくさんの可能性がある。やれるだけやってみる、私は何でも作りだせる。何でも食べ物なら作れる。潤や昌弘や純子やみかが、私を信頼して付いてきてくれることだけが、今の私の喜びと幸せと報酬です。これほど素晴らしい報酬はないね。うちの店舗まわりの店の人たちとも仲良くなった。ご近所様は大切です。店って、一人だけの努力ではできないからね。人間が一人では生きられないように、店も一店舗だけでは難しい。やはり、ご近所付き合いは大切です。オープンして、2週間。やっと、少しは全体的な事情が飲み込めた。

 今、自分が何を起こして何を開始すべきなのかをやっと認識できました。「ご飯とおかず」なんていう店は初体験。元々はお菓子やパンや喫茶店をやっていただけだから。未経験なのですよ、こんなこと。

 でも、今は幅広い「プロ」になれそうな予感。私はお菓子やパンやカフェだけではなく、ちゃんと惣菜やデリカの店でも、ゼロから立ち上げて、懸命にやっていける才覚があると(うぬぼれかな)思い始めるようになりました。幸せなんですよねえ…なぜか。お金にはならないけれど、もっとそれ以上のことを学んで必死に学習している最中というか。これって、すごく幸せなんですよねえ…。自分でも、よく分からない気持ちだけれど、アホとは想うんですけれど。パソコンすら開く時間が無い。メールチェックも数日に一度。会いたい人にも会えない。それどころか、お金になる仕事すら断ったり遅らせてもらっている。でも、何だか今はこれでもいいような気持ちがするのですよ。自分でも、分からないのですが。今は、こうすべき、というような天からの声を感じるというか。

 人間、金と銭勘定のためだけに動くと、幸せでもないし、人格的な成長もないよね。自分の命を生かすためのものはゼニではないのですから。頑張ってやっていれば、経済なんて後から勝手についてくるものです。金にならなくても、頑張って幸せな仕事をやっていれば、食いっぱぐれてたり、つぶれたりして、死ぬようなことはないのです。かならず、何かが報われる。たとえ、それが今ではなくても。たとえ、それが金ではなくても。そのようなものにだけ立ち向かって向かって生きていくべきだと思います。イヤなものは、ネガティブなものは、排除すべきでしょう。

 人間は肉体的な負荷では死なずに強くなれる。でも、ネガティブな精神的ストレスを与えられる場合は、死に向かい自殺を考え、そして、弱くなり、腐る。
 新川店の私たち。腐ることなく、生きる方向へ驀進します。素人集団、アホ丸出しの私と店長の潤。この約2名のアホを除いては、心強い若きスタッフが(呆れ果てつつも)ついています。いよいよ、呆れられて見棄てられたら、私と潤のふたりでもやっていけるような内容にしなければ。(呆れられて当然のことをやりまくっているけれど)。やっていける自信と覚悟はあるからね。

作戦第二弾を開始します

 思い通りに売り上げが伸びない「たくや」。ったくや〜ねんでえー。もうこのさい「たくや」じゃなくて「なにや」にするべーということになった。
 弘子ちゃんの持ち駒、第二弾を開始する!ともかく、ディスプレーが下手。私は厨房で料理を作ることだけで手一杯なので、店のディスプレーまで手出しするヒマがないわけよ。でも、放っておくと、商品の料理はガラスのショーケースの中で「残り物」的様相を呈している。
 作りたての熱い料理は、先ず常温ケースに並べる。冷めたらガラスのショーケースにディスプレーする。減ってきたらパック詰めして、オープンのショーケースに並べる。教えたとおりの手順を一応みんなやるようにやっとなってくれた。(やっとだよ、やっと!そのくらいのこと、私に言われなくても思いついておくれよ〜よ言いたい)。

 ところが、この一番大事なオープンショーケース。開店前夜、店長の潤ちゃんから電話があり「どうやら、漬物やさんが使うやしくて、僕たちは使えないそうです」という信じられない話がきた。そして私は最大級にぶち切れた!最初と話が違うではないか!潤よ、おまえさん、一体何を騙されたのだ?ふざけんなよ!頭に来た私はスペースデザインのオトコに怒りの電話をかけた。最終決定図面をわたされたときは確かにオープンケースも我々のスペースになっていたのだ。「てめー、ふざけた嘘の図面を出しやがったな!どうしてくれるんだ!責任を取れ!今までの私の企画がメチャクソになってしまうではないか!!なんで、嘘のふざけたことをしやがるんだ!」怒鳴り散らしたら「い、い、いえ、騙したわけではなく、メビウスが…あの・・すみません。僕も仕事なので、しょうがなく…あの。ごめんなさい」。オロオロ。「バカヤロー!てめーらとなんか、二度と仕事をしたくない。二度とくるな!」と大爆発。
 となりの漬物やさん。その私の怒り具合を見て、漬物や自らが自主的に場所を空け渡してくれる申し出となった。(まあ、それでも私たちの怒りは収まらなかったのだが)。

 まあ、このようにして、すったもんだで何とか手に入れたショーケースのスペース。有効活用しなければ漬物やさんにも申し訳がたたないわけです。それなのに、ああ、それなのに。弱気の店長は沖縄物産商品をコソコソと並べているのですよ。「あほ!」

 オープンケーススペースは人通りの少ないレッドゾーン。勝負のしがいのある未開発スペースなのだ。
 私はそこをサラダとサンドイッチを並べるブランシェリーのデリカコーナーにすることに決めていたのだ。おフランスの惣菜屋さんみたいにしたかったのだ。「おーい、潤ちゃん。あの沖縄物産モノを引っ込めておくれよー」。
 私はいよいよ、我らが教室の自然発酵種の酵母パンを開始するのだ!自家製パンによるデリカのサンドイッチコーナーだ。サラダと和の弁当も並べる。焼きたてのクロワッサンも籠にもって並べたい。
 常温ケースはできたての熱い料理とお握り。ガラスケースは惣菜。そして、オープンケースは、どういうわけか、デリカとサンドイッチとパンなのだ!どーだ、文句あっか?ないない、ないよ、でも、なにやなの?…。いいじゃん、別にどうだって。売れるものは何でも並べて試してみようよ、ね、いいでしょ!?「あ、は、はい」。あくんまでも、従順な店長でございます。
 ところが、厨房にはオーブンはあるのだが、ホイロがない。発酵が思い通りに進まない。思い悩んでいたら、純子が大発見。「先生、オープンケースの裏から、すぐい熱気が出てきて温度があるんですよ」!!やった〜。そこをホイロスペースにするべー。これぞまさしく、資源の有効活用だ。電力を有効に無駄なく活用しよう。
 ところが、我らがアホンダラ店長。その「大切なホイロスペース」に沖縄特産のゴーや茶だのジュースだののストックダンボール箱を山積みにしている。「あほ」。さっさとどこかへ引っ込めておくれ。邪魔だ。オープンケースの裏は大事な「ホイロ」スペースなのだ!そこ以外に、保温場所はないのだ!いいか、一番勝負の難しいオープンケーススペースは、商品企画の鬼の林弘子に全てまかせろ。私がブランシェリーのデリカにしてみせる。和洋混在でいいのだ。特に地下一階にはサラダバーもパン屋もワンドイッチコーナーも無いのだ。他店にないものを並べるしかないのだ。沖縄物産店は全然売れていない状態の店がすでに一店あるのだ。沖縄一色の店が。
 売れない物産販売はその店に委ねておくがいい。私たちは地下1階にないものを始めるのだよ、いいか、分かるか、オマヌケな潤ちゃんよ。「はい」。よしよし、いい子だ。弘子ちゃんの言うことをちゃーんと聞けよ。今のままでは、あんたはつぶれるよ。

 このようなわけで、開店二週間目。ついに、私の本領発揮をおっぱじめることにしたのです。それにつけても、あの裏側のスペースの山積みダンボール箱。潤ちゃん、さっさとよけておくれよ。邪魔で邪魔でしょうがないんだから。しかし、よくもまあ、あんなに大量のお茶だのジュースだのをよく持ち込んだものですなあ。呆れ果ててものも言えなかったです。オープンケースを使ってもいいと話しが急に一転二転してしまったので、潤もあせって運び込んでしまったのでしょう。かわいそうといえばかわいそうなんだけど、話が違うことになぜに強く抵抗しなかったのだ?なぜに闘わなかったのだ?なぜ、言うことを聞いてスペースを前夜に諦めるなんていうことをしてしまったのだ?
 潤はメビウスの言いなりになった自分の責任で弘子先生には本当に申し訳ないことをしてしまったと謝っていたけど、別におまえさんが悪いわけではないのだよ。ともかく、変な話には弱気になってはだめだよ。「すみません。許してください。全部、ぼくが悪かったのです」。いやだ。私は絶対に許さない。スペースデザインの花井をぶんなぐりそうになったら、花井君もびびって、ずっと平謝りだったので、怒りは晴れないままだ。そのぶんの怨みもこめて、オープンスペースを花開かせるのだ。当面、ますますクソ忙しくなる。ルンルン!