ウスターソースはまだ鍋の中

 早朝、南の空に何となく怪しげな雲。細長く一直線に。ジェット雲ならいいけれど、まさか地震雲なんてわけないでしょうねえ。後から雲の本を調べなくちゃ。

 それも、もう今は消えかかっています。まあ、大丈夫だあ〜。

 昨日、丸一日、火をつけたり消したりしながらダーラダラと柔らかく煮た材料をペーストに粉砕して、本日より煮詰めに入るウスターソースです。味付けを調えるのは最後でいいです。

 ウスターソースづくり。料理本には書けない本音がございます。実はこれ、年末前の冷蔵庫内の残り物の整理も兼ねているのです。

 残っているキムチ漬けの漬け汁(発酵しすぎて酸っぱくなっている)、ラッキョウ漬けの甘酢(食べ残しのラッキョウが3粒残っている)、使いきれなかった果物のジャムが何ビンかもてあまされているし(今さらそのまま食べる気にはならんやつじゃ)、うわあああ〜、やはり使い残していたぜ!手づくり調味料のチリソースだのニンニクペーストだのが、奥の方からウジャウジャと出てくるわ出てくるわ…。わおっ、野菜のピクルスもまだ残っていた!ヤベー、夏のキュウリじゃん。よく腐らなかったなあ。

 うちの冷蔵庫はゴミ箱か!?

 そういった怪しげなものの全てを鍋に入れて煮込むのです!もう、ほとんど、白雪姫の毒りんごを作っている魔法使いのバアサン状態です。ウヒャヒャヒャヒャというエゲツナイ笑い声すら漏れてしまう。

 お宅にも、ありませんか?そういった「捨てようかな、どーしようかなー?でも、腐っていないし、まだ使えそうだし、もったいないなー、あ〜、どーしようかなあ?」みたいな、もてあまし物が…。

 これをぜーんぶ、ソース用の煮込み鍋に入れちゃうんですよ。有名どころの大企業だって、まあ、似たようなことやってるじゃん。でも、私の場合は売り物の商品にするわけじゃないので平気です。キムチ漬けで残った漬物汁なんて、ほんと、最高のダシになりますねえ。発酵食品や漬物、ピクルス類、切り込みなどの海産物塩漬け類、ジャムやマーマレードのプレザーブ類、つまり腐敗しない保存食系のものなら、なんでも旨味出しになります。
 もともとは手間暇かけて作った我が家の保存食品や漬物です。残り汁とはいえども、最後の1滴すら捨てずに使い切るためのウスターソースづくりなのです。

 さすがに、料理本のレシピには書けないねえ。「材料;冷蔵庫の残り物」なんて。