どつぼはまり・その2

 田舎の両親も、いよいよ人生のラストランを迎えたようだ。父親が数日前に「入院」。病院住まいの人となった。体のどこが、どう悪いというわけではないが、精神力含めて、全体的に弱ってしまっている。

 女!強し。母は逆に勢いを増し、父を守る体制に出た。まるで、かつてのキャリアウーマンのように「お勤め」感覚で、毎日かいがいしく父の入院先に「通勤」して、私のわがままとーちゃんのお世話に勤しんでいる。

(私の両親は、かつて共稼ぎの公務員、同じ職場のおしどり夫婦だった)

 ああ、お母さん。もう、そんなに頑張らなくていいんだよ…。今まで、十分に、十分すぎるほど、がんばってきたんだからさあー。いくら頑張ってもさあ、だれがわかってくれる苦労でもないんだからさあ…。お父さんだけが、わかってくれているからさあ。もう、いいからさあ、もう少し休んでよ。

 女!強し。母は涙ながらに哀願する娘の言葉にますます勢いづいて、「キャッキャッ!よーし、私は、もう頑張らないぞ!絶対に頑張らない!だいじょーぶだー!」
…と、…。
 頑張っている。ゲロッ。

 まいったなあ…・。

 私自身、今後の仕事の展開先は、北海道の郷里(ニセコ町)を含めて考えている。母はいずれ一人になる。気丈夫な人間なので、まだ寂しいとは言わない。でも、言葉の端端に、やはり老い先の不安をのぞかせている。

 私に何ができるとは思わないが、せめて、そばにいるよ、というくらいのパフォーマンスは具現したいね。やはり、心配だからね。やはり、親だし、やはり、子だからね。

 HP立ち上げの件はついに難航を極めた。

 ゲロッ。

 本日一日をマイクロソフトだのイーマシン(PCプロダクトの会社)へのテクニカルサポートの電話で費やした。はははははは!

 結論から言うと、「お役に立てずに、申し訳ありませんでした」と、双方から言われた。こんなの初めてだ。
 ガーン!

 MSはHPには本質的に関係ない。(ソフトの会社だから。でも、ずいぶんと助けてもらった)。今日は、イーマシンが主体となって、長い時間付き合ってくれた。本当に親切丁寧だった。感謝。
 HTML形式でタグを入力して保存・更新すると、とある時点から容量不足の警告が入り、続行できなくなるという私の事態。
 イーマシンはありとあらゆる手段をこうじて(セキュリティーのみならず、ついに言語バーまで削除して!)対応策をサポートしてくれた。が、かなわなかった。
「PCが壊れているということも考えられます」。
 買ったばかりの機械が壊れているわけないじゃーん!いえ、なきにしもあらずです。そりゃーないよー。いえ、そういうことも、あることもあるのです。そんなのって、ありですかー?はい、ある場合もあります。やだー、うそー!やだよ、今、私から、この機械をとらないで!これ以上、なにも仕事できなきゃ、わたし死んじゃうよー、助けてよー。お願いだよ、助けてよー!
 イーマシンのサポーターも必死。顔も見知らぬ同士なのに、ここまで親切丁寧に付き合ってくれるのか…と、泣きたくなるほど、至れり尽くせりの方策だった。感謝。

 「こんなこと、テクニカルサポートとして、言ってはいけないことなのですが」というエクスキューズのもとで。
 1日でもいいから、PCを「完全休息」させて、(つまり完璧に電源を切って、さらに全部、コードを抜いて)「PCをせめて一日だけでもいいから、ゆっくり休ませてあげてほしい」「起動の不安定さは、完全に休ませると、そのあと正常に安定した起動をみせる場合もあるし」「何の根拠もない言い方なんですけどね、経験的に、そういう対処の仕方もあった・・」。

 ありがとう。ここまで教えてくださるのか。実は、以前のノートのときも、全くこれと同じ方策をとって、3回までは成功した。(これは毅くんが教えてくれた最後の手段の打開策だったのだけれど)。でも、4度目は成功しなかった。

 vista買って早々に、これか…。HP立ち上げができなかったら、生徒募集の告知もかけられない。仕事ストップのまま。でも、これ以上、もう立ち上げをもたつかせることはできない。やばいなあ…。しみじみ孤独。最低限のことすらできない自分がふがいない。さみしい。

 一人旅出とうとしている父を思う。一人残される母を思う。一人の自分の弱さを思う。
 嫌いな言葉、嫌いな人。「がんばれ」という言葉、そう言う人。心の底で、私が頑張っていないととでも思っているのか?…と叫びたくなり、悲しくなる。
 日本人の日本語って、安直に言うよね、がんばれって。あれほど突き放した自己擁護的マスターベーション言語は他世界で例を見ないよな。便利な言葉なので、私もじゃんじゃん利用しているけどさあ…。でも、本当に愛する人間には言えない言葉なよなあ…・。
 お母さん、がんばらないで。