たくあんが、酸っぱくなりました

 冬の間中、食卓の常連さんだった「カンタン沢庵」。教室の試食時間でも、毎度おなじみの常連さんでした。

 (干し大根を普通の糠床に数日間ほど漬け込むと、沢庵そっくりの漬物になります。近年は、本格的な沢庵を作らずに、普段の糠床でカンタン沢庵にしています。糠床を毎日かき混ぜなくて済むし、沢庵は美味しいし…。冬の間は、漬物仕事はラクできました)。

 しかし、ウグイスが、ホーホケキョと上手に啼けるようになると、沢庵がとても酸っぱくなるのです。

 ホーホケキョを境に、糠床を温かい季節の漬物用に立て直します。完全に眠らせていたわけではないので、立て直しは簡単です。

 糠と塩をたっぷりと補充して、毎日、日に一度かき混ぜます。糠床の発酵が活性化すると、自らほんのりと温かな熱を持ちます。そして、フカフカと空気を抱きます。

 元気に呼吸を始めて温もりを持った糠床を見るたびに、糠床とパン生地って、似たもの同士だな〜と感じます。

 うつらうつらと居眠りしていた糠床が、元気一杯に復活するのは数日ほどかかります。それまでは、酸っぱい春野菜の漬物を食べなくちゃいけないんです。

 写真手前は、茎が紫色の菜の花の糠漬けです。床の酸味のおかげで、紫が紅く変色して春っぽい色の漬物になりました。(写真奥が酸っぱい沢庵)。

 菜の花のほろ苦さと、糠床の酸味が、みょーに合うんです!渋めの紅色も大好き。こりゃええわあ〜。

 キュウリを漬け込むには、まだ、ちょいと早すぎだな。もっと酸味が抜けてからです。

 当面、国分寺野菜の美味しい菜の花の漬物を楽しみながら、糠床が立ち直るのを待ちます。

 こんな冬送り春迎え、季節の移ろいの端境期にある漬け物も大好きです。