久々に小麦農家直送の自家製小麦粉(地粉)のパン

 茨城の小麦農家の方が自家製の小麦粉を送ってくださったので、さっそく試作。午前10時の捏ね。
 表皮を軽く取り除いたていどのほぼ全粒粉状態の地粉。グルテンは高くはない。中力粉ていど。吸水率もかなり低い。58%どまりだな。典型的な内地麦。
 匂いも北海道のものとは違い、思いきり内麦の匂い。こりゃあ、100%使ってパンにするのは難しいだろうなあ。
 とは思ったけれど、一応100%のものと、安全路線の25%のもの(パンペイザンの配合)2種類を捏ねた。
 捏ね始め、かなりべたつく、腰が出ない。(だめだろなー?)。常温放置(30度)で3時間目にパンチ入れ。あら!?あのべたつき生地が、やけに締まってぷりぷりしてきたぞ・・。もしかして、こりゃイケルかも?

 只今のところ、このような状態。まあ、夕方には焼き上がる予定。久々の自家製粉の内麦パンづくり。やけに懐かしい。

 送ってくださった農家の方は、うちのパン種と自分の作った小麦でパンを焼きたいらしい。この地粉では製パン性が低すぎて無理かもしれない…とは思ったけれど、無農薬で育てた自分の麦だけでパンを作りたい気持ちは痛いほどわかる。麦畑応援団長の私。なんとか方策はないものかと思っての試作。

 同じ小麦でできたウドンはメチャ美味しかった。日本の麦の香りは、やはり麺には最高ですね。(お教室のみなさん、土曜日にこのウドンをごちそうしますね)。

 で、パン生地の方。むっとするような内麦の匂いは発酵途上でパンらしい匂いに変化してきた。これが、自然発酵種の素晴らしいところ。イーストやストレート系の酵母種では、内麦のむっとしたむれたような匂いを良い香りに変化させることはできない。
 私が自然発酵種に執着する理由はここにあり。もともとは、仕事の関係で内麦(国産小麦)しか使用していなかった。北海道小麦はむっとするパンには不向きな臭いはないのだけれど、内地麦には独特のムレ臭がある。これを良い臭いに変えることができるのは私の自然発酵種だけだった。拙い私の本を頼りにして、わざわざ連絡をくださる小麦農家のパン作りのためにも、なんとか方策を練らなければ…。美味しく焼きあがれ、美味しくできあがれ…と、念じながら発酵を見守る。まだ、結論は出ない。(だって、まだ、焼きあがってないもんねー。)内地麦50%−25%くらいのブレンドなら、楽勝だけれどなあ…・。
 「種継ぎには使えますか?」という質問には…たぶん、残念ながら「NO」を言わなければいけないだろう。酵素活性が強すぎるはずだ。使い続けると、いずれ酸っぱくしてしまうだろう。

 この茨城の内地麦、たくさんいただいたので、今度のお教室のテーマに使わせていただきます。でも、しかし…。なす味噌入れて「お焼き」にするしかないのだろうか?パンらしいパンになってくれるのであろうか?焼き上がりの結果報告(写真)は明日、掲載予定でございます。
 おいっ、パン種よ。送ってくださった方のために、しっかり頑張れよなー。