かなりいい加減だけど、今週のパン

 どのような仕上げにするか決めていないうちに生地が発酵した。配合そのものはリーンなものと決めていたけど、成形を考えるヒマはなかった。とりあえず、丸めて焼いておいた。あーなんたる体たらく。なにをそうやってもパンにはなるのだ。

 私は味噌玉を丸めるのが忙しかったのだ。通常なら軽く浸水して(皮がふやけるくらい程度の軽い浸水)蒸して窯止めした大豆を3割がたほどつぶし、丸めて球状にしたものに、豆味噌用の菌をまぶして種付けするのね。種が発芽してカビに覆われたら、塩水で漬け込む。でも、今回は「味噌糀」を大豆の中に混ぜ込み、外側には豆味噌用の菌をまぶしてみるということをやってみたのです。どのような発芽を見せてくれるのか、とても楽しみです。ダブル種付けだよね。菌の種類がもし違ったら、近親相姦みたいな発酵になるかもしれない。どーなっちゃうんだろう?写真左側が、味噌玉。

 その右隣の豆は蒸した大豆に豆味噌用の菌をまぶしたもの。この豆への種付けが成功すれば、しんちゃんからいただいた味噌糀と似たようなものになるはず。麦を焦がさない程度に煎って挽いたものに菌を混ぜ合わせ、それをまぶしました。どうなることやら、これも楽しみ。

 味噌玉にするのは空気の好きな枯れ草菌を遮断するため。枯れ草菌がついてしまうと、納豆臭い味噌になるから。丸めて空気を遮断することで、枯れ草菌の増殖を抑制して、嫌気性の乳酸菌を増殖させます。乳酸菌は腐敗菌の増殖を抑制します。
 かたや、丸のままの豆に種付けしたものは枯れ草菌に取り付かれる恐れもあるわけよ。下手したら味噌ではなく、糸を引き始めて納豆になっちゃうかもしれない。醤油作りの失敗のほとんどは醤油糀にするつもりだった大豆を納豆系の菌に犯されてしまうことだった。納豆は好きだけど、大豆の発酵物を作るときだけは敵だね。日本などは納豆菌類がメチャクチャ多いんじゃないかなあ。目に見えない敵との闘い。このスリルがたまらない。でも、…失敗してもいいもんねーだっ!!。四回転で転倒した大ちゃんをまた切なく思い出してしまった。

 明日の教室の「今週のパン」はこれから考えます。味噌玉が、いけないんだよ。パンまで丸めてしまったではないか。ともかく、羊と猪に合うパンなど、なかなか思い浮かばないのですよ。どこの誰だよ、羊と猪などをパン教室に用意してしまったのは?

豆味噌を作ってみるのだー

 昨日、しんちゃんから田舎の土産をいただいたのよ。珍しいものばかり。おおっ!と心中うなったのは大豆を麹にした「味噌糀」。以前にも小倉カメラマンから徳島土産でいただいたことがあるんだけれど、その時は教えられるままにしょうゆ漬けにして食べちゃったのね。ちょうど二段仕込みの「再仕込み溜まり醤油」みたいな味だった。で、しんちゃんも醤油漬けにするんだよ、なんていうわけ。

 醤油漬けなんて、ありきたりなことするのは惜しいのです。この大豆の糀で、(米糀や麦糀を使わずに)豆味噌が作れるはず。蒸した大豆と塩と、この豆の糀だけで。以前に豆味噌の菌で種つけして、大豆そのものを糀にして豆味噌らしきものを作ったことがあるもん。(発酵食の本を書いている最中だった頃に。)そのときの経験から言うと、この糀カビの色は豆味噌の菌の色。絶対に、この味噌糀で豆味噌の発酵に持ち込めると確信している。
 ということで、今、大豆を蒸している最中です。午後から「実験的豆味噌」を仕込んでみます。

 やまごぼう(モリアザミの根)もいただいた。これは醤油もろ味などで漬け込む漬物材料。(しんちゃんは味噌漬けにする、と言っていたけど、正確には醤油もろみ。でも、愛知県の赤味噌はほとんど溜まり醤油と同じような作り方だったはずだから、醤油もろ味も赤味噌漬けも、さほど大きな差はないのかもしれない。)山ごぼうも今塩漬けの最中。塩漬けが済んだら、醤油、みりん、味噌を混ぜ合わせて煮立てた調味液に(熱いうちに)漬け込んでみる。山ごぼうを湯がくのではなく、生のまま塩漬けして、調味液の漬け床のほうを熱くして漬けてみるつもり。(生のまま扱ってみるのは初めてだけど…。)

 明日は教室なのに、まだパンを焼き上げていないんだよねえ…。二次発酵中。(2時間近くも放置しっぱなし。)ヤバイ。はたして「今週のパン」の掲示はできるのであろうか?

 明日でともちゃんは修了してゆきます。北海道から連れてきた羊(ウソ)でジンギスカンやろうぜ。ついでに、OKストアーからイノシシの肉も買ってきてしまった。ともちゃんに猪も食わせて元気一杯に送り出しましょう。猪突猛進、とかさあ〜。明日は久々にゆきちゃんも来るよ。

 あー、こんなこと書いていないで、早くパン焼かなきゃ…。