昌弘のけぞり「里芋のイカ墨煮」

 昨日は久々に店の昌弘が、我が家にご飯を食べに来てくれました。何となくウツウツモンモンとしていたこの1週間、最高の気分転換になりました。
 張り切ってハッスルクッキングでして…。秋刀魚の味噌漬け干し食べにいらっしゃいよ〜…だけでは済まずに。ははははは!昼間から二人でワインを飲んだ。
 この1週間以上も行っていない店の料理が気になって、サジェスト気分で店で作れそうな秋の料理を並べて、それでも済まずに、店で出してはヤバイと思われるものまで作って並べてみました。やはり圧巻は里芋のイカ墨煮でしたね。昌弘いわく「鍋の中を見た瞬間、おもいっきり、のけぞりました」。
 これはイカ墨と味噌、みりん、酒、隠し味にしょうが、にんにく、茶色くなるまでぺとぺとに炒めたたまねぎ少々、赤唐辛子で蒸した里芋とイカを煮たアバンギャルドかつ(味そのものは)トラディッショナルな料理です。味噌味でイカ墨を仕立てるのがミソです。(味噌は海産物の臭みをカバーしてくれるからね)。まさか、あの色白の里芋が石炭のような真っ黒い料理になって出てくるとは想像だにしていなかったマー君です。「見た目はすごいですが、味は最高ですね」。ビジュアル面はともかくとして、味は気に入ってくれたようだ。ただし、かなり衝撃的はあったみたいだけれど。

 イカ墨の料理は、例えば使ったイカの分だけのイカ墨を使うのであれば、さほど真っ黒くろの真っ黒けにはなりません。素材の地の色がのぞく程度の黒さです。刺身などのほかの料理に使い残したイカ墨を冷凍保存して貯めておき、まとめて使うので派手に黒くなってしまうだけです。ということで、本日は使用分だけのイカのイカ墨だけで作った里芋のイカ墨煮を作製しましたが、夕方になってしまったので自然光での撮影不可能となりました。(明日、時間があれば撮影します)。里芋、イカ、味噌、このみっつの組み合わせの味は最高に合うのですよ。無国籍風の里芋料理。みょーにワインと合いました。和でもなく洋でもなく。私の味です。
 インパクトありすぎのイカ墨料理のほかには、季節柄、パイ料理。キッシュロレーヌをアレンジして、この秋に仕込んだアンチョビやベイコンのせて、チーズも使って、「玉葱のメタモルフォーゼのパイ」…(?)。2,3時間炒めた茶色いたまねぎをのせて焼くだけのシンプルなパイが本来なのだけれど、やはり、欲張りにごちゃごちゃと何かをのせて焼きたくなったのです。練りこみ生地ではなく、アター(チャパティー用の全粒粉)でバター折込み生地にして軽く仕立ててみました。これは昌弘に文句無く受けたようです。生地にパン種を練りこんだもので「半クロワッサン半折込パイ」のようなものを作りたくて、これも只今、試作の仕込み中です。このパン的折込パイのキッシュロレーヌを純子やみかにも食べさせたい。(でも、失敗したりして…)。
 昌弘と二人でマンツーマン教室をやったみたいな感じ。すごく久しぶりに教室もどきのレクチャー。なんだかメチャ嬉しかったです。昼から夕方まで飲んで食べて話して笑い転げて。まあ、享楽的とも言える、デキャダンとも言えるであろう。私の真骨頂だ。かまうもんか。ああ、早く教室を再開したい。まあ、こういうことだから、まともな教室ではないんだけれどね。(まともではないという自覚だけはあるのだが、反省及び改善はありえない)。昌弘のおかげで、やっと元気が復活してきた。(昼間から酒を飲んだせいだろうという話もある)。教室の再開、鈴乃家との企画の進行、ボツになってしまった本の企画の原稿の書き直し、・・。2ヵ月半以上もお留守にしてしまった自分本来の仕事の再建にとりくまなければ。(しかし、腰が重いみたい)。