山椒の実が出回り始めました

 走りの青梅が出始めるころ、山椒の実も実ります。かちり干しや小女子と炊き合わせたり、魚の山椒醤油漬け焼き、イカなどにも合いますね。ぴりりと辛く、薫り高い東洋のハーブです。
 ほんの一時の季節の香りですが、保存もできます。冷凍保存のほかに、私は乾燥保存もします。

 まず、山椒の実を一度ゆでこぼし、強い辛味やアクを抜きます。これでかなり刺激的な辛さは和らぎます。(辛いのが好きな方はそのままで)。そのあと、盆ざるに広げて乾燥させます。からからに乾いたら、フードプロセッサーかミキサーで、好みの粗さに挽き割りにして、空き瓶に詰めて保存します。

 鉄火味噌作りのときも、山椒の実を入れると薫り高いものができあがります。糠漬けや醤油漬けなど、漬物に用いてもよいのです。醤油に漬け込んでおき、山椒醤油にして冷奴や焼き魚に添えてかけ醤油にしても合います。
 山椒はほとんどお薬みたいなもので、たとえば腸の手術後の癒着を防いだり、お腹にガスがたまってゴロゴロいうときには余分なガスを吸収してくれたりする、世話好きで親切な植物です。まるで胃腸科のナースですなあ・・。私は緊張したり、胸をドキドキさせたりすると、突然プッとオ○ラが出るクセがあるので、常日頃から山椒を薬味に使うのが大好きです。
 でもの腫れ物には気をつけましょう。明日はお教室です。

鉄火味噌づくりにはカセットコンロが最適

 画像なしです。締め切り原稿を苦行のように抱え込んでいる本日なので、写真撮影しないのよ。

 昨日の教室「鉄火味噌づくり」は今までになくラクで、うまく出来上がるという快挙でした。私の教え方が熟練した!せいでは全くない。

 火力の強いレンジのガス台を使わずに、食卓テーブルの上にカセットコンロを置いて、そこで作ったのです。カセットコンロはガス台に比べると火力が弱く、また、いくらでも火を弱めることができます。つまり、弱火の微調整に関してはガス台よりカセットコンロのほうが小回りがきくということが分かったのです。
 鉄火味噌作りの「敵」は焦げです。火加減を極弱火にして、しかもその弱い火を微調整しながら煎り続けなければいけない。弱火のままでも次第に熱は上昇し、鉄鍋の底にはかさぶたのような焦げ。少しでも焦がすと焦げ臭がつき鉄火味噌の風味はがた落ちします。3時間も煎り続けるという苦労をしながら、焦げ臭い鉄火味噌を仕上げたのでは何のための苦労だったのか…。この苦い失敗から「えーい、このさい火力の弱いカセットコンロを使ってみるべ〜」と思ってやってみた。大成功。

 鉄火味噌づくり初挑戦のみかちゃん。全く焦げ付かせずに今までで一番良いできの鉄火味噌を煎り上げたのでした。しかも、どういうわけか、今回は3時間かからずにサラサラになってしまいました。これは野菜のみじん切りをかなりマジメに(前日に包丁をしっかりと研いでおいた)行ったせいだと思います。
 テーブルにのせたカセットコンロはガス台より低い位置なので、さほど腕も疲れず、無理な力を使わずに済んだので、手に豆もできなかった。
 みかちゃんいわく「ぜーんぜん、疲れなかったし、聞いていたほど大変でもなかったですよ〜。自分で鉄火味噌作れるなんて思ってもみなかったけど、ちゃんと作れちゃうものなんですねー」。…。年に一度の教室の苦行をものともせずにニコニコしていました。(今までの私たちのあの苦労はいったい何だったのか?)

 鉄火味噌作りにはカセットコンロですよ!
(さて、これからマジメにオシゴトの原稿書きを始めるとしよう)

新刊「梅づくし」やっと出ました

 拙著「梅づくし」(バジリコ出版)がやっと出ました。心配していたカバーは別段問題なく、なかなか渋い出来です。奇跡の8冊目!の書籍出版です。とりあえず、一安心。そのうち書店に並ぶと思いますので、もし見かけたら眺めてやってくださいませ。初版の刷りはたった4000部なので、大きな本屋にしかないことでしょう。私も編集者氏も初めての出版社バジリコでの挑戦。今後、どうなるか…は未知数ですなあ…。

 次は豆本が控えています。とりあえず、今週末にアスペクトという出版社の人たちと会います。うまく企画を進めることができればよいのですが。いや、絶対にうまくいくと信じよう。これも初めての出版社。晶文社でばかり出していたから、他の会社のことをあまり知らないのです。無知なので、新鮮な気分を味わえます。

本日は教室です。午後から雨になりそうです。涼しいので鉄火味噌作りには最適です。お気をつけていらしてください。傘持ってきたほうがいいよ。

鉄火味噌

 明日の教室は「鉄火味噌」作り。人生修行に近い作業になります。毎年恒例の苦行です。ただひたすら、味噌とみじん切りの野菜を3時間ほど炒め続けるのみ。木べらを握る手にはマメ。翌日は筋肉痛。ただひたすらもくもくと炒め続けただけで、なぜ筋肉痛まで起きるのか?と、しみじみ疑問になるのです。炒め続けながら、ふと「私、こんなことをやっていていいのだろうか?こんなことをやっていて、私の人生は大丈夫なのだろうか?時間というものは時に矢のごとく、そして時に永遠であるかのごとくあまりにも長すぎる」…。と、哲学的にすらなる苦行料理です。そして、(こんなことやっていて、人生大丈夫なわけねーだろっ!)という自己否定すら大肯定しなければいけない善悪の彼岸にたたずむ教室なのです。(アホ)。

 味噌とみじん切り野菜はほぼ同量でよろしいです。ごぼう、れんこん、にんじんなど、極々細かいみじん切りにして、味噌と炒め続けます。永遠の時間がたったころ、味噌はサラサラの顆粒状になる。これが哲学的鉄火味噌の完結した姿でございます。心と精神の葛藤を通り抜けたとき、味噌は味噌としてのアイデンティティーを超越し、カオスのごときペースト状の世界から永劫の離脱を成し遂げる。(アホ)。

 明日、23日には刷り上りたてホヤホヤの拙著が届きます。(本日22日に刷り上り、発送されて明日着)。梅が飛び出しているだの、キラキラ光っているだのと聞かされたカバーが楽しみ(恐ろしい)です。

テーブルロール 今週のパン

 久々に元気一杯のお日様です。夏のように暑いお天気になりました。

 本日はパン教室の日です。リッチ配合のテーブルロール(バターロール)です。今回は業務の機械ミキシングも実習しましょう。(もちろん、手捏ねもやりますけれど)。捏ねが長いので暑い時にはイヤ〜なパンです。ホント、や〜ねえー。(後のビールがさぞかし美味しいことでしょう)。
 二次発酵を長めに確保したいので、ホイロタイムはブイヤーベース作りです。めばるがそろそろ美味い季節です。トマトも安くなってきました。
「ブイヤーベースならフランスパンにしてちょーだい」とか、言いたくなるでしょうが、暑いときは、長時間捏ねでもっと汗を流しましょう。

 ということで、本日は肉体労働の教室です。お気をつけていらしてください。

玄米麹

 今年の五月は雨が多いですね。もしかして、これって、梅雨に入ってしまったのでしょうか?もし、梅雨なら、例年より早いのでは?テレビが無いので、天気予報のニュースを知らないのです。
 でも、ほとんど梅雨時の天候と言ってもいいですねえ…。カビの生え方が実に元気一杯で喜ばしい限りです。
 じめじめ天気を生産的かつ平和利用すべきです。どうせ、タダなんですから。

 玄米麹作りなどはいかがでしょうか。

玄米をフードプロセッサーに3,40秒ほどかけて、表皮に粗い傷をつけます。流水でよく洗いながら研いで、たっぷりの水に14,5時間ほど浸水しておきます。吸水させたら、ざるにあけて1,2時間ほど水気を切ります。湯気の立っている蒸し器で2時間ほど蒸します。蒸し上がりの目安は、玄米ご飯ほどは柔らかくないけれど、握るとお握りが作れるくらいふっくらと加熱されている状態。ここがポイント。蒸しが足りなくても、ダメ、蒸しすぎて水っぽくしても、ダメ。
 蒸しあがったら、飯台などに広げて、余分な蒸気と水分を逃がします。玄米3合に対して市販の米麹200gを友種の種麹にします。米麹をばらして、冷めた玄米全体にまぶします。
 これをふたのある容器に入れて一日そのまま置きます。翌日、玄米に白っぽいカビが生えて熱を持ち始めています。今度は熱を冷ますために、飯台に広げて、ポリ袋をかぶせて1日放置しておきます。翌日はもっと白いカビが増えています。熱も持っています。熱を冷ますようにかき混ぜて空気を送り込みます。ポリ袋を被せて、そのあと放置。三日目には玄米麹ができあがります。甘酒、漬物、味噌作りに使えます。私は最近また、豆味噌と玄米麹を合わせて「玄米豆味噌」を仕込みました。
 先のシーズンに仕込んだ豆麹&玄米麹の玄米豆味噌はそろそろ食べ始めることができる時期になりました。これ、メチャクチャ美味しい。常食すると、やけに体調がいいのです。もうじき(22日)梅の本がすりあがるので、梅本に同封してあちこちに自慢の玄米豆味噌と梅干を送りつけようかと考えております。そういえば、フジモトさん(発酵食のイラストを描いてくれたマサルさん)にも、長いこと私の味噌を贈っていないな。あちこちに不義理している。編集者氏のうちも、私の味噌が切れてしまって久しいと言っていたし。しんちゃんも豆味噌文化圏の出身だし。北海道に引っ越してしまったツヨシも三重の豆味噌地域出身だ。あっ!そーいえば、四半世紀前に別れた元ダンナも岐阜県人で豆味噌を食べたがっていたんだ!てーへんでい、てーへんでい。味噌樽が空っぽになっちまうぜ。

ごだチーズの赤ちゃんを乾燥中

 前回の教室で仕込んだゴーダチーズの赤ちゃん(グリーンチーズ)を乾燥し始めて四日目。まだ、しっとりと湿っています。(もしかすると1週間では乾かないかも…)
 端が少し欠けているのは、塩味加減を確かめるためにちょいとつまみ食いしたせいです。すんません。ははははは!でも、この段階でも、充分すでに美味しいのですよ。まだ、モツアレラチーズみたいな食感ですけどね、でも美味しい。塩加減もちょうどよい。3ヶ月もまちたくないよね〜。早食いしちゃおうか?海苔と山葵でグリーンチーズを食べると美味しいのです。チーズの刺身みたで。熟成させない若いチーズを食べられるのは手作り人ならではの禁断の食と快楽。若いチーズは艶かしいほどに、官能的な味がするのです。ふうんわりとオッパイくさいのです。「わあ、赤ちゃんの匂い」!なのでございます。熟成チーズにはないこのオッパイくささと、赤ちゃん感覚。待たずに早めに手を出してしまいそうな予感。(後日、私がもう一度仕込んで、それを熟成チーズに回しますから)。

チーズ作り・純子&みか特別出演

 相変わらず生徒が少ないままの教室をいいことに、ゴーダチーズ作り。これはだ〜らだらと時間がかかるプロセスになるので、半ばから飲んで食べて(つまり、ほとんど宴会気分で)の教室です。ということで、私はまたべろべろに酔っ払うまで飲んでしまった。「いいじゃん、いいじゃん、どうせ私たちだけなんだからさ〜。飲みながら、ゆっくり作りましょうよ」と…・。嗚呼、私の悪いクセ。定員数いると、さすがに、ここまでは悪乗りしないのですが。
 レンネットが少々不足だったようで、カードの固まり方が遅かった。(ささ、ぐぐうーっと、もう一杯。)
 なんとか、形になったのが夜。(普段は夕方で教室は終了なのですが)。飲みすぎの私はそのままバタンキュー。夜中の1時にシラフになって目が覚めた。「ヤバイ!チーズを塩漬けにするの忘れてた」。救いようないね。夜中にチーズを塩漬けにして、また寝ました。
 只今、チーズは塩漬けの最中。この後から、乾燥を始めます。(1週間ほどかかります)。後からもう一度、自分一人でシラフで作り、まともな形にしたチーズを仕込んでおかなければ、できあがってからの試食のときに恥をかきそうだ。だいたいにして、酔っ払ってプレスしたから、形がみょーにいびつなのです。乾燥させると、そのいぶつさがますます際立ってしまうであろう。ったくもー、飲みすぎるから、こんなになっちゃうのよ!ごめんなさい。ちゃんとした形に作り直しておきます。

白味噌作り

 温かくなった季節に仕込む味噌があります。白味噌です。

 これは米麹を大豆の2倍量にして仕込む甘口の米味噌です。私の配合は玄米で作った麹(元の生玄米500gに友麹としての種付け用白米麹・これは市販品・を100gで作った玄米麹=800gくらいの生麹)、大豆300g、塩150gです。豆より、米の量がとても多いので、かなり甘い味噌になります。本場・京都の老舗の作り方は知りません。私なりの白味噌です。
 柔らかく煮た大豆が熱い(60度)うちに、大量の米麹と塩を混ぜ込みます。熱いうちに麹を加えるのは菌を殺すため。ですから、根本的に他のみそとは違うのですね。菌の働きではなく、麹の糖化作用だけを利用するみそ作りです。麹は菌そのものは死んでも、糖化作用は残ります。(菌類はものにもよりますが、たいがいは60度以上で熱死します)。甘酒作りと同じ論理です。大豆で甘酒を作るような要領で白味噌を仕込みます。仕込んだら、なるべく温かい条件で熟成を進めます。で、出来上がるのが2週間後。2週間でできあがる味噌もあるのです。温かい季節に仕込むのが都合よいです。
 白味噌は甘いというだけで、味噌本来の発酵旨味はありません。ですから、他の味噌の甘味出しの調合のために使います。懐石では最初に出す飯と味噌汁に白味噌の味噌汁を出しますね。白味噌だけでは旨味に欠けるので、1割くらい豆味噌をブレンドした味噌にして使います。
 白味噌は酢味噌和えやぬたなどの料理にも使います。他の調味料と組み合わせると、美味しい味噌に変身します。

 私は白味噌を作るとき、麹の半分は熱死させずに使います。つまり、米麹の半分は生きたまま白味噌の発酵を進める状態にしておきます。また配合する塩の量も、市販の白味噌より多めにして腐敗を抑制するようにしています。ですから、かなり自分勝手な白味噌となっています。また、白米の麹ではなく、玄米麹を使うのも自分勝手。玄米のほうが白味噌の旨味が強いからです。市販のヤワな味の白味噌が、粗にして野なる私の口には合わないからです。(正直言って、私の作る白味噌のほうが、味だけは断然にいいですよ。でも、見た目がちょっと悪い。色がきれいな黄色ではないのです。生成り色みたいな色合いです)。

 作ってみたい方は今くらいからが作りどきです。

13日の教室はゴーダチーズ作りです

 不安定な空模様が続いています。湿度が高い…のに、私はまだ味噌玉を陰に隠れてコソコソ続けています。豆味噌と玄米麹を掛け合わせたオリジナル味噌「玄米豆味噌」を仕込むために。玄米麹を使えば、大豆に麹カビを生やす必要はないのですけどね。でも、豆味噌風味の玄米麹味噌にしたいので(なおかつ、豆味噌も半年くらいで早めに食べ始めたいので)豆味噌菌と玄米麹菌のダブルパンチの混合味噌を仕込むのです。ダブル菌力です。

 とまあ、このような秘め事は棚に上げておくとして。今度の教室はゴーダチーズ作りです。ざっと手順を説明しておきます。
 先ず、ノンホモパスミルクを湯煎で30度に温めて乳酸菌で種付けして発酵させ、レンネットを入れて凝固させます。(ここまで1時間半ほど)。凝固した乳酸牛乳はカードと呼ばれます。カードを細かく切ってから、40度の湯を注いで、カードからホエー(乳清)を抜く作業をします。これがなかなか大変。何度も湯を取り替えて、カードが10分の1くらいまで縮むまで行います。(1時間以上かかります)縮んだカードの塊を木綿豆腐の要領で型詰めします。これがチーズの赤ちゃん。グリーンチーズと呼びます。グリーンチーズを塩漬け(半日)してから、1週間ほど表面を乾燥させます。(味噌玉みたいでしょ)。乾燥したグリーンチーズを密封して3ヶ月以上熟成させます。
 土曜日の教室で行えるのはグリーンチーズのプレスと塩漬けのところくらいまでです。その後の乾燥1週間は私が行います。1週間後の土曜日、つまり20日(パン教室ですが)に、乾燥味噌玉ではなかった乾燥グリーンチーズを「秘伝」真空包装します。なぜ密封するかといいますと、空気を遮断してカビが生えてくることを抑制するためです。頑張ってカビを生やした味噌玉と逆のことを行うのです。で、なぜ、秘伝かと言えば(プロのチーズ作りではロウで密封するんだけどね)私はグリーンチーズをポリ袋に入れて、その空気を掃除機で吸い尽くして真空パックにするからですゲロゲロ。人様には見せたことのない、このおぞましいゴーダチーズ作りの現場を教室初で公開いたしますレロレロ。

 ゴーダチーズ作りって、どこか豆味噌作りと共通していますでしょう。豆味噌作りの後にゴーダチーズ作りを持ってきたかったのです。この作業は大変ですけれど、豆味噌作り経験者ならクリアできるはず。比較しながら考えれば、発酵論理としても面白いものです。
 写真はこの夏あたりから食べ始めることのできる「玄米豆味噌」。今回仕込むのは、もっとたくさん玄米麹を入れて甘口にして発酵を早めようと思っているものです。
 只今、豆味噌(というか、麹菌と麹カビの世界)だけを実用の視点でピックアップして、文庫本にしてみようと考え始めました。豆尽くし〜日本のお豆さん〜とは異なる書き下ろしで。文庫なら、ちょいとコネれる心当
たりがあるもので。