やっと思い腰を上げて、あちこちに「りんこう庵里帰り報告」を送付。気分的に少し安心した。教室再開のレシピも立ち上げたし、仕込むものも仕込み、長い間放っておいた味噌などの発酵食品も手入れを済ませた。夏に手入れを怠った寒仕込みの醤油は当然!完璧にダメにしてしまった…。最初はショウジョウバエが飛び回り始めていた。無視して放っておくと、ショウジョウバエは消滅し…代わりに大きな蛆虫がうごめき始めました。この時点で、すでにとっーくに気持ち悪くて醤油の容器は外に出している。この幼虫たち、大きくなると何になるか知っていますか?カナブンになるのですよ。私の豊富な失敗経験からすると、虫を湧かせた発酵物からは、必ず指の頭ほどもある立派なカナブンが生まれてくる。こうなると、発酵食作りというよりは、昆虫観察とカナブンの飼育作業です。「あのキムチ、どうなったの?そろそろ食べられる?」「あ、あれはカナブンになって飛んでいっちゃった。」まあ、このような異常な会話が成立するのです。本日は、そのカナブンのお子様たちを土に返して、醤油の容器は空っぽになりました。これで、全て我が家夏の「負の遺産」の後始末がついた。
本日も、まだまだデニッシュ生地(パイ、ペストリー)での「商品開発」(?)を続行中。ともかく、家でゆっくりマイペースでパン生地と触れ合えることが嬉しくてたまらない。(いったい私は何に飢えていたのだろうか?)
只今、「カレーパイ」というものを試作中。あの揚げパンのカレーパンじゃなくて、ペストリー生地に包まれたカレー(マッシュ)ポテトのパイを作るのです。今年の夏は私のパン作り道具の受難年でした。オーブンに修理2回、ミキサーまで壊す始末。ホイロはすでに何年も前から壊れていて、ローソクを熱源にしている。道具という道具に見棄てられて、やっと今現在の作り方を考案できました。ミキサーもホイロも必要なく、オーブンだけがあれば作れるパン。もう、これはデニッシュしかありませんでしたね。
製パン性の高い生地が作れなくても、デニッシュ生地ならアイテムの幅を無尽蔵に広げることができますから。実は鈴乃家の鈴木社長との企画を念頭に置いている。お握りと味噌汁のイートインの店と鈴木さんは考えているようなのだが、もし、お握りが売れなかった場合、どのような方策を講じればいいのか…と。実際、今回の立川ルミネ店ではお握りはほとんど売れず、すぐに玄米弁当とサンドイッチに切り替えてしまった。店にはホイロもミキサーも無かったし、また、設備を急きょ揃えろと経営者の潤ちゃんに要求する気もなかった。道具が無いならないなりに、頭を使って考えればいかようにでもモノは作りだせるです。本質的には頭と手があれば何かを作り出すことができるわけですよ。ミキサーにしてもホイロにしても、まともに揃えると何百万もかかってしまうのです。(簡単に元など取れませんからね)。金があり余っていたり借金が趣味なら、買い揃えればいい。
揃わぬ道具と不足な設備を仮定する中で、派手にショーウィンドウを飾れる商品を考え出さなければ。お握りと味噌汁の店にカフェの飲み物とデニッシュペストリーが同居していても、誰も文句は言わないはず。レストランだって「ライスになさいますか、パンになさいますか?」なんていう台詞が平然とまかり通っているじゃありませんか。お握り食べている人の横で、カフェラテ飲みながらパイ食べている人がいても面白い食風景だと思います。幅はないよりあるほうがいい。ひとつのものにこだわって企画するのは危険だ。最小限の道具と設備で、最大限の商品バリューを生み出せるアイテムとレシピを早急に生み出さなくては。ということで、プーの割には忙しい日々。