最少量の中種、最大量の中種によるパン作り

 まずは、写真とは関係なく、ヴィノワーズリー生地の種減らしオーバーナイト長時間発酵の試作実験に関して。

 クグロフ等、糖度も油脂分も高い極リッチな配合生地をこの季節(温暖期)に常温オーバーナイトさせるには、最低でも20−25%の中種を配合しなければいけないという結論にたっしました。
 種を10%台に減らしても、とりたてて効用といえるほどの作業合理性はなく、20−25%種付けで(今の時期は25%のほうがよい)ではじめて合理的な常温オーバーナイト14,5時間で一次発酵終了。午前中、朝一番の成形・二次発酵の開始が可能です。クロワッサンに関しては、種減らしの効用が全くないに等しいです。よって、折り込み生地に関しては従来通り50%の種付けとします。
 ただいま、ライ麦50%配合生地を実験中。十中八九、ライ麦パンに関しては種を減らしてはダメ。なぜかというと、ライ麦粉そのものを酸化させるだけの種量が必要になるから。ダメと知りつつ、一応実験中。

 さて、種減らしの話ばかり続いていますが、では、種を最大量配合できる基準は?という別の切り口から。
 上記の写真は種を70%(本配合粉300gに対して200gほど)配合して30−32度の保温、3、4時間で一次発酵を終了させたものです。最大量の中種を配合するのは、この70%が最大限度量です。(ぎりぎり大丈夫な量です)。

 100%(本配合粉300gに対して300gの中種)を配合して保温すると、2時間半ほどで一次発酵は終了しますが、酸化生地になり、逆に重たい白っぽい焼き上がりになります。ただし、これは自然発酵種の中種に関してのみで、イーストを使った中種法に該当する話ではありません。