皮もうま味出しに

 料理ってほどのものでもないけど。

 皮ごとの焼き空豆って、ウマいわよね。

 地元の初物は、先ず、これよ。鞘ごと真黒になるまで地獄焼き。

 味が濃くなるわ。

 野菜が外界と接して、一番頑張った部分が皮。

 この皮に、旨味や滋養がぎっしりと詰まっている。

 トウモロコシをゆでたり、蒸したりするときも、皮ごと加熱するとうま味が強くなるわよ。甘みも逃げないし。

 アスパラは、下のかたい部分を切ったり皮むいたりするでしょ。普通は捨てちゃうわよね、そんな部分を。

 でも、捨てないで、煮たり蒸したりするときに、下に敷いて加熱するといいのよ。これも、味が濃くなるわ。良い香りも残る。

 トマトの皮をむくときにはね、湯むきしちゃダメよ。直火で焙って、薄皮一枚をペロンと脱がしちゃうの。湯むきすると水っぽくなっちゃうけど、焙って向くと味が濃くなる。

 野菜の皮って、堅いし邪魔だし、場合によってはいたんで汚れていることもあるわ。よほどいたんで汚れている部分は取り除くにしても。

 使える部分は、野菜の中身の旨味や香りを強めるために、ぜひ、活用してみて。せっかくの旨味出し、むげに捨てちゃうのはもったいないよ。使えるものは、全部使う。据えるのは、そのあとでいいのよ。

 ジャガイモの皮だけは気を付けて。芽の部分に毒があるからね。使うなら、万全に取り除いてから使いましょう。