すみれ一番咲き

 庭のすみれの一番花が咲きました。やはり、ちゃーんと春は来るらしい。枯草や雑草の中から、ぐんぐん伸びて花が咲きました。
 このすみれはしんちゃんから分けてもらったものです。いただいたとき、手のひらに乗るほど小さな小さな鉢植えでした。すみれの花も葉も赤ちゃんの爪くらいに小さくて、とてもとても可愛らしかったのです。濃い色のものと薄い色のもの、二種類いただきました。

 まあ、ここまでは良かったのですよね。

 しかし、…この後が、実に私らしい。
「よし、大事に育てて、株を増やすぞ!すみれをバンバン増やして、うちの春の庭をすみれの花園にしよう!」
 アホのひろこは何をやったか。大豆を発酵させて土と混ぜて、白い菌糸がからむハンペン状態の肥料(?)を手作りして、すみれの土に混ぜた。
 赤ん坊の指先のように可憐だったすみれは、得体の知れない…とんでもない栄養素を与えられたせいか…、ガンガンと成長し始めて、夏にはホウレンソウくらいのサイズにわさわさと茂った。派手に種も撒き散らしていた。株が増えるというよりは、むしろ…可愛げがなくなった…というほうが正解かもしれない(かもしれない、ではなく、断定しろ)。どうしよう…。また、やっちゃった…・。

 そして、また春。ホウレンソウは、また、元のサイズの可憐なすみれに戻り、今年もかわいい小さな花を咲かせました。(あー、ほっとした!あのまま、どでかいホウレンソウが生えてきたら、しんちゃんに何て言い訳しようかと考えていたのだ。もう、その際は、「品種改良してみましたー!」とか、偉そうに胸を張る…とかね)。