今週の教室のアイテム、パン オ レザン(レーズンパン)です。
配合はカンパーニュと同じで、めずらしいアイテムではないのですが…。
いつもはフランス粉とライ麦粉をブレンドし、あまり捏ねすぎないようにして生地を作りますが、今回は強力粉と細挽きライ麦粉を使って、よーく捏ねて、気泡の小さいフワフワ柔軟な(食パンのような)生地にしてみましょう。
レーズンパンは、レーズンの甘さが加わるので、少し柔らかい生地にするほうが、味のパランスがとれると思うのです。
硬いレーズンカンパーニュなら、どこかの酵母パン屋さんとかでも買えるしね。
配合は強力粉250g、ライ麦粉50gです。水は少し多めにね。225ccくらいです。ライ麦粉はドイツ産のメールダンケン。ライ麦粉としての香りはとても良い粉です。細挽きなので、優しい口当たり。
ガンガンガッツリと捏ねを入れたくなっちゃうような粉ですよ。で、強力粉の配合にしちゃった。
うん、これ、いいよ。普通の食べやすいパンみたいで。ふわふわしっとり。
ふわふわしっとりしたパンのほうが、実はうちの種に合うんですよね。中種法ですからねえ。よく捏ねている生地なので、焼き色も豊かに着きやすい。
パン生地は捏ねが少ないものよりも、捏ねが長いものの方が焼き上がりの成績が良いのです。焼き色が着きにくいオーブンレンジの人などは、普通よりも多めに捏ねを入れるほうがいいですね。
本日は、これから数種類の焼き菓子作りです。写真撮りたいだけです。別に食べたいというわけではなくて。
イメージしているのは森のパン屋さん。
果物やナッツを使って、ガレットやタルトを焼きあげます。三種類くらいなら、夕方までに作れるかなあ。
パンや焼き菓子の撮影には、午後、夕方近くのオレンジ色っぽい光が似合いますねえ。
・シュネーバレーン(くるみたっぷり、ほろほろしたバター生地のガレットで、粉雪のように粉砂糖がまぶされています。生地はロシアンクッキーみたいにしてみます。)
・苺タルト・クレームドアマンド(タルト生地にクレームドアマンドと苺の入れて焼いたもの。果物は季節によって変わります。ブルーベリーや洋ナシなども美味しいです。)
・ファーブルトン(カスタード生地の焼き菓子です。普通はプラムの赤ワイン煮などを入れるんだけれど、無花果とか、バナナとか入れても美味しいです。今回は白無花果を使います。)
(ブツは、そのまま明日の生徒の腹の中に収まるのであろうな…。もうじき、お雛様ですものね。酒ばっかり飲んでいないで、たまには女の子っぽい可愛いこともやらなきゃいけないぜえ〜)。
はい!ということで。
北国の山奥深く。カラマツ林を抜けて進むと、森の中に小さなパン屋さんがありました。
看板には「酵母パンと焼き菓子の店」と書かれています。
ハッカ飴色の扉をギギギッーと開けたとたん、あまーい匂いに包まれました。
古びた木の棚の上には、香ばしい香りの酵母パンが数種類ならんでいます。別な棚のほうには、何種類かの焼き菓子が置かれています。
派手なものは何一つありませんが、森の木漏れ日のような暖かい色のお菓子やパンたちばかりです。
「わー、何にしようなか〜」と思っていると、「お嬢さん、本日は何がよろしゅうございますかね?イヒヒヒヒヒ。」
と、奥から、黒いサングラスをかけた魔法使いが、煙草をくわえて出てきました。
ギャッ!
めでたし、めでたし。