鰹節のしっぽ

 正月も近いというのに、相変わらずシミッタレた画像ですな。

 鰹節のしっぽ。

 おせちづくりに向けて、いつもより多い量の鰹節を削っています。

 鰹節って、しっぽに近づくと、削りにくくなってくるんです。

 補助道具を使ったり、丁寧に注意深く削ると、たぶん大丈夫なんでしょうけどね。でも、やはり、そこつ者としては、まどろっこしいし、手まで削ってしまいそうなのが怖いのよ。

 たぶん、料理人とか鰹節屋さんなどに知られたら、叱られちゃうかもしれないけれど…、我が現状をバラします。

 水に浸して湿らせて、ポリ袋に入れて冷蔵庫の中に1,2日ほど置いておくの。それを取り出して、ストーブの熱風に置いて、ちょいと乾かすの。

 こうすると、鰹節が柔らかくなって、すごく削りやすくなるわ。がっちり握る力みも要らなくなるので、かなり注意深く削れる。端っこ近くまで削ることができるわ。で、最後は包丁で切っちゃう。

 鰹節屋のオバチャンは、「しっぽのはしっこを冷凍庫で何個か取りためて、うちに持っていらっしゃいよ。機械で削って削り節にしてあげるから」と言ってくれるんですけどね。街の鰹節屋さんは、ホンマに親切です。デパートなんぞでは、こんなこと言ってもらえないもんね。

 でも、しっぽの果てまで、やはり自分で何とかしたくて。

 で、「水浸し」の湿らせた鰹節でエンディング。完食!

 あの〜ですね…。(これも、プロには知られたくない話)。

 もし、鰹節削り器を持っていずに、でも、ホンモノの枯節を自分で削って、美味しいダシを引きたいとお思いならば…。

 この邪道な方法、かなり使えるんですわ。

 多めの水で長めに鰹節を浸水しておくのよ。そうすれば柔らかくなり、包丁で鉛筆を削るみたいにそぎ切りできるの。ちょうど、蕎麦屋の「厚削り」みたいな感じになるわ。

 それを10分ほどアクを取り除きながら煮出すの。

 香りは若干飛んでしまうけど、旨味の濃い鰹だしが引けるわよ。丸ごとまんまの鰹節のだしは、市販の削り節よりも(たとえ、こんな邪道な方法であれ)ずっと美味しいわよ。

 蕎麦のだしとか、お雑煮のだしとかには、美味しいだし汁が欲しいでしょ。

 道具がなければ、自分の身の丈に合った使い勝手の良い邪道をやっていいと思っているわ。

 デパートで売られている本節なら、比較的小ぶりなので1本千円前後ていど。年末年始の正月料理に使う分には、決して贅沢過ぎなんかではないです。

 この期に及んで鰹節削り器を買うなんて無理…と思っている方。それでも、美味しい本物のだしを引きたいと望んでいる方。

 この「邪道」をお試しあれ。今からでも、美味しい年越し蕎麦、美味しいお雑煮に間に合うよ。

 ほれほれ、本節、こうて来なはれ〜。昆布も忘れんなよ〜。